バドミントンは全身を使う有酸素運動として人気がありますが、練習中の怪我や疲労から体に悪いと心配する声もあります。本記事では、2025年時点の最新情報をもとに、バドミントンが本当に体に悪いのか、健康へのメリットとともに明らかにします。楽しく続けるために必要な注意点や予防策も詳しく解説します。
目次
バドミントンは体に悪い?健康面のメリット・デメリットを解説
スポーツ全般と同様に、バドミントンにも利点とリスクがあります。バドミントンは短距離ダッシュやジャンプ、ラケット操作を繰り返す高強度の運動で、心肺機能や筋力アップといったメリットがあります。一方で、利き手・利き足に偏った動作や急な着地が原因で、膝や肩などに負担がかかり「体に悪い」といわれる理由にもつながります。
しかし、近年の研究ではバドミントンは心肺機能や筋力アップに優れた全身運動と評価されています。専門家の意見によれば、多くの持久系スポーツと同様、適切に行えば健康維持に効果的です。適切な練習法と休養の工夫でデメリットは抑えられるとされています。
体に悪いと言われる要因
バドミントンでは、利き手の腕で強打し、利き足で踏み込むフォームになることが多く、左右の筋肉バランスが偏りやすいスポーツです。例えば、ジャンプスマッシュの着地動作など強い衝撃で膝や足首に負担がかかりやすく、特にフォームや装具が不十分だと関節を痛める原因となります。利き手・利き足を使いすぎることで筋力のアンバランスが生じ、腰痛の原因になることも指摘されています。
また、瞬時の反射が求められるためヒザや足首、肩に急激なストレスがかかることがあります。過去に怪我をした部位に負担がかかりやすかったり、準備運動不足でいきなり激しく動くと故障につながります。ただし、これらは競技レベルが高い場合や練習量が多い場合に顕著で、初心者やレクリエーションレベルでは一般的なスポーツと同様の範囲です。
こうしたリスクを前もって知っておくことで、予防対策も立てやすくなります。次節で紹介する健康効果とあわせて理解することで、適切に対処しながら楽しむヒントが得られます。
実は?バドミントンの健康効果
バドミントンは持久力や瞬発力を同時に鍛える全身運動です。シングルスでは走り回り、ダブルスでも素早い動きが必要なため、高いカロリー消費が期待できます。例えば、中強度で1時間プレーすると約400~600キロカロリーを消費するといわれており、ダイエットや体重管理にも有効です。また持続的な運動により心肺機能が向上し、血圧低下や善玉コレステロール増加といった健康効果も報告されています。
筋力面では下半身(太ももやふくらはぎ)の筋肉が特に鍛えられ、飛躍的な筋力アップこそないものの日常生活で必要な筋力を維持・強化できます。さらに素早いショット判断の繰り返しは反射神経や集中力、認知機能の向上にもつながり、メンタル面での効果も得られます。実際に最近のシステマティックレビュー(2022年)では、バドミントンは一般スポーツに比べて心肺機能、筋力、骨密度、精神的健康にも良い影響を与えることが示されています。
コミュニティや対戦相手との交流も魅力のひとつです。集団でプレーすることで社交性が高まり、ストレス解消にも役立ちます。総合すると、バドミントンは正しく続ければ筋力強化や心肺持久力向上、ストレス軽減など多くの健康メリットが期待できるスポーツです。
継続するために気をつけたいこと
バドミントン愛好者が練習や試合で快適にプレーするためには、以下のポイントを意識するとよいでしょう。まず、疲れているときや痛みが残っているときは無理をせず中断し、十分な休養をとることが重要です。また、練習前には軽いジョギングや動的ストレッチで体を温め、肩や脚など主要な筋肉をほぐしておきましょう。プレー後にはストレッチやアイシングで疲労回復を心がけることで、筋肉痛や疲労を軽減できます。
練習の負荷を徐々に高め、技術への意識も忘れないようにしましょう。コーチや先輩にフォームのチェックを依頼し、正しいフォームで打つ習慣をつけると怪我の予防になります。また、厚底でクッション性があるシューズを使うことで膝や足首への衝撃が和らぎます。ラケットも自分に合った重さやグリップを選ぶと無理な力が入りにくくなり、筋肉や関節への負荷を減らせます。これらの対策を踏まえれば、体へのリスクを最小限に抑えた継続的なプレーが可能です。
膝や関節への負担:ケガのリスクとは?

バドミントンでは素早い切り返しやジャンプなどで膝や足首、肩を多用します。そのため、練習量が多かったりフォームが崩れたりすると特定の部位に負担が集中しやすいスポーツです。以下では主なケガのリスクに焦点を当てて解説します。
膝関節への負担と怪我
ジャンプスマッシュやダッシュでの急停止など、膝は瞬間的に大きな負荷を受けます。特に着地時に膝関節がねじれると、半月板損傷や前十字靭帯損傷など重篤な怪我につながる可能性があります。過度なジャンプや曲がった姿勢での踏み込みを繰り返すと、膝の靭帯や軟骨に炎症を起こすリスクも高まります。実際に2025年のシステマティックレビューによると、バドミントンでは全体の4割以上が下半身の怪我であり、その大半は膝に関するものだと報告されています。
しかし、適切な準備運動と技術で膝への負担は大きく軽減できます。太ももの前後の筋力をバランスよく鍛えておくことで、着地時や踏み込み時に膝を安定させ怪我の予防になります。プレー中に膝に違和感を覚えたら無理せず休息し、アイシングで腫れを防ぐことも大切です。
足首への負担と靭帯損傷
バドミントンでは左右へのステップやジャンプ着地で足首を大きく捻る動作が多いため、足首の捻挫リスクが高いスポーツです。特に着地時に足首が内側に曲がると、外側靭帯を傷める内反捻挫が起こりやすくなります。研究でもバドミントン選手の怪我の多くに足首捻挫が含まれており、繰り返すと靭帯がゆるんで反復捻挫の原因となることがあります。
対策としては、プレー前に足首回しなどで足首周りをほぐしたり、サポーターで固定したりする方法があります。また、コートの下地やシューズの摩擦にも注意し、滑りにくいコートや安定感のある靴を選ぶと捻挫を防げます。足首を痛めると全身の動きにも影響が出るため、足首周りの筋力トレーニングとこまめなケアでリスクを減らしましょう。
肩・腕への負担
ショットを打つたびに肩や肘にも負担がかかります。オーバーヘッドでラケットを強く振り下ろす場合、肩関節周辺の筋肉や腱(特に回旋筋腱板)に炎症が起こることがあります。また、ラケットを握る手首や肘にも連続使用で疲労がたまり、テニス肘のような症状が出る場合があります。これらの負傷は、フォームが不適切だとさらに起こりやすくなります。
肩や肘の負担を軽減するには、腕だけでなく体全体を使ったフォームを意識することが重要です。打つ瞬間に腹筋や背筋も使うよう意識してラケット操作し、腕だけに力を入れすぎないようにしましょう。プレー後に肩周りのアイシングや肩甲骨周りのストレッチを行うことで疲労を和らげ、疲労蓄積による痛みを予防できます。
バドミントンの健康効果:体力と精神面へのメリット

バドミントンは、楽しみながら様々な健康効果を得られるスポーツです。以下に主なメリットを説明します。
心肺機能と消費カロリーの向上
バドミントンは呼吸数が増える全身運動であり、心肺機能の向上に適しています。プレー中は心拍数が上がり酸素摂取量が増えるため、継続するほど心臓や肺の持久力が高まります。また、前後左右に走り回る動作でカロリー消費も高く、体重管理や基礎代謝向上にも貢献します。一般的な大人が中強度で1時間プレーすると約400~600キロカロリーを消費するとされ、軽いジョギングに匹敵するエネルギー消費が期待できます。
持久力がつくことで疲れにくい体質になり、日常生活での活動量も増える傾向があります。さらに、血管の弾力性が向上し動脈硬化の予防につながるなど、長期的には生活習慣病のリスク低下にも役立ちます。バドミントンは屋外・屋内を選ばず楽しめるため、継続しやすい点もメリットです。
筋力・柔軟性の強化
バドミントンでは主に下半身(大腿四頭筋やハムストリングス、ふくらはぎ)が強く使われます。ダッシュやステップを繰り返すことでこれらの筋肉が鍛えられ、脚力やジャンプ力が向上します。また、素早い動きに対応するために股関節や足首の柔軟性も高まります。加えて、腕でシャトルを打つ動作では肩や腕、体幹の筋力も使うため、全身の筋力バランスを整える効果もあります。
バドミントンは可動範囲が広いスポーツなので、自然と柔軟性の向上も期待できます。プレー中に前屈や体をねじる動作を頻繁に行うことで、柔軟性が保たれ、他のスポーツや日常の動作でもケガの予防につながります。体幹(腹筋・背筋)の強化もバランスの安定に寄与し、加齢による筋力低下への抑制効果も期待できるスポーツです。
ストレス解消と認知機能への効果
激しいラリーを通じて運動することで、エンドルフィンやセロトニンといった「幸せホルモン」が分泌されます。これによりストレスが軽減し、メンタルヘルスの向上が期待できます。また、ゲーム中に瞬時の判断が求められるため、集中力や反射神経が鍛えられ、脳の血流が増えることで認知機能の維持にもつながります。
バドミントンは2人1組(ダブルス)で行うことも多く、仲間とのコミュニケーションが深まるのも大きなメリットです。仲間との協力や勝負の喜·怒哀楽を共有することで、社会性やチームワークを育むことができます。以上のように、バドミントンは肉体的な健康だけでなく、精神面・社会性の向上にも寄与するスポーツです。
怪我を防ぐ練習法とケアのポイント
怪我を避けてバドミントンを楽しむには、練習前後の準備や日常的なケアが欠かせません。以下のポイントを押さえましょう。
ウォーミングアップとクールダウン
練習や試合前には必ずウォーミングアップを行いましょう。軽いジョギングやスキップで全身を温めた後、肩回し、足首回し、膝曲げ伸ばしなどの動的ストレッチで関節周りをほぐします。特にバドミントンは反復横跳びやランジが多いため、腰や股関節、下半身の動きやすさを重点的に確認しましょう。ウォームアップにより体温が上がると筋肉の柔軟性が増し、急な動作でもケガをしにくくなります。
プレー後にはクールダウンも欠かせません。軽いストレッチやジョギングを取り入れ、心拍数を徐々に下げます。その後、アイシングやマッサージで筋肉の炎症や疲労物質の蓄積を抑え、翌日に疲労を残さないようにします。冷水シャワーやスポーツドリンクで水分・電解質を補給することも疲労回復につながります。
正しいフォームと適切な用具
フォームが崩れると同じ部位に無理な負担がかかるため、練習や試合では正しい打ち方と踏み込み方を意識しましょう。例えば、ジャンプ後の着地はつま先からではなく足全体で着地し、膝関節をしっかり曲げて衝撃を吸収するフォームを身につけます。打点や足の運び方もコーチに指導してもらい、自然と安全に動けるように練習を重ねましょう。
- シューズ選び:クッション性が高く、足首をしっかりホールドできる屋内コート用シューズを選びます。
- ラケット選び:自分の腕力に合った重さやシャフトの硬さのラケットを使い、無理な力がかからないものを選びます。
- シャトルコック:劣化したシャトルは弾みが変わりやすいので、新品または保存状態の良いシャトルを使用します。
- 環境への配慮:滑りやすいコートや障害物がないか事前に確認し、安全な場所でプレーしましょう。
これらの用具・環境を整えることで、思わぬケガのリスクを減らせます。
筋力トレーニングと柔軟性強化
日頃から下半身・体幹・肩周りの筋力を鍛えると、プレー時の負担に強い体になります。スクワットやランジなどで太ももの前後の筋力をつけると膝を安定させ、走動中の衝撃でも怪我をしにくくなります。腹筋・背筋を鍛える体幹トレーニングはバランスを取りやすくし、腰痛予防にも効果的です。肩まわりはバンザイ腕立て伏せやゴムチューブの引っ張り運動で強くすると、スマッシュを打つ際の肩負傷を減らせます。
- スクワット・ランジ:膝周りや大腿筋群を鍛え、ジャンプやステップへの耐久力を高めます。
- プランク・腹筋運動:体幹を強化し、ラケットを振る際に腰を安定させます。
- 肩甲骨周りの運動:ペットボトルやダンベルを使ったサイドレイズなどで肩関節を強化し、疲労を軽減します。
- 柔軟体操:股関節やひざ裏、ふくらはぎなどのストレッチで可動域を広げ、筋肉痛や肉離れを予防します。
これらのトレーニングとストレッチを定期的に行うことで、怪我の予防効果が高まります。
休息と疲労回復
適度に休息を取ることも大切です。同じ部位を疲労させ続けず、週の中に練習日・休養日を設けることで体をリフレッシュさせましょう。練習後の十分な睡眠とバランスの良い食事も疲労回復には不可欠です。体のケアには休養だけでなく、疲労を蓄積させない工夫が必要です。
- 睡眠:成長ホルモン分泌を促し疲労回復を助けるため、毎晩7~8時間程度の睡眠を確保します。
- 栄養補給:タンパク質やビタミン、ミネラルを含む食事で筋肉の回復を促し、スポーツドリンクで練習中の水分・ミネラル補給を行います。
- アイシング・マッサージ:練習後に痛みや腫れが気になる部位はアイシングし、疲労がたまりやすい部分はセルフマッサージで緩めます。
- 体調管理:体調に合わせ練習の強度を調整し、風邪や疲労のサインが出たら無理せず休むことが重要です。
これらのケアを組み合わせて実践すれば、練習と休息のバランスが取れ、長くバドミントンを続けることができます。
まとめ

バドミントンは全身運動として健康増進に役立つスポーツであり、適切に行えば体に悪いどころかさまざまな健康効果が期待できます。とはいえ、速い動きとジャンプからくる膝や足首、肩への負担や筋肉のアンバランスといったリスクがあるのも事実です。ただし、最新のスポーツ医学研究でもバドミントンでの怪我の発生率は他のスポーツと大きく変わらないとされており、多くのケガは予防可能です。
要点をまとめると、バドミントンを安全に楽しむコツは「フォームを正しく保つ」「十分な準備運動と休養」を心がけることです。競技レベルや年齢に応じて強度を調整し、疲労サインには敏感になることで怪我予防になります。逆にこれらに注意すれば、脈拍を上げてストレスを発散できる良い運動になるでしょう。
総括すると、バドミントンは体に悪いどころか持久力や筋力の向上に役立つスポーツです。必要な予防策を講じてプレーすれば、体への負担を抑えながら長く楽しめます。ぜひ正しい情報をもとに、バドミントンを健康維持の一助として活用してください。
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