バドミントンのシングルス試合では、審判がスコアシートに得点を正確に記入することが試合の公正さを担保します。初心者には記入方法が難しく感じられますが、コツを押さえれば安心です。本記事では2025年最新のルールを踏まえながら、シングルス用スコアシートの書き方を詳しく解説します。正しい記入手順や注意点を知って、試合運営に役立てましょう。
目次
バドミントンスコアシートの書き方【シングルス編】
バドミントンのスコアシートは、主審が試合の経過を記録するための重要な用紙です。シングルスのスコアシートは1対1の選手同士の試合に対応しており、ダブルス用と比べると記入のルールがシンプルです。試合情報や選手名、得点欄などの構成を理解しておくことで、正確に得点を記録できます。まずはスコアシートの基本的な書式と役割を確認しましょう。
スコアシートには大会名・試合番号・コート番号などの試合情報を記入する欄があります。また、赤・白など色分けされたセルにそれぞれの選手名や得点を記載します。一般的に左側がサイド1(赤側)、右側がサイド2(白側)に割り当てられ、各ゲームごとに得点を記入する枠が設けられています。シングルスの場合、各ポイントごとに1枠分のスコアを記入し、サーブ権が移ったら次の枠に移動します。
スコアシートの概要と役割
スコアシートは試合の公式記録として扱われます。各ラリーで得点が決まるたびに書き込まれ、試合終了後に主審と勝利者の署名を得て記録が確定します。正確な記録が残ることで、試合結果を後から検証したり、大会運営側で試合展開を確認したりできます。主審は試合進行とスコア記入の両方を担当するため、事前に書き方を覚えておくことが大切です。
試合情報・選手名の記入方法
スコアシートの上部には大会名や試合番号、コート番号、日付、開始時刻などを記入する欄があります。これらの情報は正確に埋める必要があります。選手名欄には試合する2人の選手を左右の位置に書き入れます。赤白の表示があれば、たとえば赤側に第1選手、白側に第2選手というように配置します。選手名は氏名や学校・クラブ名を略さず漢字やローマ字で正しく書き、ユニフォーム番号が分かる場合は併記しておきます。
サーバー(S)/レシーバー(R)の書き方
試合開始前にじゃんけん(トス)などでサーバーとレシーバーを決定し、スコアシートにS(サーバー)とR(レシーバー)を書き込みます。1ゲーム開始時はサービスを行う選手をS、相手をRとし、次のサーブの権利が決まるたびにサーバー/レシーバーを更新していきます。シングルスでは各ラリーでサーブ権の有無にかかわらず必ず1点が入るため、サーブ権が移るたびにSとRを書き換えて、常に現在のサーバーを明示しておきましょう。
得点記入のルール:21点制ラリーポイント制の場合
2025年現在、シングルスの試合は21点先取(2点差で勝利、30点制限)のラリーポイント制で行われます。スコアシートには各ラリーでの得点を1枠に1点ずつ記入します。基本的な記入の流れは次のとおりです。
- サーブ権を持つ選手がラリーに勝てば、その選手の得点欄に1点を記入し、サーブ権はそのまま維持します。
- サーブ権を持つ選手が失点(相手にポイント)した場合、相手の得点欄に1点を記入し、サーバーとレシーバーを入れ替えます。
- 得点を記入するごとに、一つのマスに1点ずつ書き込みます。サーブ権が移る(SとRが入れ替わる)タイミングで、書き込み位置を一つ次の枠へ移動させます。たとえば赤側の選手が連続して得点を取る場合は赤側の列に順番に記入し、白側の選手が得点したときに枠を1つ動かして白側の列に記入します。
- 各ゲーム終了時(21点に到達した場合)、最後のポイントまで記入し、未記入のマスを残さないように埋めます。3ゲーム制で行われる試合では、先に2ゲームを先取した時点で試合終了となります。
スコアシートの事前準備:基本項目と手順

スコアシート記入時に必要な道具を準備することで、試合中のミスやロスを防げます。主審を担当する際には、あらかじめ次の物を用意しておきましょう:
- 試合用スコアシート(紙またはPDF/Excel)
- 筆記用具(シャーペン・ボールペンなど消せないペン)
- 審判用品(ホイッスル・トス用コインなど)
- 時計(試合時間の計測用)
- 大会要項・競技規則の資料
必要な道具と入手するスコアシート
スコアシートは大会事務局から配布されることが多いですが、念のためPDFやExcelのデータ形式でもダウンロードできるよう準備しておきましょう。主審は試合中ずっと記入を行うので、書きやすい筆記用具(ボールペンや油性ペン)を複数本用意し、インク切れに備えます。審判用ホイッスルやコイン、試合時間を管理する時計なども揃え、忘れ物がないか事前にチェックしてください。
大会名・コート番号など基本情報の記入
スコアシートを受け取ったら、まず上部の記入欄に試合に関わる基本情報を埋めます。大会名、ラウンド、試合番号、コート番号、日付、開始時刻、審判の名前などは必ず正確に記入しましょう。複数コートがある大会ではコート番号を間違えないよう注意し、日付と時刻は24時間表記で統一するとミスが減ります。これらの項目は試合の共通認識になるため、記入漏れがないかしっかり確認してください。
選手名とユニフォーム確認のコツ
次に中央部分の選手名欄に、左右の対戦者名を書き込みます。赤側(サイド1)に一方の選手、白側(サイド2)にもう一方を記入します。同じ学校やチーム同士の対戦では名前が似ることがあるため、ユニフォームの色や背番号、身長・髪型などの特徴をメモしておくと識別しやすくなります。試合中に選手を見間違えないよう、枠の横に付箋で目印をつけるなど、工夫しておくと安心です。
大会規定による書式の確認
大会によってはスコアシートに記入する項目やフォーマットに細かな違いがあります。開始点数が0でなく10点オールから始まる競技規定や、延長ルールの記載方法、チーム名の記入欄など、大会要項を事前に確認しておきましょう。公式大会では提出時に指定の書式があることもあるため、配布用紙の両面や注意書きを目を通して、必要な箇所を忘れずに記入してください。
シングルス試合中のスコア記入方法

試合が始まったら、1ラリーごとにポイントを記入していきます。シングルスではどちらが勝っても必ず1点が入り、ポイントが決まるたびにスコアシートを記録します。ここでは、サーブ権やサイドチェンジが生じたときの手順や、インターバル・延長戦での記入方法を詳しく説明します。
サーブ権移行に応じた点数記入
シングルスではサーブ権がラリーの結果にかかわらず移動し、得点が常に入るラリーポイント制です。具体的には、サーブ権を持つ選手がラリーに勝利した場合はそのまま同じ列に、敗れた場合は相手側に得点を記入します。サーブ権が移るタイミングでは、記入枠を1つ次に移動させてポイントを記録します。たとえば赤側(サイド1)の選手が連続して得点すると赤側の列に書き進め、白側の選手が得点したときに枠を1つ動かして白側の列に切り替えます。
得点記入の具体的手順と枠移動
得点を記入する際は、常に1枠ごとに1点を書くようにします。ポイントごとに書き込み位置のマスが1つ進むため、サーブ権が移動したら必ず隣の枠に移るよう確認しましょう。例えば、赤側の選手が11点まで得点を入れた後に白側の選手が得点した場合、赤側の枠で11点目が完了していることを確認し、次の枠(白側の12点目列)に切り替えて記入します。インターバルやゲームチェンジの際も、最後に記入したマスを確認しておくと混乱しません。
インターバル時の記入方法
試合中のインターバル(21点ゲームの場合は20-20到達時の休憩)では、スコアシートの指定欄に中断前の時間と再開時間を記録します。インターバル前までの得点は通常通り記入し、インターバル後はすぐに次のサーブが誰になるかを確認して記入を続けます。主審は時計で休憩時間を管理し、必要に応じてスコアシートに休憩時間をメモしておくと良いでしょう。
デュース(延長戦)の得点記入ルール
20-20でデュース(延長戦)に突入した場合は、2点差がつくまでゲームが継続されます。スコアシートの記入方法自体は通常通りで、一つの枠に1点ずつ記入していきます。たとえば20-20から22-20で決着がついた場合、22点目まで全て書き込みます。デュースになっても記入が増えても上限30点までです。最終的な勝者が決まったら、次項で示す署名欄にサインをもらい、ゲーム数が揃ったことで試合終了とします。
試合終了後のスコアシートの処理と提出
試合が終了したら最終得点を記入し、大会本部に提出します。まずは得点欄が正しく埋まっているか確認し、必要に応じて最初のサーバーや試合時間を記録しておきます。全ての得点が反映されたら、次の手順に進みましょう。
最終得点と勝敗の確認方法
ゲームセット時には、最終得点欄に21点(または決着点)までのスコアを正確に記入します。両選手のポイントを再確認し、ペナルティがあれば反映済みか確認してください。先に2ゲーム(3ゲーム制の場合)を先取した選手を勝者としてスコアシートに明示します。勝敗のチェックマークや印を大会規定に従って付けておくとよいでしょう。
主審署名欄へのサインと勝者署名
全ての得点が正しければ、主審欄に自分の氏名を記入して署名し、勝者にもサインをもらいます。署名欄は必須項目なので忘れないようにしましょう。誤りがあって修正した場合は、修正箇所の近くに修正印や署名を付けておくと誰が直したか分かるようになります。勝者の署名も試合終了の証明になるため、必ず受け取っておいてください。
記入漏れや誤字脱字のチェック
提出前にはもう一度スコア欄、選手名、試合情報に記入漏れや誤字がないか確認します。特に日付・時刻欄やユニフォーム番号は見落としやすい項目なので注意してください。誤記入が見つかった場合は二重線で消して正しい内容を書き足し、そばに修正印や署名を付けます。誤記入や未記入のままだと試合結果に影響する恐れがあるため、丁寧にチェックしましょう。
本部への提出方法と注意点
すべての項目を確認したら、大会本部またはスコア係にスコアシートを提出します。提出方法(係員に手渡す、指定の場所に置くなど)は大会によって異なるので、事前に案内を確認しておきましょう。提出後は原則返却されないため、控えが必要な場合は写真を撮っておくと安心です。提出時に点数の確認を求められることもあるので、審判間で口頭報告する準備も忘れずに行ってください。
スコアシート作成時の注意点とよくあるミス

スコアシート記入の際によくあるミスには、得点欄のずれや選手名の書き間違い、サーブ権移動時の枠移動忘れなどがあります。これらを予防するには、試合の流れをイメージしながら記入することが大切です。以下では代表的なミスとその対策を紹介しますので、練習時に確認しておくと安心です。
記入のよくあるミスと対処法
得点記入では「サーブ権移動時に枠を進め忘れる」「前のゲームの得点欄が残っているのに次のゲームに移ってしまう」といった事例が多いです。これらは慌てて記入しないよう、ポイントを記入するたびに必ず枠移動を確認するクセをつければ防げます。また選手名を書き間違えた場合は、その名前だけを二重線で消して書き直し、必ず署名欄で訂正理由を明示しておきましょう。
書き換えや修正のルール
誤記入をしたときは消しゴムで消さずに二重線で取り消し、横に正しい数字や文字を記入します。修正したら、そのすぐ近くに署名もしくは印鑑を押して誰が書き換えたか明示しておきましょう。公式大会では不適切な修正が失格につながることもあるため、常に丁寧に記入することが求められます。
得点・サーブ権の誤認への対策
誤って得点を間違えたりサーブ権を逆に記入してしまうミスは、落ち着いて対応することが大切です。一人で判断しきれない場合は、状況を確認してもらいましょう。ポイントごとにコールし、選手や線審にも確認してもらうと誤認防止になります。また試合の流れを常にイメージし、得点とサーブ権が合っているか再確認する習慣を持てばミスは減ります。
初心者向けの記入チェックポイント
初心者はゴールシートの記入箇所を見失いやすいものです。対策として、得点を入れた枠に印を付ける、現在の記入枠に下敷きを当てるなど、一度に一つの枠だけに集中できる工夫をしましょう。練習試合では意図的にミスを起こして、その後どう修正するか確認してみるのも効果的です。経験を積むほどミスは減りますので、事前準備と冷静な記録を心がけてください。
まとめ
バドミントンのシングルスでは、審判がスコアシートに正確に記入することが求められます。事前の準備で必要項目を埋め、サーブ権の移動に合わせて得点を1枠ずつ記入していくことで、ミスなく試合を進行できます。記入後は誤りがないか再確認し、署名欄を忘れずにサインして提出しましょう。本文で紹介した注意点やコツを意識すれば、初めてでも安心してスコアシートを扱えます。練習と落ち着いた記録で、適切な得点管理を心がけましょう。
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