バドミントンのラケットを握る際、汗や湿気で滑るのを防ぐためにタオル素材のグリップテープを使う選手が増えています。タオルグリップは高い吸汗性と手になじむ快適さが特長で、特に汗っかきの方に人気です。本記事では、タオルグリップのメリット・デメリットを整理し、基本的な巻き方とメンテナンス方法まで解説します。タオルグリップが初めての方でも分かりやすいよう、丁寧にポイントをご紹介します。
目次
バドミントン タオルグリップの巻き方ガイド
タオルグリップは通常の合成樹脂製グリップテープとは異なる、綿素材のグリップです。ラケット購入時に巻かれている黒い基本グリップ(ベースグリップ)に重ねて巻くことで、ラケットの握り心地を大きく変えることができます。タオルグリップの主な目的は汗を吸収して滑りを防ぐことですが、その毛足の具合によって握った時の感触が変化するのが特徴です。
タオルグリップにはいくつか種類がありますが、一般的には綿100%の製品が多く、色・厚さ・柔らかさなど好みに応じて選ぶことができます。アンダーラップ(グリップテープの下地)をセットで使うことで、太さを調整したり滑り止め効果を高めたりすることも可能です。次に、タオルグリップのメリットとデメリットを見ていきましょう。
タオルグリップとは
タオルグリップは名前の通りタオル生地のような厚手の素材でできたグリップテープです。通常のウエットタイプ(合成樹脂など)やドライタイプ(通気性重視)とは素材が異なり、綿の吸水性を活かしています。ラケットの基本グリップ上に巻き付けて使用し、特に汗をかきやすいプレーヤーに有効です。素材が綿なので肌触りが良く、長時間握っても手が傷つきにくい点も特長の一つです。
従来のグリップとの違い
従来の合成素材のグリップテープは、手に吸い付くような“粘着性”や“薄さ”が売りですが、タオルグリップはそれとは真逆のアプローチです。タオルグリップは厚手でクッション性があり、汗や水分をしっかり吸収しつつ、手の平に滑り止めのように“張り付き”を感じさせる点が大きな違いです。そのため、汗で濡れた手でもラケットが滑りにくくなるのが特徴です。また綿素材なので通気性も高く、寒い季節でも薄いウエットグリップより手に保温性を感じることがあります。
タオルグリップを使うシーン
タオルグリップは特に汗をかきやすい季節や、試合でしっかり汗をかく方に向いています。夏場の体育館や激しいラリー中でも、汗がグリップに染み込むため手が滑りにくくなります。一方で、通常グリップでも十分滑り止めパウダー(グリップパウダー)などを併用すれば対応できる場合もあり、汗をほとんどかかない人や、極端に手の小さい方には必ずしも必要ではない場合があります。
また、綿素材の優れた吸汗性・通気性のため、通年を通して使いやすいという利点もあります。冬場でも手に汗をかいたときにしっかり吸ってくれるため、手が冷えるのを防いでくれる効果も期待できます。反対に、汗をあまりかかないシーンではタオルグリップの厚みが目立ってしまうこともあるので、使用場面を考えて選ぶとよいでしょう。
タオルグリップ選びのポイント
タオルグリップを選ぶ際は、厚さと硬さ、長さ、色などに注目しましょう。メーカーやモデルによって毛足の長さや張り具合が異なります。長めの毛足でふわりとした感触のものは吸水性が高い反面、使用開始直後は手に絡みついて若干滑る感触があります。短めの毛足でしっかり硬めのものは耐久性に優れますが、吸水性はやや劣るかもしれません。自分の手汗の量や好みに合わせて、何種類か試すのがおすすめです。また、アンダーラップとの組み合わせやグリップを剥がす有無でも握り心地が変わるので、好みに応じて調整しましょう。
タオルグリップのメリット・特徴

タオルグリップを使う大きなメリットは、汗を吸収してグリップが滑りにくくなる点です。通常のグリップテープでは汗で滑るとコントロールを失いがちですが、タオルグリップは水分をぐんと吸い込むので、汗をかいても手からラケットが滑りにくくなります。この効果により、汗でラケットを飛ばしてしまったり、スイングが不安定になったりするリスクが減らせます。
綿素材は通気性も良いため熱がこもりにくく、握っていても手がべたつきにくいのも特徴です。夏の強い湿気下では特に効果を発揮し、冬場でも厚手のタオルが多少の保温効果を与えてくれることもあります。また綿は肌触りがソフトなので、長時間握り続けても手にマメや擦れが起こりにくいという利点があります。
- 汗を吸収して滑りにくい:高い吸水性で、夏場や汗かき時に威力を発揮します。
- 手になじむ快適な握り心地:綿の柔らかさでフィット感が増し、長時間の使用でも手への負担が少ないです。
- 季節問わず使いやすい:通気性が良いため蒸れにくく、冬でも汗冷えしにくい特徴があります。
- プロ選手も注目:桃田賢斗選手をはじめとするトップ選手もタオルグリップを使用しており、支持率が高まっています。
タオルグリップのデメリット・注意点

一方でタオルグリップにはいくつかデメリットもあります。まず、新品時は繊維に手が馴染んでおらず、滑りやすく感じることがある点です。表面がケバ立った状態のため、巻きたてでは意識的にしっかり強く握らないと滑ってしまうことがあります。使い込んで手の跡がつき、馴染んでくると滑りにくくなる特性なので、最初は慣れる時間が必要です。そのため、大事な試合直前に新品に張り替えるのは避けた方がよいでしょう。
また、タオル素材は厚みがあるため、通常のテープよりもグリップ部分が太くなりがちです。小さい手の選手や細かいタッチが重要な競技シーンでは、このグリップの太さが扱いにくさにつながる場合があります。太さが気になる場合は、アンダーラップで厚みを増しすぎないよう調整したり、元々のグリップ(黒いベースグリップ)を剥がしてから巻く方法もあります。
- 使い始めは滑りやすい:新品の状態では繊維が硬く、ケバケバ感で滑りやすい傾向があります。事前にしっかり握り込んで柔らかくすると良いです。
- グリップが太くなる:厚手の分握り径が増し、細かいテクニックや速いグリップチェンジでは違和感が出ることがあります。
- 汚れやすく、交換頻度が増える:吸水性が高い反面、汚れや汗の臭いが溜まりやすいので、状態が悪化したら早めに交換しましょう。
- 好みが分かれる:すべての選手に合うわけではなく、ドライグリップ派や手汗の少ない人には不要と感じることもあります。
タオルグリップの巻き方【ステップバイステップ】
タオルグリップを巻く前に、まず古いグリップテープやアンダーラップを取り除き、素のグリップ面を露出しておきます。準備ができたら、以下の手順で巻いていきましょう。
アンダーラップで厚さを調整
タオルグリップは一般的なグリップテープより厚手なので、太さが気になる場合はアンダーラップ(下巻き用グリップテープ)を使って調整します。アンダーラップを薄めに何重か巻いて好みの太さにセットしましょう。逆に、アンダーラップを使わずに薄いまま巻くと、よりナチュラルな細身の感触になります。元の黒グリップを剥がしてから巻くと、さらに薄くすることも可能です。
基本の巻き方ステップ
以下はタオルグリップを巻く際の基本的な手順です。ラケットを逆さに持ち、グリップエンド(ラケットの一番先端)から巻き始めます。先端に向かって斜めにカットされているテープの端を下にして貼り付けます。アンダーラップがある場合はその上に直接貼り付けます。
- グリップエンドにテープを固定する。グリップテープの斜めカットされた端を、ラケットの一番下(エンド)からぐるりと巻き始めて固定します。
- テープを斜め上に引きながら巻いていく。ラケット本体(シャフト)側に向かって、テープを斜め上に張りながら重ねて巻いていきます。このとき、テープ同士が1/2程度重なるようにすると、均等な厚みとクッション感が得られます。
- ラケット中央まで巻き上げる。グリップの太さや張り感を見ながら、手で握ったときに握体が埋まるように丁度良い重なり幅を調整します。
- 巻き終わりと仕上げ。柄(シャフト)側に到達したら巻き終わりを斜めにカットし、付属の美錠テープ(固定用シール)で留めます。
- 余った端を処理する。ラケットエンドに余ったテープは内側に折り込むか、テープを切り落とさずに下に巻き込みます(断面が取付けパーツに引っ掛からないように注意)。
生地の向きと仕上げ
タオルグリップにはタオルの「毛並み(パイル)」があります。巻く際に毛が上向きになるようにすると、テープの毛足が手に絡みついてホールド感が強くなります。逆に毛が下向きになるように巻くと感触が少し硬めに感じられます。好みに応じて、生地の向きにも注意して巻いてみてください。また、巻き終わり後はテープの端がしっかり固定されているか確認し、余分な糸くずなどがないように整えておきましょう。
利き手別の巻き方
右利きの方は時計回り(ラケットを上から見て右回り)、左利きの方は反時計回りに巻くのが一般的です。これは握ったときにテープが自然に引っ張られる方向を考慮したものです。巻き方向はどちらでも使用できますが、ラケットを握った手の方向に合わせて巻くと張り終わりの固定具が持ち手に干渉しにくくなり、使い勝手が良くなるので試してみてください。
タオルグリップの交換タイミングとメンテナンス

タオルグリップは使用しているうちに吸汗効果や触感が落ちてくるため、定期的な交換が必要です。一般的な目安としては、表面が硬くなったり毛羽立ち・毛玉が目立ってきたら交換時期といえます。また、水分や皮脂が染み込んで汚れやすいため、定期的にラケットケースから出してグリップを乾燥させる習慣をつけると長持ちします。
【POINT】 試合や練習後は、バッグに入れっぱなしにせずに室外や風通しの良い場所に置いて乾燥させましょう。湿ったまま保管するとカビや臭いの原因になります。
交換の目安
タオルグリップは使い込むほどに毛足が寝て握りやすくなる反面、汗や汚れも蓄積します。一定以上使うと吸汗力が落ち、握ったときの感触も悪くなります。ヨネックス社担当者によれば「表面が硬くなったり毛玉ができてきたら取り替えるとよい」そうです。気になる臭いが出てきた場合も、交換のサインと考えてください。選手によっては試合前に毎回新品に交換する人もいれば、毛羽立ちがあっても慣れてしまうまで使う人もいます。
保管・お手入れ方法
使用後はなるべく乾かし、衛生的に保管しましょう。汗や水分を含ませたままバッグにしまうと臭いがつきやすくなります。湿気の少ない場所で風を当ててやれば、カビ予防にも効果的です。汚れは濡れタオルで軽く拭き取る程度にとどめ、洗濯は避けるのが一般的です。グリップパウダーなどの滑り止めを併用している場合は粉分を払い落としてから乾燥させると、素材の痛みを抑えられます。
まとめ
タオルグリップはバドミントンのラケットグリップとして、汗対策と快適な握り心地を両立できるアイテムです。特に汗をかきやすい方や試合で安定した操作性が欲しい方にはおすすめできます。ただし、新品時は滑りやすい点やグリップが太くなる点には注意が必要です。巻く際はアンダーラップで厚さを調整し、生地の向きを確認しながら丁寧に巻きましょう。使用後はしっかり乾燥させ、汚れが気になったら早めに交換することが長く愛用するコツです。これらのポイントを押さえて、自分に合ったタオルグリップの巻き方をマスターしてください。
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