バドミントンには、スマッシュやドロップといった代表的な技名のほかにも、細かなニュアンスを表す多くのショット名称があります。
しかし、技名の意味や違いが分からないまま練習していると、コーチの指示を正しく理解できなかったり、自分で戦術を組み立てることが難しくなります。
この記事では、初心者から経験者までが押さえておきたいショットの技名を体系的に整理し、それぞれの特徴と使いどころを分かりやすく解説します。
名称を正しく理解すると、プロの試合観戦も何倍も楽しめるようになります。
目次
バドミントン 技名の基礎知識と覚え方
まずは、バドミントンに登場する代表的な技名の全体像を整理していきます。
バドミントンのショット名は、大きく分けると「球種」「打つ場所」「打ち方」の三つの観点から構成されています。たとえば「フォアハンドハイクリア」の場合、「フォアハンド」は打ち方、「ハイクリア」は球種を表しています。
構造を理解しておくと、新しい技名を聞いたときでも、意味を推測しやすくなり、効率的に覚えられます。
また、技名は英語由来のものが多く、そのままカタカナで使われています。スマッシュ、ドライブ、クリア、ドロップ、ネットショット、ヘアピンなどが代表的です。
さらに「ヘアピンショット」「バックハンドプッシュ」のように複合して使う場合もあります。
この章では、バドミントンの技名がどのように分類されるのかを整理し、後の詳細解説をスムーズに理解できるように土台を作っていきます。
技名の大まかな分類と体系
バドミントンの技名は、主に次の三つの観点で分類できます。
一つ目は「ショットの軌道や目的」による分類です。攻撃的に打ち込むスマッシュ、相手を後方に下げるクリア、前に落とすドロップ、ネット前で細かく扱うネットショット、まっすぐ速い球のドライブなどがここに含まれます。
二つ目は「打つ場所」です。ベースライン付近から打つショット、ミドルエリアからのドライブやプッシュ、ネット前でのヘアピンやネット前ロブなど、コートのどこから打つかで名称や使われ方が変わります。
三つ目は「打ち方」です。フォアハンドとバックハンド、オーバーヘッドやアンダーハンドなどのスイング方向、さらにはリストを効かせるかどうかなどによっても表現されます。
たとえば「バックハンドネットショット」と言えば、バック側でネット前から行うショットだとすぐに分かるようになっています。
このような分類を意識しながら技名を見ると、単なる暗記ではなく意味を理解して覚えられるため、実戦での応用につながりやすくなります。
初心者が最初に覚えるべき代表的な技名
これからバドミントンを本格的に始める方が、まず覚えておきたい技名はそれほど多くありません。
基礎として押さえたいのは、クリア、ドロップ、スマッシュ、ネットショット、ドライブ、プッシュ、ロブの七つです。これらが分かっていれば、コーチの指導内容や練習メニューの意図をほぼ理解できます。
クリアは相手の後方へ高く遠く飛ばすショット、ドロップは後方から打ってネット付近に落とすショット、スマッシュは鋭く下向きに打ち込む攻撃ショットです。
ネットショットはネット際にそっと落とすショット、ドライブはネットと平行に近い速い打ち合い、プッシュは高い位置の球を前へ押し込むショット、ロブはネット前から相手コート奥へ高く上げるショットです。
これらを把握しておくことで、ラリーの中で自分が今どの種類のショットを打ちたいのかイメージしやすくなり、上達スピードも大きく変わります。
技名を効率よく覚えるコツ
技名を効率的に覚えるには、単に言葉だけを暗記するのではなく、「実際の軌道」とセットで理解することが大切です。
たとえば、スマッシュなら「高い打点から下向きに速い球を打つ映像」、ドロップなら「同じフォームからそっと前に落とす映像」を頭の中で鮮明にイメージします。練習中もショットを打つたびに、心の中で技名を唱えるようにすると記憶に定着しやすくなります。
さらに、メモ帳やノートに技名と簡単な説明を書き出し、自分なりの日本語訳や似たスポーツのショットと関連づけるのも有効です。
サークルや部活で仲間と一緒に用語テストをしたり、プロの試合を見ながら「今のはスマッシュ」「今のはヘアピン」と声に出して確認するのもおすすめです。
実際のプレー、視覚的なイメージ、言葉を連動させて覚えることが、技名を使いこなす近道になります。
基本ショットの技名と特徴を理解しよう

ここからは、最も使用頻度が高く、基礎として必ず理解しておきたいショットの技名と特徴を詳しく解説します。
バドミントンでは、単に強く打てるだけでは試合に勝てません。クリアで相手を下げ、ドロップで前に動かし、スマッシュで決めるといったように、複数のショットを組み合わせてラリーを組み立てる必要があります。
それぞれのショットが持つ役割を理解すると、戦術的な発想が広がります。
同じ技名でも、シングルスとダブルスでは使われ方が少し異なり、またレベルによっても求められる精度が変わります。
この章では、クリア、ドロップ、スマッシュ、ドライブ、プッシュ、ロブという六つの基本ショットを中心に、軌道、目的、使いどころを整理し、技名とプレーイメージを結び付けていきます。
クリア(ハイクリア・ドリブンクリア)
クリアは、自コートの後方から相手コートの後方へ、高くまたは速くシャトルを飛ばすショットです。
高く弧を描くものをハイクリア、直線的に速く飛ばすものをドリブンクリアと呼びます。
ハイクリアはシングルスでよく使われ、相手を後方に下げることで時間を作り、自分の体勢を立て直す目的があります。深く入るハイクリアを安定して打てるかどうかは、基礎力の重要な指標です。
一方、ドリブンクリアはダブルスやスピードの高いラリーで多用されます。高く上げ過ぎると相手にスマッシュのチャンスを与えてしまうため、やや低めの軌道で素早く奥に送ることで、相手に攻撃させないようにします。
クリアは一見守備的なショットに思われがちですが、コースを厳しく突けば、そのまま相手を追い込む攻撃的なショットにもなります。
ドロップ(ファストドロップ・スロードロップ)
ドロップは、バックコートからネット付近へシャトルを落とすショットです。
スマッシュと同じフォームから打ち分けることができるため、相手からすると軌道を読みづらく、非常に有効な変化球となります。
速く鋭く落とすものをファストドロップ、ゆっくりふわっと落とすものをスロードロップと呼ぶことが多く、それぞれ目的とリスクが異なります。
ファストドロップは相手の足元付近をスピードで狙うショットで、相手に時間を与えないのが特徴です。
スロードロップはネットギリギリに落とすことで、相手を大きく前に引き出し、次の球で逆を突く狙いがあります。
いずれもコントロール精度が重要で、少し甘くなるとプッシュやネット前からの攻撃を許してしまうため、技名とともに役割をしっかり理解して練習することが大切です。
スマッシュ(ジャンピングスマッシュ・スティックスマッシュ)
スマッシュは、上から下へ鋭く打ち下ろすバドミントンの代表的な攻撃ショットです。
高い打点から強いスイングで打ち込むことで、相手にとっては反応するだけでも大変なほどのスピードと角度が生まれます。
特にダブルスでは、スマッシュを軸にラリーを組み立てることが多く、スマッシュの質は攻撃力に直結します。
ジャンピングスマッシュは、ジャンプしてさらに高い打点から打つスマッシュで、角度と威力を高められますが、その分スタミナ消費も大きく、タイミングがシビアです。
スティックスマッシュは、フルスイングではなく、手首と前腕を素早く使って打つコンパクトなスマッシュで、連続して打ちやすく、特にダブルス後衛で多用されます。
これらの技名を理解し、状況に応じて使い分けられると攻撃の幅が大きく広がります。
ドライブとプッシュ
ドライブは、ネットとほぼ平行な低い軌道で、速いラリーを展開するショットです。
主にダブルスで多く見られ、相手に高い球を打たせないようにプレッシャーをかけ続ける目的があります。
レシーブから一気に攻撃へ転じる場面でも重要で、フォアとバックの切り替え、足さばきと合わせて練習されます。
プッシュは、ネットよりやや高い位置に来たシャトルを、前方へ押し込むショットです。
特にネット前での甘い返球に対して決めに行く場面でよく使われ、決定力に直結する技です。ドライブよりも打点が高く、相手コートへ押しつける感覚が強いのが特徴です。
ドライブとプッシュは似ているようで役割が異なるため、ラリーのスピードや打点の高さと合わせて技名を整理しておきましょう。
ロブ(ネット前ロブ・ディフェンシブロブ)
ロブは、ネット前から相手コートの奥へ高く上げるショットです。
ネット前で相手に攻められている状況から一度立て直したいときや、前後に相手を揺さぶる際に使われます。
ネット前ロブは、ネット周辺から打つロブ全般を指し、角度が浅いとプッシュでたたかれてしまうため、十分な高さと奥行きが求められます。
ディフェンシブロブという呼び方を使う場合は、特に守備の局面から体勢を整えるために高く深く上げるロブを指すことが多いです。
ロブは単なるつなぎではなく、相手のポジションや体勢を見て、次に有利な展開を作るための重要なショットです。
クリアとの違いは打つ位置や局面にあり、ネット前からの高い球をロブ、後方からの高い球をクリアと呼び分けると理解しやすくなります。
前後のショット:ネット周りの技名と使い分け

ネット前の攻防は、バドミントンの中でも特に繊細で、試合の流れを左右する重要なエリアです。
ほんの数センチのコントロールミスで、相手に決定打を許してしまうこともあります。
ネットショットやヘアピン、ネットクロス、プッシュ、ネット前ロブなど、似た位置で打つショットでも、技名によって目的や打ち方は大きく異なります。
この章では、ネット前で頻出する技名の意味と実際の使い分けを整理します。
前後のフットワークと組み合わせて考えると、ラリー全体の構造が見えやすくなり、単に返すだけでなく「どう返せば相手が嫌か」を意識できるようになります。
前での攻防に強くなりたい方は、ここで紹介する技名を一本一本イメージしながら読み進めてください。
ネットショットとヘアピンショット
ネットショットは、ネット際から相手のネット際に落とす基本的なショットの総称です。
前に詰めてきた相手をさらに前で拘束したり、甘い上がり球を引き出してプッシュやスマッシュにつなげる役割があります。
ラケット面を立てて押し出すようなネットショット、ラケットを少し寝かせて転がすような感覚のネットショットなど、細かな種類がありますが、技名としてはまとめてネットショットと呼ばれます。
一方、ヘアピンショットは、ネットを越えたあとにシャトルがヘアピンのような軌道で鋭く落ちる、より繊細なネットショットを指します。
ネットのすぐ上を通して鋭く落とすため、相手は高く上げるレシーブしかできず、その後の攻撃につなげやすくなります。
ヘアピンは高度なタッチが必要ですが、試合での決定力を一段引き上げてくれる技名としてぜひ覚えておきたいショットです。
ネットクロスとネット前での駆け引き
ネットクロスは、ネット前から相手コートの対角線方向へ落とすネットショットです。
ストレートに比べて距離が長くなるため、相手に移動を強いることができ、シングルスでは特に有効です。
また、ダブルスでも相手が片側に寄り過ぎているときに使うと、逆サイドを一気に空けることができます。ネットクロスは軌道が長くなるぶん、ネットにかけない高さと甘くなり過ぎない深さの両立が求められます。
ネット前の駆け引きでは、ストレートとクロスを打ち分けることで相手にコースを読ませないことが重要です。
あえて何本か続けてストレートを見せておき、勝負どころでクロスを使うといったような戦術も有効です。
ネットクロスという技名を理解しておくと、試合中に「今はクロスを見せる場面かどうか」を考えやすくなり、ネット周りの戦術の幅が広がります。
プッシュとネット前ロブの選択基準
ネット前で浮いてきたシャトルに対しては、多くの場合プッシュで決めに行く選択が優先されます。
プッシュは、相手コートへ速く押し込むショットで、相手に考える時間を与えないことが最大の長所です。ネット前での球質や打点の高さから、プッシュが可能かどうかを瞬時に判断する能力が求められます。
甘い球を見逃してロブで逃げてしまうと、相手にラリーの主導権を渡してしまうことにもつながります。
一方で、こちらの体勢が崩れていたり、相手が前で待ち構えている場合は、あえてネット前ロブを選択することも重要です。
ロブで一度後ろへ下げて時間を作ることで、自分の陣形を立て直し、次のラリーに備える余裕を確保できます。
プッシュとネット前ロブという二つの技名を意識して、毎回のネット前の球に対して「攻めるのか」「立て直すのか」を明確に判断する習慣をつけると、試合運びが安定します。
中後衛のショット:後ろからの攻撃とつなぎの技名
後方からのショットは、ラリーをコントロールし、攻撃の起点を作るうえで非常に重要です。
スマッシュやクリアだけでなく、カット、リバースカット、ハーフスマッシュなど、細かい球種を使い分けることで、相手にとって読みづらい多彩な攻撃を組み立てられます。
この章では、後ろからの攻撃とつなぎに関する技名を整理し、それぞれの狙いと特徴を解説します。
特にシングルスでは、後方からの一打がラリー全体の方向性を決めると言っても過言ではありません。
同じフォームから球種を変えることで相手を翻弄するのが現代バドミントンのスタンダードであり、プロ選手もカットやハーフスマッシュを効果的に織り交ぜています。
後衛プレーを強化したい方は、この章に登場する技名をしっかり押さえておきましょう。
カットショットとリバースカット
カットショットは、スマッシュやクリアと同じフォームから、ラケット面を少し斜めに使ってシャトルの回転を変え、ネット前へ鋭く落とすショットです。
スマッシュほどのスピードはありませんが、軌道が鋭く曲がるように落ちるため、相手にとってはコースを読みづらく、タイミングを外されやすいのが特徴です。
特にシングルスで相手を前に動かす際によく使われ、フットワークを奪う効果があります。
リバースカットは、ラケット面の裏側を使うようなイメージで回転方向を逆にかけるカットショットで、シャトルが相手の予想とは逆方向に切れて落ちます。
たとえば、ストレート方向に見せてクロス側に落とす、またはその逆といったフェイント効果が非常に大きいショットです。
技術的な難度は高いものの、決まったときの効果は絶大であり、中級以上のプレーヤーが身につけたいテクニックとして知られています。
ハーフスマッシュとスライスショット
ハーフスマッシュは、フルスマッシュよりやや力を抑えたショットで、スピードと安定性のバランスを取った攻撃球です。
フルスマッシュを連発するのは体力的な負担が大きく、コントロールも乱れやすいため、多くの上級者はハーフスマッシュを基本に、要所でフルスマッシュを織り交ぜるスタイルを取っています。
相手の体勢やポジションを見て、狙いを絞ったコースにハーフスマッシュを打ち込むことで、効率よくラリーを支配できます。
スライスショットは、ラケット面をスライドさせるように使ってシャトルに横回転を与え、軌道をわずかに曲げるショットです。
カットショットほど大きく手首を切らず、フォームの変化を少なくしながら微妙なコースの変化を生み出せるのが特徴です。
ハーフスマッシュとスライスショットを組み合わせることで、相手に同じフォームから複数の変化を見せられるようになり、ラリーの主導権を握りやすくなります。
ドリブンクリアとディフェンシブショット
ドリブンクリアは、先ほども触れた通り、直線的で速いクリアのことを指しますが、ここでは特に後方からのラリーの中でどのような役割を果たすのかを整理します。
ダブルスでは、ハイクリアのように高く上げると相手にスマッシュを許してしまうため、やや低めで奥へ速い球を打ち込むドリブンクリアが重視されます。
これによって相手の攻撃準備を遅らせ、自分たちが先に主導権を握ることができます。
ディフェンシブショットという表現は、特定の一つの技名ではなく、守備を目的としたショット全般を指すことが多いですが、後方からのショットで言えば、ハイクリアや高いロブがここに含まれます。
相手の攻撃を受けている状況で、無理にカウンターを狙うのではなく、一度高く深い球で立て直す判断は非常に重要です。
攻撃的なドリブンクリアと、守備的なディフェンシブショットを状況によって使い分けることが、安定した試合運びにつながります。
フォア・バック・打ち方に関する技名

同じショットでも、フォアハンドで打つのか、バックハンドで打つのか、オーバーヘッドなのかアンダーハンドなのかによって、技名の表現が変わる場合があります。
打ち方に関する用語を理解しておくと、指導書やコーチの説明をより正確に理解でき、技術習得のスピードが上がります。
この章では、フォアハンド、バックハンド、オーバーヘッド、アンダーハンドなど、打ち方に関係する技名を整理します。
また、グリップチェンジやリストを効かせたショットなど、近年重視されている技術要素と結びついた用語も増えています。
単に球種の名前だけでなく、「どの持ち方で」「どのスイング方向で」打つのかを示す用語まで理解しておくと、より高度な戦術の会話にもついていけるようになります。
フォアハンドショットとバックハンドショット
フォアハンドショットとは、ラケットを持っている手のひら側で打つショットの総称です。
多くの場合、フォアハンド側の方が力が入りやすく、リーチも長いため、バドミントンでは可能な限りフォアで打つことが基本とされます。
フォアハンドスマッシュ、フォアハンドドライブなどのように、球種と組み合わせて使われます。
バックハンドショットは、手の甲側で打つショットを指し、フォアに比べるとパワーが出しづらく、打点も近くなります。
そのため、フットワークで回り込んでフォアで打つことが理想ですが、どうしても追いつかない場面や、ネット前の細かなショットではバックハンドが必須になります。
バックハンドクリアやバックハンドネットショットなど、後方と前方の両方で使う技名があるため、自分が苦手なバックハンドの種類を明確にして練習することが大切です。
オーバーヘッド・サイドハンド・アンダーハンド
オーバーヘッドショットとは、頭の上より高い位置で打つショットを指し、スマッシュ、クリア、後方からのドロップなどがここに含まれます。
バドミントンのパワーショットの多くはオーバーヘッド動作から生まれるため、肩から腕、体幹を連動させたフォームづくりが重要です。
オーバーヘッドクリアやオーバーヘッドスマッシュという表現が使われることもあります。
サイドハンドは、腰から肩くらいの高さで横方向にスイングする打ち方で、ドライブやレシーブでよく使われます。
アンダーハンドは、膝から下の低い位置で下からすくい上げるように打つショットで、ネット前のロブや低いレシーブで多用されます。
これらの技名を理解しておくと、「同じドライブでも、オーバーヘッド気味なのかサイドハンドなのか」といった細かなニュアンスも把握しやすくなります。
リストショットとスナップの使い方
リストショットという表現は、手首の動きを主体としてシャトルにスピードや回転を与えるショットを指す場合に使われます。
特にネット前や中距離のドライブで、コンパクトな動きから鋭い球を出したいときに重要です。
ラケットを大きく振りかぶらずに、最後の瞬間だけリストを効かせることで、相手にコースや球速を読まれにくくする効果があります。
スナップという言葉も、手首や前腕を素早くしならせる動作を指す際に用いられます。
たとえばスティックスマッシュは、腕全体を振るというより、スナップを効かせたショットと説明されることが多いです。
リストショットやスナップといった技名に近い用語を理解しておくと、コーチの指導や教材の説明がより具体的にイメージできるようになります。
レシーブ・サービス周りの技名をおさえよう
バドミントンでは、サービスとレシーブの技術がラリーの始まりを決定づけます。
特にダブルスでは、わずかなサービスの質の差がそのまま失点につながることも多く、サービス周りの技名や種類を理解しておくことは非常に重要です。
また、スマッシュレシーブも多くのバリエーションがあり、それぞれに名称と狙いがあります。
この章では、ロングサーブ、ショートサーブ、ドライブサーブなどのサービス関連の技名と、レシーブでよく使われるブロック、リフト、プッシュレシーブなどを整理します。
サーブとレシーブは一見地味に思えるかもしれませんが、上級者ほどこの部分にこだわり、細かく技を使い分けています。
ロングサーブ・ショートサーブ・ドライブサーブ
ロングサーブは、相手コート奥のサービスライン付近まで高く深く上げるサーブで、主にシングルスで用いられます。
相手を後方へ下げることで、こちらがラリーの主導権を握りやすくする狙いがあります。深さと高さが足りないロングサーブは、スマッシュの餌食になってしまうため、安定して奥に届かせる技術が必要です。
ショートサーブは、ネット直後に落とす低く短いサーブで、ダブルスの標準的な選択肢です。
相手に強打されないギリギリの高さとネット際の精度が求められます。
ドライブサーブは、やや速い球速で相手の体付近やサイドラインを狙うサーブで、相手の意表を突く目的がありますが、失敗すると一気に攻められるリスクもあります。
これら三種類のサーブを理解し、状況に応じて選択できるようになると、試合の入り方が安定します。
スマッシュレシーブの技名と選択肢
スマッシュレシーブには、多様な技があります。代表的なものとして、リフト、ブロック、ドライブレシーブ、プッシュレシーブなどが挙げられます。
リフトは、スマッシュを高く上げ返して時間を作る守備的な選択肢です。
ブロックは、スマッシュをネット前にそっと落として相手の前衛を動かすショットで、守備から攻撃に切り替える起点になり得ます。
ドライブレシーブは、スマッシュに対して横方向に速い球を返し、ラリーの主導権を取り戻す攻撃的なレシーブです。
プッシュレシーブは、体の近くに来た球を前方に押し込み、前衛の位置から一気に得点を狙うショットです。
これらの技名を理解しておくことで、単に「返す」だけでなく、「どのレシーブでどういう展開を作るのか」を意識しながら守備を組み立てられるようになります。
サービスシチュエーションでの専門用語
サービス周りには、技名に近い専門用語がいくつか存在します。
たとえば、サーブ直後の第三打をサードショットと呼び、その質や選択がラリーの流れを決定します。
ショートサーブから相手のレシーブをネット前に止めるネットサード、ドライブで一気に攻めに転じるサードドライブなど、細かい呼び方をする指導現場もあります。
また、ダブルスでは、サーブ側の前衛と後衛のポジションを明確にしたうえで、サーブからどのようにフォーメーションを作るかが重視されます。
サイドバイサイド、フロントアンドバックといったフォーメーション用語も、サービス周りの技名と密接に関係しています。
サーブとサードショットの組み合わせを意識して練習すると、サービスゲームでの失点を大きく減らすことができます。
技名を戦術に落とし込むための考え方
ここまで紹介してきた多くの技名は、それぞれ単体で存在しているわけではなく、ラリーの流れの中で組み合わされ、戦術として意味を持ちます。
技名を知っているだけでは不十分で、それぞれがどのような役割を持ち、どの順番でつながると効果的なのかを理解することが重要です。
この章では、技名と戦術を結びつける考え方を解説し、実践への橋渡しを行います。
また、シングルスとダブルス、ミックスダブルスの種目ごとに、よく使われるショットの組み合わせや流れが異なります。
代表的なパターンを押さえておくことで、試合中に「今この場面で使うべき技は何か」を瞬時に判断しやすくなります。
ショットの組み合わせとラリーパターン
ショットの組み合わせを考える際には、それぞれの技名が持つ「相手をどの方向に動かすか」を軸に整理すると分かりやすくなります。
たとえば、クリアで後ろに下げ、ドロップで前に出させ、再度クリアやスマッシュで後ろを突くといった前後の揺さぶりがあります。
左右への揺さぶりでは、スマッシュやドライブをストレートとクロスに打ち分けて相手のサイドステップを多用させ、体勢を崩していきます。
実戦でよく見られるラリーパターンとして、ドライブの応酬から浮いた球をプッシュで仕留める、スマッシュレシーブをブロックで落としてネット前を制するなどがあります。
各技名を単発で覚えるのではなく、「どのショットの後にどのショットが続きやすいか」を意識してセットで覚えると、戦術理解が一気に深まります。
シングルスとダブルスで重視される技の違い
シングルスでは、コート全体を一人で守る必要があるため、クリア、ドロップ、カット、スマッシュといった後方からのショットの精度が特に重要になります。
ラリーの組み立てでは、前後左右に相手を動かして体力を奪い、甘くなった球を確実に決める展開が基本です。
そのため、技名で言えばハイクリアやファストドロップ、カットショットなどの頻度が高くなります。
ダブルスでは、スピードの速いドライブとプッシュ、低く速いサーブやレシーブが重視されます。
後衛がスマッシュやハーフスマッシュで攻め続け、前衛がネットショットやプッシュで畳みかける形が理想的な攻撃パターンです。
ミックスダブルスではさらに役割分担が明確になることが多く、前衛でのヘアピンやネットクロス、後衛でのカットやリバースカットなどが戦術的な意味を持ちます。
自分のプレースタイルに合った技名リストを作る
すべての技名を一度に完璧に使いこなす必要はありません。
まずは自分のプレースタイルや得意ショットを踏まえて、「よく使う技名リスト」を作ることをおすすめします。
たとえば、攻撃的なダブルスプレーヤーであれば、スマッシュ、スティックスマッシュ、ドライブ、プッシュ、ネットショット、ショートサーブなどが中心のリストになるでしょう。
一方、オールラウンドなシングルスプレーヤーなら、クリア、ドロップ、カットショット、ロブ、ネットクロスなどを軸に据えることが考えられます。
自分の得意としたい技名をノートに書き出し、それぞれに対して「どの局面で使うか」「課題は何か」を整理しておくと、練習の目的が明確になり、効率的に技術を磨いていけます。
技名の違いを理解するための比較表
ここまで多くの技名を紹介してきましたが、似たショット同士の違いが曖昧になってしまうこともあると思います。
この章では、特に混同されやすい代表的なショットについて、目的や軌道の違いを比較表で整理します。
表として視覚的に整理することで、技名ごとの特徴がより明確になり、自分がどのショットを練習すべきかも見えてきます。
比較のポイントとしては、軌道の高さ、スピード、主な目的(攻撃・つなぎ・守備)、よく使われる種目などを挙げています。
これらを参考にしながら、自分のプレースタイルに合ったショットの組み合わせを検討してみてください。
| 技名 | 主な目的 | 軌道の高さ | スピード | 主な使用種目 |
|---|---|---|---|---|
| ハイクリア | 体勢立て直し・後方へ下げる | 高い | 中 | シングルス中心 |
| ドリブンクリア | 攻撃をさせない・速い展開 | 中 | 高い | ダブルス中心 |
| ファストドロップ | 前に動かす・時間を与えない | 中〜やや低め | 中〜高 | シングルス・ダブルス |
| スロードロップ | ネット際に落とす・前へ引き出す | 高めから鋭く落ちる | 低い | シングルス |
| フルスマッシュ | 得点を狙う主砲 | 中 | 非常に高い | 全種目 |
| ハーフスマッシュ | ラリー継続しつつ攻める | 中 | 中〜高 | 全種目 |
| ドライブ | 低く速いラリー・攻め継続 | 低い | 高い | ダブルス中心 |
| プッシュ | 甘い球を押し込む・決定打 | ネットより少し上 | 高い | ダブルス中心 |
| ネットショット | 前で拘束・ラリー構築 | 非常に低い | 低い | 全種目 |
| ヘアピンショット | 高精度で前に落とす | 非常に低い | 低い | 全種目 |
混同しやすいショットの違いを整理する
たとえば、ハイクリアとロブはどちらも高く上げるショットですが、打つ位置と役割が異なります。
ハイクリアは主に後方から打ち、ラリーの主導権を取り戻したり、相手を下げる目的があります。
ロブはネット前から打ち、攻められている状況を一度リセットする守備的な役割が強いショットです。
このような違いを理解しておくと、状況に応じたショット選択がしやすくなります。
また、ドライブとプッシュも混同されやすい技名です。
ドライブは低い軌道でラリーをつなぐショットであり、主に中距離での打ち合いに使われます。
プッシュはネット前での高めの打点から前に押し込むショットで、決定打としての意味合いが強いです。
このように似たショット同士の違いを整理しながら技名を覚えると、プレーの精度向上につながります。
まとめ
バドミントンの技名は、最初はカタカナ用語が多く難しく感じるかもしれませんが、その多くはショットの軌道、目的、打ち方を端的に表現した合理的な名前です。
スマッシュやクリアといった基本技名に加え、ドロップ、カット、ヘアピン、ドライブ、プッシュなどを体系的に理解することで、プレーの幅は大きく広がります。
また、フォア・バック、オーバーヘッド・アンダーハンドなど、打ち方に関する用語を合わせて覚えると、指導内容の理解度も高まります。
この記事では、技名を種類ごとに整理し、それぞれの特徴と使いどころを解説しました。
今後の練習では、単にシャトルを打つのではなく、「今はどの技名のショットを打っているのか」「どんな目的でそのショットを選んだのか」を意識してみてください。
技名を理解して使い分けられるようになると、戦術的な発想が自然と身につき、試合を見る目も自分のプレーも一段とレベルアップします。
ぜひ、自分なりの必殺ショットリストを作りながら、一つ一つの技を磨いていきましょう。
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