バドミントンを始めたばかりの方は、コート上に引かれたたくさんのラインの名前に戸惑うことが多いでしょう。
各ラインには名称と役割が決まっており、これらを知ることでイン/アウトの判定やポジショニングがスムーズになります。
バドミントンコートの基本を理解することは、ルールを覚える第一歩にもなります。本記事では主要なラインやゾーンの名称、シングルスとダブルスの違いなどを初心者向けにわかりやすく解説します。
この記事を読めばコートの見方がぐっと深まり、上達への第一歩になるはずです。
目次
バドミントンコートの各部名称と役割
バドミントンコートは長方形のフィールドであり、ネットで中央が区切られています。
コート上には複数のラインやエリアが存在し、それぞれに名前と用途があります。
各部名称を覚えることで、ゲーム中のイン/アウト判定や適切なポジショニングにつながります。
ここではコート全体の構造と基本的な役割について概観します。
コートの基本構造
バドミントンコートは縦長の長方形で、ネットを中心に両サイドが対称に配置されています。
コートの長さは13.40m、幅はダブルスで6.10m、シングルスで5.18mです(詳細は後述)。
左右に長く伸びる縦のラインが「サイドライン」、両端に引かれている横のラインが「バックバウンダリーライン(エンドライン)」です。
さらにネットから約1.98mの位置には「ショートサービスライン」、ダブルスではエンドラインから約0.76m手前にも「ロングサービスライン」が引かれています。
これらのラインとネットがコートの範囲を決め、ゲームの基本的なルールを支えています。
前衛と後衛の役割
ダブルスにおいてネット近くでプレーする選手を「前衛(フロントプレーヤー)」、後方でプレーする選手を「後衛(バックプレーヤー)」と呼びます。
前衛は速い反射神経を活かしてネット際でのボレーやプッシュ、ドロップを担当し、後衛はクリアやスマッシュなどコート後方からの攻撃を担当します。
シングルスでは一人でコート全体をカバーするため明確な前衛・後衛の区分はありませんが、ポジションを意識することでプレーの幅が広がります。
主なラインの名称と意味

バドミントンコートには、イン/アウト判定やサービス範囲を示す複数のラインが引かれています。
ここではコート上で最も重要となる各ラインの名称と役割を解説します。
サイドライン
サイドラインはコートの左右両端に引かれている縦のラインです。
シングルスでは内側のラインがコートの有効範囲の端となり、これを超えるシャトルはアウトになります。
一方、ダブルスでは外側のラインまでが有効範囲です。
つまりシングルスではサイドラインから内側が有効、ダブルスでは外側までが有効範囲となります。
サイドラインはコートの幅を決める重要な境界線です。
バックバウンダリーライン(エンドライン)
バックバウンダリーライン(エンドライン)はコートの一番奥に引かれている横のラインで、アウト側の境界線となります。
シングルス・ダブルス双方で共通のラインで、ショットがこのラインの先に落ちるとアウトとなります。
シングルスではこのラインまでがサービス時の範囲になりうるため、バックバウンダリーラインを超えてサーブすることができます。
ダブルスでは別にロングサービスラインが設けられているため、通常のプレーではエンドラインを越えるショットはアウトになります。
ショートサービスライン
ショートサービスラインはネットから約1.98m離れた位置に引かれている横のラインです。
サービス時にシャトルがこのラインより手前に落ちるとフォルト(反則)になります。
つまり、サーブは必ずショートサービスラインより奥(ネットから遠い側)に落とさなければいけません。
ラリー中は通常意識する機会はありませんが、サービスエリアの境界として非常に重要なラインです。
センターライン
センターラインはコート中央を縦に分けるラインで、ショートサービスラインからロングサービスライン(またはエンドライン)まで引かれています。
サービスコートの左右(右サービスコート・左サービスコート)を区切る基準線であり、サーバーとレシーバーの位置を決める役割があります。
通常のラリーでは目印になりますが、サービス時にはこのラインを基準にどちらのコートにサーブを打つかが決められます。
ロングサービスライン
ロングサービスラインはダブルスのサービス時にのみ使用される横のラインで、エンドラインから約0.76mコート中央方向に引かれています。
ダブルスではサーブがこのラインよりも遠くに落ちるとアウトとなりますが、シングルスではエンドラインがそのままサービスの奥端になるためロングサービスラインを使用しません。
したがって、ロングサービスラインはダブルスのサービスエリアを定める境界線です。
シングルスコートとダブルスコートの違い

同じバドミントンコートでも、シングルスとダブルスで使用する有効範囲が異なります。
シングルス用コートはダブルス用よりも幅が狭く設定されており、サービス範囲やアウト判定のラインも違ってきます。
以下ではコートの幅や有効エリアなど、シングルスとダブルスの違いを詳しく説明します。
コート幅の違い
ダブルス用コートの幅は6.10m、シングルス用コートの幅は5.18mです。コートの長さはどちらも13.40mで共通です。
シングルスでは横幅が狭いためプレーエリアが縦長になり、ダブルスでは幅広くなる分だけ奥行きは短くなります。
幅の違いは次の表のようにまとめられます。
項目 | シングルス | ダブルス |
---|---|---|
コート幅 | 5.18m | 6.10m |
コート長 | 13.40m | 13.40m |
サービス有効範囲の奥行き | バックバウンダリーラインまで (13.40m) |
ロングサービスラインまで (13.40m − 0.76m) |
このように、シングルスでは外側のサイドラインがアウトラインとなり、サービス時はバックバウンダリーラインまで奥にサーブできます。
ダブルスでは外側のサイドラインがインプレーとなり、サービス範囲はロングサービスラインまでとなります。
結果的にシングルスは幅が狭く奥行きが深いコートとなり、ダブルスは幅が広く奥行きが浅いコートになります。
サービスコートとレシーブコートの呼び方
バドミントンではサービスを打つ側のコートを「サービスコート」、受ける側のコートを「レシーブコート」と呼びます。
サーブを行う際、サーバーは左右どちらかのサービスコートからシャトルを打ち、相手の対角線上に位置するレシーブコートに入れなければなりません。
ここではサービスコートとレシーブコートの名称とサーブ時のルールを解説します。
サービスコートとは
サービスコートは、サーブを打つ選手側のエリアです。
サーバーは試合のポイントに応じて右サービスコートまたは左サービスコートからサーブを行います。
右サービスコートから打つ場合はコートの中央寄り、左サービスコートから打つ場合はコートの外寄りからサーブします。
サービスコートは相手のレシーブコートにシャトルを入れるためのエリアを示す名称です。
レシーブコートとは
レシーブコートは、サーブを受ける選手側のエリアで、サーバーと対角線上の位置にあるサービスコートが対応します。
たとえば、サーバーが右サービスコートからサーブする場合、相手の右側(向かって左側)のレシーブコートにシャトルを入れる必要があります。
サーバーが左サービスコートからサーブする場合は、相手の左側のレシーブコートが対象です。
このようにサービスコートとレシーブコートは対角になっている点に注意しましょう。
バドミントンコートの寸法と規格

バドミントンコートの寸法や規格は競技規則で定められています。
コートの長さや幅、ネットの高さ、ラインの太さなどを理解しておくと、各部分の名称や役割がより明確になります。
コートの基本寸法
バドミントンコート全体の長さは13.40m、幅はシングルスで5.18m、ダブルスで6.10mです。以下の表はこれらの寸法をまとめたものです。
項目 | 数値 |
---|---|
コート長 | 13.40m |
コート幅(シングルス) | 5.18m |
コート幅(ダブルス) | 6.10m |
ネット高さ(中央) | 1.524m |
ライン幅 | 40mm |
これらの数値は世界バドミントン連盟(BWF)の公式規則に基づくものです。
シングルス用コートは幅が狭いためプレーエリアが縦長になり、ダブルス用コートは幅広く奥行きが短めになる理由が分かります。
ネットの高さと幅
ネットの幅はダブルスコートの横幅いっぱい(6.10m)必要です。
ネットの高さは端(ネットポスト)で1.55m、中央では1.524mに設定されています。
ルールでは中央高さを正確に1.524mに保つよう定められており、公式戦ではこの高さが厳密にチェックされます。
ラインの幅と色
コートに引かれるラインの幅は40mm(約4cm)で、色は白または黄色など視認性の高い色が推奨されています。
体育館ではビニールテープを用いてラインを引くことが一般的で、太さと色が守られていれば判定がしやすくなります。
ラインが太く、照明の光で反射しにくい色になっているかもポイントです。
まとめ
バドミントンコートにはサイドラインやサービスライン、センターラインなど複数のラインがあり、それぞれ名称と重要な役割があります。
これらのライン名称を覚えると、ゲーム中のイン/アウト判定や役割分担がわかりやすくなります。
また、シングルスとダブルスで有効範囲が異なる点やコートの寸法規格を知っておくと、コート全体の理解が深まります。
初心者の方はぜひ本記事を参考に各部名称を学び、実際のプレーに活用してみてください。
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