バドミントンのストロークとは、シャトルを打つ基本動作のことを指します。攻守一体となって展開する試合において、強力なスマッシュからフェイントショットまで多彩なプレーを可能にする技術要素です。そのため、正確なストロークには正しいフォームや基礎姿勢が欠かせません。本記事ではストロークの基本概念をわかりやすく解説し、実戦で役立つフォームや練習法まで網羅的に紹介していきます。バドミントンは展開が速い競技で、素早いストロークの切り替えが勝敗を左右しており、初心者にもわかりやすいよう基礎から解説します。
目次
バドミントンにおけるストロークとは?
バドミントンでは「ストローク」という言葉をよく耳にしますが、これはシャトルを打つためのラケットの動き全般を指します。競技規則上でも「プレーヤーがシャトルを打とうとするラケットの動き」がストロークと定義されています。言い換えると、ストロークとはシャトルを打つためのフォームや振り方など、一連の動作全体を表す用語です。ざっくり言えば、ストロークは「シャトルを打つ一連の振り」といえます。
バドミントンは展開の速いスポーツですから、良いストロークは試合を有利に進めるために欠かせません。たとえば、シャトルを力強く飛ばしたいときは力の入れ方やスイングスピードが重要であり、ネット際でつなぎたいときは細かいラケットのこすり方がポイントになります。また、ラリー中は1ショットごとに全力で打ったあとにすぐ素早く基本姿勢に戻り、次のプレーに備える必要があります。正しいストロークを身につけることで、相手コートを正確に狙い、ミスを減らし、試合を優位に運べるようになります。
ストロークの基本的な意味
ストロークは「シャトルに当たるまでの一連の振り」を意味し、バドミントン競技規則上でも「シャトルを打とうとするラケットの動き」として定義されています。つまりストロークとは、シャトルを打つためのフォームや振り方など、一連の動作全体を指す言葉です。たとえば、高い位置にある羽根を打つオーバーヘッドストロークでは、クリアやスマッシュといったショットにつながります。一方、腰の位置あたりから羽根を返すアンダーハンドストロークでは、低いプッシュやドロップといったショットを打つことができます。
まとめると、ストロークは「シャトルを打つための動作」です。クリアやスマッシュといった具体的なショット名はその結果ですが、それらを打つ「動作自体」がストロークです。言い換えれば、ストロークはフォームや準備、スイング、インパクトまで含む一連の動作を指し、ショットはシャトルの飛び方や目的に基づく打ち分けを指すと理解するとわかりやすいでしょう。
ストロークの役割と重要性
ストロークはバドミントンの基本動作であり、攻守両面で重要な役割を果たします。正しいフォームでストロークを打つと、インパクトの瞬間にしっかりと力を伝えられるため、シャトルを相手コートの有利な位置に運びやすくなります。また、インパクト位置やラケット面の向きを微調整することで、クリアやスマッシュ、ドロップ、カットなど多様なショットを思い通りに打ち分けられます。
さらに、ラリー中は1ショットごとに全力で打ったあとに素早く基本構えに戻る動きもストロークに含まれます。打ったあとは必ずセンターに戻る習慣をつけ、常に足が止まらないようにフットワークも意識しましょう。正確なストロークを身につけることで、相手のミスを誘ったり、連続して得点を奪ったりする展開が作れるようになり、試合での主導権を握ることにつながります。
ストロークとショットの違い
バドミントンでは「ショット」という言葉でクリアやドロップ、スマッシュなどシャトルの飛び方や打ち分けを表現することが多いです。一方、ストロークはそれらショットを打つためのラケットの動作全体を指します。言い換えると、ショットが「シャトルの飛行方法の種類」を表すのに対し、ストロークは「その打ち方・フォーム」を示します。
たとえば、頭上から長く飛ばすクリアはオーバーヘッドストロークで打ちますし、ネットからすぐ落とすドロップもオーバーヘッドストロークの一種です。また、腰の高さから速いドライブを打つのはサイドアームストロークによります。同じストロークでも、角度や力加減を変えることで「クリア」「スマッシュ」「ドロップ」「ドライブ」など異なるショットになるわけです。このように、ストロークはショットの基盤となる打ち方であり、両者は使う場面や意味合いが異なることを理解しましょう。
バドミントン ストロークの基本姿勢

効果的なストロークを打つためには、正しい基本姿勢が不可欠です。バドミントンでは動き回るために体勢を低く保ち、足幅を肩幅程度に開いて重心を安定させます。膝は軽く曲げ、前傾姿勢になるよう意識しましょう。重心は常に前足方向にかけ、次のプレーへすばやく踏み出せるようにしておくことが基本です。また、ラケットは胸の前で構えておき、相手のシャトルにすぐ対応できるように準備しておきましょう。
バドミントンではプレー中、シャトルを打ったあとは常にセンター(コート中央)に一歩ずつ戻る習慣を持つことも大切です。打った後に正しい基本姿勢に戻ることで、相手の返球に対して素早く体勢を整えられます。特にシングルスではこの基本姿勢への回帰が重要であり、ダブルスでも前衛・後衛の位置取りに合わせて柔軟に姿勢を変えていきましょう。
身体の構え方
まず足を肩幅程度に開いて、体の向きをシャトルに向けてかまえます。ウエイトはつま先側に乗せ、前傾姿勢を取ることで次の動き出しが速くなります。膝は軽く曲げておくとクッション性が生まれ、上下左右の素早い移動がしやすくなります。ラケットは腰~胸の高さに構え、フェイス(ラケット面)は垂直またはややネット方向に向けておきます。
また、目線は常にシャトルを予測しながら肩越しに遠くを見るようにします。これにより、羽が飛んでくる位置を早く判断できるようになります。身体全体をリラックスさせ、次の動作への切り替えの準備をしておくこともポイントです。
ラケットの持ち方ポイント
ラケットのグリップ(握り方)もストロークの良し悪しに影響します。フォアハンドショットを打つときはイースタングリップ(ラケットと握手をするような握り方)が基本です。面が地面と垂直になるように握り、必要に応じてスムーズに力を加えられるようにします。一方、バックハンドショットではサムアップ(親指を立てる)で握り替えることで、面に力を伝えやすくなります。このように、状況に応じてグリップを切り替えられる柔軟性が大切です。
グリップは強く握りすぎないように注意しましょう。あくまで軽くふわっと握ることで手首を柔軟に使え、細かいコントロールが可能になります。練習の際にはグリップチェンジの動作も意識して、素早く握り替えられるようにしておくと実戦で役立ちます。
足の使い方とフットワーク
ストロークの際には打つ方向に適切に足を運ぶフットワークが重要です。たとえば、フォアサイドのプッシュやスマッシュを打つ場合、利き足である右足(右利きの場合)を一歩前に踏み出す動作を入れることで強力に打てます。逆にバックサイドの打球では反対の足を前に出し、体全体を使って振り抜きます。
ストロークを打ったあとには必ず元の構えに戻ることを意識します。ラケットを振り切ったら体重移動しながら安全なポジション(プレーイングセンター)に戻り、相手の返球に備えましょう。この戻り動作が速いほど、次のストロークにつなげる準備が整います。足さばきでは、常につま先から体重をかけ、必要に応じて一歩を踏み込むようにして素早くネット前やコート奥へ移動します。
バドミントン ストロークの種類と特徴

バドミントンで使われるストロークはおもに「オーバーヘッドストローク」「アンダーハンドストローク」「サイドアームストローク」の3種類に大別できます。シャトルの位置や高さによって使い分けられ、それぞれ得意とするショットがあります。以下の表に主要なストロークの概要と使用場面をまとめました。
ストロークの種類 | 概要と使用場面 |
---|---|
オーバーヘッドストローク | 頭上より高い位置から打つ動作。クリアやドロップ、スマッシュなどバックコートから前衛まで幅広く使う。力強い攻撃ショットに適しており、速い打点でも打ち負けないパワーが求められる。 |
アンダーハンドストローク | 腰から膝付近の低い位置で打つ動作。ネット前でのプッシュやロビング、ヘアピンなどが主なショットとなる。主に守備的な場面で使い、浅いドロップや低い返球で相手の攻勢を抑える役割がある。 |
サイドアームストローク | 肩から腰の高さで横方向に打つ動作。ドライブやカット、クロスネットなど体の横から強く打つショットに使われる。ダブルスで速いラリー展開に有効で、鋭い飛びのショットが打てるがコントロールは難しい。 |
オーバーヘッドストロークとは
オーバーヘッドストロークは、頭上より高い位置に来たシャトルを打つためのストロークです。クリアやドロップ、スマッシュなどの攻撃的なショットはすべてオーバーヘッドストロークを基本にしています。たとえば高いクリアでは、シャトルをバックライン付近まで高く打ち返せるように、腕を大きく振りかぶります。スマッシュではさらに上から打ち込むため、体全体の力を使って強烈な振り下ろしを行います。
オーバーヘッドストロークは力強いため攻撃的なプレーで特に重要です。ただし高い打点を取るには、ジャンプや大きなテイクバックが必要になる場合もあります。また、オーバーヘッドで身体が伸びた後は重心が後ろに残りやすいので、インパクト後はすばやくステップを踏みなおして基本姿勢に戻るようにしましょう。
アンダーハンドストロークとは
アンダーハンドストロークは、床に近い低い位置にあるシャトルを打つストロークです。主にネット前のプレーで用いられ、相手のプッシュやカットに対して低い姿勢で返球します。具体的には前に押し出す「プッシュ」や、ラケットを通り越してネット方向にふわっと落とす「ロビング」、ネット際からほんのわずかに浮かして落とす「ヘアピンショット」などがこのストロークになります。
アンダーハンドストロークは準備のために大きなテイクバックを必要とせず、シャトルが低い位置でもラケットを持ち上げやすいのが特徴です。ネット周りでは足を十分に下げ、膝を深く曲げて低い姿勢を取ることが大切です。相手が攻撃的に来たときにしっかり低い点でインパクトできれば、相手の速いショットを有利な位置で返すことができます。
サイドアームストロークとは
サイドアームストロークは、体の横方向、肩から腰あたりの高さに来たシャトルを打つストロークです。ドライブ系のショット(推し出すように早い速度で平行に飛ばすショット)やカット系のショット(一度スマッシュのように見せかけて切り落とすショット)で使われます。ダブルスで速球を打ち合う場面や、相手のクリアやスマッシュをドライブで返すときに多用されます。
サイドアームストロークはオーバーヘッドほど大きく振りかぶらずに、肘と手首の使い方でシャトルにスピードを与えます。体の横から水平に振るためスイングが速く、展開を加速できる反面、コントロールは難しくなります。安定させるには、肘を引きつけてスイングし、インパクト後はラケットを前に伸ばすように意識すると良いでしょう。
ストロークを上達させる練習とコツ
ストロークを上達させるには、基本練習の積み重ねが欠かせません。まずは基礎打ちでコントロールを磨きましょう。コートで短い距離のラリーを続け、力任せではなく一定のテンポでシャトルを連続して打ち合う練習がおすすめです。このとき狙いを定めてコース打ちしたり、対面にネットを挟んでドライブラリーをするなど、目的を決めて取り組むと効果的です。
また、素振り(スイング練習)も有効です。ラケットのみでフォームを確認しながら正しい振りを身体に覚えさせます。鏡やスマートフォンで自分のフォームをチェックし、肩や腰のひねり、腕の振り方を確認すると上達が早くなります。練習相手がいる場合は、連続でストロークだけを繰り返すドリルを組み合わせましょう。一定数ストロークするごとに変化を加えていくことで、様々な状況に対応できるようになります。
練習時のポイントとしては、打点と追い足を意識することです。例えばオーバーヘッドストロークではできるだけ高い位置(頭の前あたり)でインパクトし、打った後は追い足で必ず前方に一歩踏み出して体勢を保ちます。アンダーハンドでは、ネットに近づきすぎないよう注意し、膝を曲げた低い構えから打ち返しましょう。毎回打った後は基本の構えに戻るリズムをつけることも、上達のカギです。
基本練習メニュー
基本的な練習メニューには、以下のような方法があります。
– 連続基礎打ち:相手と対面し、クリアからプッシュ、スマッシュまで決まった種類のショットを続けて打ち合う。フォームとコントロールを重視して行う。
– シャトル打ち分け練習:同じストロークから複数のショットに分岐させる。たとえば、オーバーヘッドストロークでクリアとドロップの両方を練習し、高さや力加減の調節を学ぶ。
– フットワークドリル:シャトルを複数用意し、前後左右に飛んでくる羽根に対して素早くステップして打つ練習。ラケットワークと組み合わせて、実戦に近い動きを身につける。
これらの練習を定期的に続けることで、フォームの安定性が増し、レスポンスの速いショットが身につきます。同じ練習に飽きないよう、コントロール重視、スピード重視、連続ラリーなど変化をつけて行うと効果的です。
フォームの習得と改善
ストロークのフォームを習得するには、正しい動作のポイントを押さえることが大切です。打点に入る前は、腰から肩をひねってラケットを大きく引くテイクバックを意識しましょう。インパクトの瞬間にラケット面を適切な角度に合わせ、打った後はフォロースルー(振り切り)までしっかりと振り切ります。フォームを確認する際は、自分のスイングを動画撮影してチェックするのも効果的です。
練習で注意すべき点は、肩が開きすぎないことと体重移動のタイミングです。肩が開くと力が分散してミスショットの原因になりますので、ショットに合わせて腰や肩を正しく回転させることを意識します。また、打つ瞬間は打ちたい方向にしっかり体重を乗せることで、威力のあるショットが打てるようになります。繰り返し練習して最適なフォームを身につけましょう。
練習中のポイント
練習する際は、狙いを持って行うことが上達のポイントです。例えば、練習相手のコートの特定の場所を狙ったり、1回の練習で決めるショットとつなぐショットの割合を決めたりします。ラリーでは「飛距離だけでなく正確さ」を重視し、意図的にコントロールする練習も重要です。
また、反復練習ではフォームの反復だけでなく、コンディションも管理しましょう。疲れてフォームが崩れないように、余裕があるときにフォーム確認、疲れてきたら軽めに打つなど強度の調整をおすすめします。練習後や合間にストレッチや筋トレで体幹を鍛えると、安定したフォーム維持に役立ちます。
まとめ

バドミントンのストロークとは、シャトルを打つための一連の動作全般を指します。競技規則上でも定義されるように、正しいフォームとタイミングを持つストロークは試合において非常に重要です。本記事では、ストロークの基本的な意味と役割、ショットとの違いを解説し、ストロークを行う際の基本姿勢やグリップ、フットワークについて説明しました。また、オーバーヘッド、アンダーハンド、サイドアームという3種類のストロークの特徴と使用場面をまとめました。
さらに、ストローク上達のための練習メニューやフォーム習得のコツも紹介しました。基礎打ちやフットワーク練習を継続し、ショットごとに正しい打ち方を意識して繰り返せば、自然と正確なストロークが身についてきます。初心者の方でも、今回解説したポイントを参考に練習を重ねれば、バドミントンのストローク技術を着実に向上させることができるでしょう。
コメント