バドミントンの上達を目指すなら、トレーニングラケットの活用がおすすめです。通常のラケットよりも重い、または面が小さい設計のトレーニングラケットは、筋力・体幹強化やフォーム改善に効果があります。実際にトッププレイヤーの練習でも導入例が増えており、2025年の最新情報を踏まえてその特徴や効果、おすすめモデルを解説します。
目次
バドミントン トレーニング ラケットとは?その目的と特徴
バドミントンのトレーニングラケット(トレラケ)とは、通常の競技用ラケットとは異なる練習用のラケットです。一般に通常よりも重いタイプや、ラケット面を意図的に小さくしたタイプがあり、いずれも普段のプレーより難易度を上げることで技術向上を狙います。トレーニングラケットは公式試合では使用できませんが、体力や筋力を鍛えたり、シャトルをラケットで正確に打つ技術を磨いたりするために導入されます。最近では日本代表・桃田賢斗選手らも練習でトレーニングラケットを用いており、その効果に注目が集まっています。
重いタイプのトレーニングラケット
重いタイプは通常ラケットの約1.5~2倍の重量で設計されており、120~150g前後になることが多いです。重いラケットを使って打球練習を行うと、腕や肩だけでなく背筋や脚の筋力もより多く使うようになります。結果として筋力と持久力が効率的にアップし、少ない筋力でラケットを振るためのフォーム改良にもつながります。重いラケットは最初はスイングが遅く感じますが、慣れてくると軽いラケットを扱う感覚が飛躍的に向上します。フォームが固定されている選手は、トレーニングラケットによって余計な振りを減らし、コンパクトで効率的なスイングを身につけることができます。
面が小さいタイプのトレーニングラケット
面が小さいタイプは、ラケットの打球面積を通常より極端に小さくしたモデルです。例えばブラックナイト社の「スウィートスポットトレーナー」などが代表例で、中心のスイートスポットにしっかり当てないとシャトルが飛びません。このタイプはコントロール技術を磨く目的で用いられ、初心者でもラケットの芯に当てる意識を養う練習に向いています。スマッシュやクリアなど大きいショットでは面を外しやすいため、むしろドライブやプッシュなどラリー中の細かいショットの精度向上に活用されます。
トレーニングラケットの効果・メリット

トレーニングラケットを使うと、以下のようなメリットが得られます。
- 筋力・持久力の向上:重いラケットで練習すると腕や肩への負荷が大きくなり、持久力も同時に鍛えられます。
- 体幹が鍛えられる:重い振りに耐えるために体幹が自然に安定し、コアの筋肉が強化されます。
- 効率的なフォーム習得:余計な手首や手の動きを減らし、必要最小限の振りでシャトルを打つフォームが身につきます。
- スイングスピード向上:重いラケットで鍛えた後、通常ラケットに戻すと軽く、大きなスイングスピードが実現します。
これらの効果によって、スマッシュやレシーブなどのショットが改善され、試合での攻守の質が高まります。
トレーニングラケットの使い方・練習方法

トレーニングラケットは通常の練習メニューで使用するだけでほとんど同じ練習が可能ですが、特に効果的な使い方を紹介します。
- 基礎打ち:普段の基礎打ちをトレーニングラケットに置き換えます。全ての基本ショット(オーバーヘッド、アンダーハンド、フォア、バックなど)で正しい振り方を反復でき、フォームの効率化につながります。
- 素振り:素振り時に重いラケットを使ってフォームを確認します。シャトルがない状態で腕の使い方に集中できるうえ、筋力トレーニングにもなります。トップ選手は試合前のウォーミングアップでコート内外を動きながらトレーニングラケットで素振りし、軽快な感覚を得ています。
- 壁打ち:壁打ち練習にトレーニングラケットを利用します。反復練習が必要なレシーブ強化で有効です。重いラケットで無駄な力を入れているとすぐ疲労するため、最小限の力で効率よく打つ方法を意識できるようになります。
いずれの練習でも、普段のラケットからトレーニングラケットに持ち替えるだけで新たな負荷を得られます。最初は回数や時間を短めに設定し、慣れてきたら徐々に増やしましょう。
おすすめトレーニングラケットと選び方
2025年現在、市場で入手できるトレーニングラケットとして特に代表的なのは, ヨネックス製などのブランド品です。選び方のポイントは重量バランスと素材・形状です。初心者は比較的軽いモデルから始め、慣れてきたらさらに重いものに挑戦します。
YONEX アイソメトリックTR1
ヨネックスの「アイソメトリックTR1」は約118gと比較的軽めのトレーニングラケットです。アイソメトリック形状でスイートスポットが広く、重さが初心者向けなので初めてトレーニングラケットを使う方に適しています。
YONEX アイソメトリックTR0
同じくヨネックスの「アイソメトリックTR0」はTR1より重いモデルです。さらに高い負荷をかけたい中上級者向けで、より筋力アップやフォーム強化を目指せます。扱いに慣れてからTR1と併用すると段階的に効果が得られます。
Apacs TRA-W
Apacsの「TRA-W」はシリーズとして中級から上級者向けの超重量ラケットです。200gクラスまで幅広い重さが選べ、ガット張りも最大30ポンド対応など高仕様です。筋力トレーニング効果を徹底的に高めたい方に向いています。
素振り用トレーニングカバー
現在では「素振り用カバー」も人気があります。手持ちのラケットに装着するだけで重さを追加できる手軽なアイテムで、価格が安いため学生にもおすすめです。ただし、あまりにも高テンションやハードスウィングを繰り返すとラケットのフレームが破損する恐れがあります。
ブラックナイト スウィートスポットトレーナー
ブラックナイトのスウィートスポットトレーナーは、あえて小さな打球面に設計されたモデルです。重量は80~100g前後であまり重くありませんが、面が狭いためコントロール力を鍛えるのに役立ちます。特にショットの精度を高めたいプレーヤーにおすすめです。
モデル | 重さ | 特徴 |
---|---|---|
YONEX アイソメTR1 | 約118g | 軽めで初心者向き、広いスイートスポット |
YONEX アイソメTR0 | 約130g | TR1より重め、筋力強化や上級者向き |
Apacs TRA-W | ~200g | 超重量モデル、パワーと体幹強化に最適 |
素振り用カバー | –(既存ラケットに追加) | 安価で簡単、ラケット強度に注意 |
スウィートスポットトレーナー | 80~100g | 打球面が小さく、コントロール練習向き |
トレーニングラケット使用時の注意点

- フォームの確認:重いラケットは強い負荷がかかるため、正しいフォームで使わないと関節や筋肉に負担がかかります。使用中は鏡を見たりコーチにチェックしてもらうなど、効率の良いフォームを意識しましょう。
- ケガのリスク:慣れない重量は肩や腰を痛める原因になることがあります。無理して長時間振り続けず、体に違和感を感じたらすぐ休むことが大切です。
- ラケット破損:素振り用カバーなどを使う場合、強い振りでフレームが破損する危険があります。特に高テンションでのラケット使用中は避け、打ち込みはできるだけ抑えましょう。
以上の点に注意しながらトレーニングラケットを取り入れることで、安全に効果的なトレーニングが行えます。
まとめ
バドミントンのトレーニングラケットは、通常のラケット以上に高い負荷を与えて筋力や技術を鍛える練習器具です。上記のような効果を得るには正しい使い方が重要ですが、実際に多くのトップ選手も導入していることからもその有効性は明らかです。2025年時点ではヨネックスのTR1/TR0やApacs、ブラックナイト製品などが代表的なモデルとして挙げられます。自身のレベルや目的に合わせて選び、日々の練習に取り入れてみましょう。効果的な練習で、強くてしなやかなショットを手に入れてください。
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