バドミントン アンダーハンドストロークは腰より下でシャトルを打つ守備的ショットで、スマッシュやネット前の低いショットへの返球に効果的です。
初心者から上級者まで身につけておきたい技術で、適切に行えば失点を防ぎ、試合を有利に進められます。
本記事では2025年最新の情報も交え、基本フォームから練習方法、上達のコツまで詳しく解説します。さらに試合での活用シーンや、よくあるミスと改善策についても紹介します。
目次
バドミントン アンダーハンドストロークとは?
アンダーハンドストロークの定義
バドミントンのアンダーハンドストロークとは、ラケットを下から振り上げて腰より低い位置のシャトルを打つショットです。
このショットはフォアハンドでもバックハンドでも技術的に行うことができ、下からシャトルをすくうように弾道を高くする特徴があります。膝を曲げて体勢を低くすることで、高い打点でシャトルを捕らえやすくなり、相手コートの奥深くに返球することができます。
アンダーハンドストロークは守備的な技術とされることが多いですが、正しく使えば攻撃につなぐことも可能です。相手のスマッシュやネット前のショットを高く持ち上げれば、相手を後方へ下げられ、次のラリーで有利になります。
使用する場面
アンダーハンドストロークは主にディフェンス時に使われます。例えば、相手のスマッシュが低い位置で来た場合や、ネット前に相手がドロップショットやカットショットを打ってきたときに有効です。スマッシュを受ける際にはラケット側の足を前に出し、低い体勢でシャトルをすくい上げることでロブ気味に返球し、相手の攻撃をかわしてラリーを継続します。
また、ネット前でシャトルが落下する場合は瞬時に落下点に入り、アンダーハンドでシャトルを高くリフトします。これにより、相手が前に詰めている間に逆に攻撃のチャンスを作ることができます。
アンダーハンドストロークの基本フォームと打ち方

足の使い方(フットワーク)
アンダーハンドストロークでは必ずラケットを持つ側の足(ラケットフット)を前に踏み込みます。右利きなら右足、左利きなら左足を前に出し、体重を前方に移動させて安定した姿勢を取ります。こうすることで打球時に重心が前にかかり、シャトルをしっかり前方に飛ばせるようになります。
ラケットフットを使わないと体が傾いて振り切れず、シャトルが遠くへ飛ばせません。また、打球後に素早くホームポジションに戻るためにも正しいフットワークは欠かせません。
シャトルへの当て方(打点とラケット面)
打点はシャトルが腰の高さより下になった瞬間を狙います。ラケットは前方に構え、手首を固く立てたまま下からシャトルをすくうように当てます。最初は無理に振り上げず、まずはラケット面でシャトルを当てる感触を覚えましょう。シャトルは当てるだけでも飛びます。
打点をしっかりつかめるようになったら、ラケットを振り切って威力を出します。ラケット面をやや上向きに保ち、当点である腰位置から下にタイミングよく力を加えて飛ばしましょう。このとき肘を前方に出し、肘から先をしっかり動かしてフェイス面を使うように意識します。
ラケットスイングと振り抜き
シャトルに当てた後は、斜め上方向にラケットをしっかり振り抜きます。インパクトではラケットを当てるだけにして、当たった瞬間からは肘を引くようにしてラケットを後ろに振り切ることでスイングスピードを高めます。
手首はインパクトまで立てたまま維持し、当てる瞬間に手首を少し返すことでシャトルに力を伝えます。振り抜くことでラケットに十分な力が伝わり、シャトルが遠くへ飛ぶようになります。
アンダーハンドストロークのコツとポイント

足の向きと体の使い方
アンダーハンドストロークで重要なのは足と体の向きです。ラケットフットのつま先はシャトルに向けて構え、体全体を使って振れる体勢を作りましょう。足は肩幅より少し広めに開いて軸を安定させ、スイング時に体重を前方にかけると力が入りやすくなります。
構えができたら、振り上げるときに肩を大きく回す意識を持ちます。ラケットを振り切るタイミングで腰を回すイメージでスイングすると、体の力を無駄なく使えます。体幹を固定して上半身がブレないようにすると、強いショットを安定して打てるようになります。
高い打点を意識する
アンダーハンドストロークではできるだけ高い打点でシャトルをとらえることがポイントです。膝を深く曲げて低い体勢を作ったら、シャトルが落ちてくる少し前の高さでラケットを合わせます。低い位置で取りすぎるとネットに引っかかりやすくなり、相手に有利な位置に返ってしまうことがあります。
練習では自分でシャトルを自ら落としてからアンダーハンドで打つ練習をしましょう。高い位置で打つ動きを繰り返すことで、自然とシャトルを高い打点で捉えられるようになります。
肘から先の小さなスイング
スイングは腕全体ではなく、肘から先をコンパクトに使うことをイメージしましょう。前腕と手首でシャトルを打つように意識し、肩や背中を大きく振りすぎないようにします。手首は当てる直前まで立てておき、インパクトでほんの少し手首を返してシャトルを押し上げます。
コンパクトに振ることでフォームが安定し、打球後にバランスを崩すことも少なくなります。上体がぶれるとラケット面が不安定になるため、体幹は固定して練習しましょう。
アンダーハンドストロークの練習方法
素振りでフォームの確認
素振りは基本フォームを身につけるための定番練習です。シャトルなしでラケットだけを持ち、アンダーハンドストロークの動作を反復します。鏡の前やスマホで自分のフォームを撮影して確認し、肘の曲げ具合や肩のひねり方、打点のタイミングをチェックしましょう。
最初はシャトルを当てずに空振りしても構いません。打点でラケットを止めるようなつもりで、下から持ち上げる動きを覚えます。慣れてきたら少しずつ振りの速度を上げ、大きく振り抜いてみて、自分の可動域やリズムを体に覚えさせてください。
1人でロブ返し練習
1人でできる練習法として、自分でシャトルを真上に投げてアンダーハンドで打ち返す方法があります。シャトルは頭上よりやや前方に落ちてくるように投げ、下がる前に下から押し上げるイメージで返球します。30球程度連続で打ち上げ、安定して高く飛ばせるように挑戦しましょう。
練習ではフォアハンドとバックハンドを交互に行い、両側面の動きを鍛えます。始めは空振りやミスがあっても問題ありません。量を重ねて感覚をつかむことで、徐々に安定したヒットを増やしていけます。
2人でのペア練習
2人での練習では、ネットを挟んでラリー形式で打ち合います。パートナーがお互いにシャトルを投げたり打ってきたものを、アンダーハンドストロークで返球します。これにより実戦に近い速度や角度で練習でき、反射的な対応力も養えます。
初めはとにかく量を意識し、たくさん打ち返すことを目指しましょう。慣れてきたら、失敗を恐れずに「思い切って大きく振る」パターンの練習も取り入れます。わざとミスをしに行くつもりで振り抜くことで、自然と振り切り動作が身に付きます。
動画でフォーム分析
自分のアンダーハンドストロークを動画に撮ってフォームを確認するのも効果的です。スマートフォンやカメラで練習の様子を撮影し、腕の振り・打点・体の傾きなどをチェックしましょう。
また、YouTubeなどの動画で専門家や上級者の解説・実演を見るのもおすすめです。腕や肩の動き方、足の踏み込み方、体重移動などを学んで、自分のフォームに取り入れると理解が深まります。
試合でのアンダーハンドストロークの活用シーン

スマッシュレシーブでの活用
試合中はアンダーハンドストロークがスマッシュレシーブ時に威力を発揮します。相手のスマッシュが低い位置に来たときは、ラケット側の足を踏み出して体を低く構えます。これにより下からシャトルを受け止め、ロブ気味に返球することができます。シャトルの勢いを弱めつつ高く上げれば、相手を後ろに下げてラリーを続けられます。正面衝突リスクが高いスマッシュほど、アンダーハンドでしのぎましょう。
ネット前のショットへの対応
相手のドロップショットやカットがネット前に落ちたときにもアンダーハンドストロークを使います。身体を素早く低くし、ギリギリの位置でシャトルにラケットを当て、高い弾道で返球しましょう。この返し方は相手が前に詰めている状態を利用するもので、相手が前に出ている間に逆サイドに大きく返せば、自陣を奪われずに攻撃のチャンスを作れます。
守備から攻撃への切り替え
アンダーハンドストロークは守りから攻撃へのつなぎショットとしても有効です。相手の攻撃をしのいだあと、ロブで高いボールを返すことで相手に時間を与え、自分が次の一手に備えられます。たとえば相手がネット前で詰めている状況では、わざと弱めにロブを返して相手を後衛に戻すことで、次の攻撃に厚みを持たせることができます。
アンダーハンドストロークとオーバーヘッドショットの違い
主な違い
アンダーハンドストロークは下方からシャトルを打ち上げる技術で、オーバーヘッドショット(クリアやスマッシュなど)は上方から打つ技術です。以下の表は両者の特徴の違いをまとめたものです。
項目 | アンダーハンドストローク | オーバーヘッドショット |
---|---|---|
打点 | 腰より下の位置で打つ | 腰の高さ以上から打つ |
主な用途 | スマッシュや皿目の返球、ネット前のロブなど低い球の処理 | クリア、ドロップ、スマッシュなど幅広い攻撃的ショット |
打ち方のイメージ | 下から上にすくい上げる動き | 上から叩きつける、または真上に打ち上げる動き |
習得難易度 | 高い打点の確保が必要でやや難しい | 比較的自然だがパワーとタイミングが重要 |
よくあるミスと改善策
振り切らないミス
アンダーハンドストロークでよくあるミスは、シャトルを当てることだけに気を取られて振り切りが甘くなる点です。シャトルを当てるだけで飛ぶと思い込むとスイングが止まり、十分な力をシャトルに伝えられません。結果としてボールが高く上がらず、浅い返球になってしまいます。
改善策としては、失敗を恐れずにラケットを最後まで振り抜く練習を重ねることです。最初は空振りしてもかまわないので、とにかく大きく振りきる動作を身に付けましょう。体が動きに慣れると自然に最後まで振れるようになります。
フットワーク不足
もう一つ多いミスは、ラケットフットを使わずに打とうとすることです。足を踏み出さず腕だけでヘッドアップするように打つと、重心が後ろに残りやすくフォームが不安定になります。その結果、打球に力が伝わらなかったり、返球後のポジショニングが遅れたりします。
改善策は、練習時に必ずラケット側の足を前に踏み出してから打つことです。正しい足さばきを体に染み込ませるために、フォームの乱れは鏡や動画で確認し、意識して反復練習しましょう。
上半身のブレ
肩や体幹を大きく振りすぎるとフォームが崩れ、上半身が左右にブレてしまいます。上半身のブレが大きいとラケット面が安定せず、思い通りのコースに返球できなくなります。
改善策としては、打つ際に体幹を固定し、上半身をなるべく動かさないようにします。ショットを肘から先でコンパクトに打ち、その動きに集中する練習を重ねることで、体幹の安定性が向上し無駄なブレを減らせます。
まとめ
アンダーハンドストロークは守備の技術と見なされがちですが、しっかり習得すれば攻守両面で強力な武器になります。低い打点から安定してシャトルを持ち上げられるようになると、相手の強打をいなしつつ次の攻撃に繋げられるようになります。どのレベルのプレイヤーにとっても有用な技術です。
本記事で解説したポイントは「ラケット側の足で踏み込み、高い打点を意識し、最後まで振り抜く」という3点です。これらを常に意識して練習することで、アンダーハンドストロークの安定性と威力が格段に上がり、試合でのミスも減らせます。紹介した練習法やコツを参考に、継続的に取り組めば確実に上達します。
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