バドミントンは俊敏なフットワークとパワフルなスマッシュを支える全身運動です。腕や肩の筋力がシャトルを遠くに飛ばし、体幹の筋力が姿勢を安定させて力を伝えます。さらに、下半身の筋力は動きの素早さとジャンプの高さに直結します。こうした筋トレはコート上でも効果を発揮し、試合でのパフォーマンス向上につながります。初心者でもトライできる筋トレメニューも紹介します。
本記事では、バドミントンで鍛えられる主要な筋肉群と、2025年最新の効率的なトレーニング方法を解説します。適度な負荷と休息も忘れずに、自分のペースで取り組みましょう。
目次
バドミントンで鍛える筋肉とは?
バドミントンでは身体のほぼ全ての筋肉が使われますが、特に重要な部位があります。これらを意識して鍛えることで、技術だけでなく身体能力も向上します。
体幹の筋肉
体幹(腹筋や背筋など)の筋肉は、動作全体の土台となる筋群です。強い体幹があれば姿勢を安定させられ、腕や脚に伝わる力の効率が上がります。例えば、スマッシュ時に身体がぶれなければパワーをロスなく伝えられますし、ラリー中に倒れたりフォームが崩れにくくなります。体幹を鍛えるにはプランクやツイスト系のトレーニングが効果的です。
上半身の筋肉
腕や肩の筋肉は、ショットの威力や精度を左右します。三角筋や広背筋、上腕三頭筋などは、強いクリアやスマッシュ、ドライブを打つために活躍する筋力です。例えば、上腕三頭筋を鍛えればラケットを振り切る力が増し、クリアの飛距離が伸びますし、肩周りの筋力が安定すれば連続プレーで疲れにくくなります。また前腕の筋力も、ラケットの握りを強化してシャトルコントロールを向上させます。腕立て伏せや懸垂、ダンベルを使ったトレーニングがおすすめです。
下半身の筋肉
太ももの大腿四頭筋やハムストリングス、ふくらはぎの筋肉は、素早いフットワークとジャンプに直結します。脚力が増すとコート内で鋭く踏み出せるようになり、ネットプレーでは高い打点からスマッシュが可能になります。また、着地の衝撃に耐えたり連続したステップにも強くなります。たとえばスクワットやランジで徒歩時の安定性を高め、カーフレイズでジャンプ力をアップさせるトレーニングは、バドミントンにも役立ちます。
バドミントン選手が筋トレをするメリットとデメリット

筋トレのメリット
適切に筋力をつけることで、バドミントンのプレーにさまざまな利点が生まれます。
- ショットのパワーアップ:強いスマッシュやクリアが打てるようになり、有利に立ち回れます。
- 持久力・スタミナの向上:全身の筋力が増すと、長時間のラリーでも疲れにくくなります。
- 体の安定性改善:特に体幹を鍛えると姿勢が安定し、切り返しやケンケン返しなどの瞬間的な動きも安定します。
- 怪我の予防:筋肉が関節や骨をサポートし、衝撃を和らげることで怪我のリスクが下がります。
- ジャンプ力の増加:下半身を強化すると、スマッシュ時の跳躍や素早い移動に有利です。
筋トレのデメリット
一方で、筋トレには注意点もあります。過度なトレーニングはかえって逆効果になることもあります。
- 柔軟性の低下:筋肉が硬くなると関節の可動域が狭くなり、素早いスイングやステップ動作に支障をきたす可能性があります。
- 機動力の低下:筋肉量が増えすぎると体重が重くなり、敏捷なフットワークが損なわれる恐れがあります。
- 疲労の増加:大きな筋肉を動かすにはエネルギーが必要なため、無理なトレーニングはかえって疲れやすくなります。
- 怪我のリスク増加:筋肉が硬直すると筋や腱を痛めやすくなることがあります。
筋トレのメリットとデメリットを比較すると、次のようになります。
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
打球力 (パワー) | スマッシュやクリアの威力が増す | 腕周りの筋肉増加で素早いスイングが難しくなる可能性 |
安定性・バランス | 体幹や下半身強化で姿勢が安定し、持久力が向上 | 筋肉が硬くなると可動域が狭まり、柔軟性が低下 |
怪我予防 | 筋肉が関節を保護し、負荷が分散される | 過剰な負荷で筋・腱を痛めるリスクがある |
筋トレで意識すべきポイント

適度な負荷で行う
バドミントンは素早い動きが求められる競技なので、筋トレは必要以上に重い負荷をかけないことが大切です。特定の部位だけを鍛えすぎると体重が増加し、フットワークが鈍くなる恐れがあります。目安としては、自分の適性体重を意識しながら、軽いダンベルや自重トレーニングを基本にして、無理のない範囲で回数を重ねる程度に留めましょう。
全身をバランスよく鍛える
バドミントンは全身運動なので、特定の筋肉だけを鍛えても思うように上達しません。例えば腕を鍛えただけでスマッシュ力が上がっても、足腰が弱いとシャトルに追いつけず意味がありません。足腰をスクワットやランジで鍛えたら、上半身もプッシュアップや懸垂で補い、体幹もプランクで強化するといったように、全身の筋肉をバランスよく鍛えることが上達の近道です。
柔軟性も重視する
筋トレだけに偏ると筋肉が硬くなり、動きの幅が狭まってしまいます。バドミントンでは瞬時に体勢を変えたり、深いステップを踏んだりする動作が多いため、股関節や肩周りの柔軟性も非常に重要です。筋トレと併せてストレッチを取り入れ、筋肉が硬直しないよう管理しましょう。例えば、スクワット後に前ももや股関節のストレッチを行うと、安全に筋力アップが図れます。
おすすめの筋トレメニュー
プランク
体幹を総合的に鍛えられる自重トレーニングです。うつ伏せ姿勢で両肘とつま先を床につけ、背筋を一直線に保ちながら耐えます。正しいフォームで行えば体幹だけでなく肩周りの筋力も刺激するので、安定したフットワークとショット精度の向上が期待できます。まずは30秒から始め、慣れてきたら1分程度を目標にチャレンジしてみましょう。
腕立て伏せ(プッシュアップ)
腕や胸、肩の筋力強化に効果的です。ラケットの振り速度にもつながる上半身の筋力アップが目的で、正しいフォームで行うことが重要です。背筋を真っ直ぐに保ち、お尻が上がりすぎないように注意しましょう。回数よりもフォーム優先で、徐々に負荷を増やしていくと効率よく鍛えられます。
懸垂(チンニング)
広背筋や上腕二頭筋、腕全体の筋力を鍛えるのに最適です。スマッシュの引きつけ動作に必要な背中の筋力が強化されるため、シャトルにスイングを加える力が向上します。自宅に鉄棒があれば、まずは握り幅を太めにしてゆっくり体を持ち上げるところから始めましょう。できる回数をコツコツ増やしていくことで、飛距離のあるクリアが打ちやすくなります。
スクワット
下半身全体の基礎筋力を高めるトレーニングです。足は肩幅に開き、お尻を後ろに引くように腰を落とします。腰が丸まらないように注意しつつ膝がつま先より前に出ないよう意識してください。1日10~20回を目安に始め、慣れてきたら重りを持って回数を増やすとさらなる強化が可能です。強い太ももはフットワークのスピードアップやスマッシュ時の踏み込みに直結します。
カーフレイズ
ふくらはぎ(下腿三頭筋)の筋力を鍛える種目です。両肩幅程度に足を開いて立ち、つま先立ちになってかかとを上下に動かします。バドミントンでは踏み出しやジャンプ時、着地時にふくらはぎを使うため、疲れにくさやジャンプ力アップに効果的です。バランスを保つため片手は壁に軽く添えるか、段差を利用して負荷を調整しながら行いましょう。
まとめ

バドミントンは全身運動であり、体幹・上半身・下半身の筋力バランスが重要です。体幹を鍛えると姿勢が安定し、肩・腕を鍛えるとショットの威力が増し、下半身を鍛えるとフットワークが速くなります。筋トレを行う際は、必要以上に重量を増やさず、全身をまんべんなく鍛えることがポイントです。また柔軟性を維持するストレッチも忘れずに取り入れましょう。今回紹介したメニューを参考に、効率的な筋力トレーニングを続ければ、コート上でのパフォーマンス向上が期待できます。
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