バドミントンの試合では、線審はシャトルがコート内に落ちたか外れたかを判定する重要な役割を担います。プレイヤーでも部活動で線審を任される機会があり、正確な判定や明確な合図が求められます。線審のジャッジは主審の判断をサポートし、得点や試合結果に大きく影響することもあります。
本記事では、線審の基本的な役割や判定基準、合図の方法から、線審になるための資格・練習方法まで、2025年の最新情報を交えて幅広く解説します。
目次
バドミントン 線審とは?基本的な役割と仕事
バドミントンにおける線審とは、コートの境界線上でシャトルがイン(有効)かアウト(無効)かを判定する審判員のことです。主審(チェアアンパイア)が試合全体を管理するのに対し、線審は担当するラインにのみ集中して判定を下します。
主審が見えない角度のボールや微妙な判定では、線審の判断が試合結果に大きく影響することもあります。例えば、シャトルがギリギリのラインに落ちた場合、線審が的確な合図を出すことで正しい得点判定につながります。
線審の主な役割
線審は、最も近くに落ちるシャトルの位置によって「イン」か「アウト」かを瞬時に判断し、その結果を主審に伝えるという明確な仕事があります。具体的には、担当ラインにシャトルが落ちた場合、以下のように対応します。
- アウトの判定:シャトルがコート外に着地したと判断したら、大きな声で「アウト」とコールし、両腕を水平に広げて合図します。
- インの判定:シャトルがコート内に着地した場合は、声は出さずに担当ラインを指差して示します。
- 判定不能の場合:シャトルが見えなくなって落下点が分からない場合は、両手で顔を覆い、主審に判定を委ねます。
主審との役割分担
主審は試合全体の進行を管理し、線審を統括する立場にあります。線審はあくまで担当ラインでの判定だけに専念し、プレーヤーや観客とはコミュニケーションをとりません。
線審は常に主審との連携を意識します。主審の判断が線審の判断と異なる場合は、主審の意向に従うのが原則です。たとえば、線審が「イン」と示しても主審が動画判定や他の情報から「アウト」と判断した場合、最終的には主審の宣告に従います。
- コミュニケーション:線審は選手や観客への返答や質問は原則として行いません。コート内での判断は主審に一任し、声を掛けられても審判席からの合図だけで対応します。
- 判定の責任:線審の判定が明らかに間違っていたと主審が判断した場合、主審が線審の判定を覆すことがあります。その際も線審は追加で異議を唱えず、主審の指示に従います。
線審の配置と見やすい位置取り
線審は試合中、担当ラインの端側に椅子を置き、できるだけ判定しやすい視界を確保します。
日本バドミントン協会の公式規程では、線審の配置はコート境界線から2.5~3.5メートル離れた位置が望ましいとされています。審判員はどんな位置でも外部からの影響を受けないよう配置することが求められます。
会場照明や日光による影ができないよう注意し、選手の姿で視界が遮られない角度にポジションを調整します。
線審が担当するラインと配置人数

線審が担当するラインの本数は、大会の規模や参加人数によって異なります。小規模大会や練習試合では2人のみが線審を行うこともありますが、多くの公式戦では4名体制が基本です。
世界選手権やオリンピックなど大規模大会では10名の線審が配置され、主審以外のすべてのラインに人員が割り当てられます。担当するライン数は線審1名あたり1~2本で、人数が多いほどより細かい判定が可能になります。
以下の表は、線審人数による配置例の一例です。人数や大会によって配置方法は変わる場合もありますが、基本的な違いをまとめています。
| 線審人数 | 配置 | 担当ライン |
|---|---|---|
| 2名 | コートの対角に配置 | 各線審が最も近い2本のライン(角のエンドラインとサイドライン) |
| 4名 | コート四隅に各1名 | 各線審が1本のラインを担当(コーナーのエンドラインまたはサイドライン) |
| 10名 | 大会規模の大きい会場で配置 | 主審を除いた全ラインに各1名(各サイドラインやエンドラインに1名ずつ) |
線審2名体制の場合
線審2名体制では、試合を斜め方向から見るように2人が配置されます。小規模な大会や練習試合で採用されることが多く、各線審は角のエンドラインとサイドラインの2本を担当します。
たとえば、下側の右角に位置した線審は、右エンドラインと下側サイドラインを見ます。
この体制では1人あたり2本のラインをカバーするため、素早い判定と集中力が威力を発揮します。見落としを防ぐため、落下点を見逃さないように椅子から身を乗り出し気味にするなど、工夫が必要です。
線審4名体制の場合
線審4名体制は最も一般的で、各コート角に1人ずつ配置します。これにより1人が担当するラインは1本となり、より細かい判定が可能です。通常、フォアコートとバックコートにそれぞれ1名ずつ着座し、シングルス・ダブルスを問わず、各線審が自分の担当ラインを守ります。
4人いることで死角が減り、重要なサイドラインとエンドラインの両方をしっかりカバーできます。
大規模大会の場合(線審10名)
世界大会クラスなど規模の大きい大会では、線審が10名配置されることがあります。この場合、主審が椅子のあるライン1本を担当する以外の全てのラインに線審が立つことになり、各線審が実質的に1本ずつのラインを担当します。
これにより、サイドラインやエンドラインのほか、サーブ用の短いライン(黄色の追加ライン)も含めて全ラインをカバーでき、判定精度が最大限に高まります。
線審の判定基準:インとアウトの見極め方

線審の最大の仕事は、シャトルがインかアウトかを正確に判定することです。シャトルの判定はコルク部分の落下点が基準となり、羽根の位置は判断材料になりません。一般的な判定ルールとして、以下のようなポイントを押さえておきましょう。
シャトルのコルク部分を注視
シャトルはコルク部分が下を向くように飛ぶため、着地直前にはコルクが最初に床面に触れます。そのため線審は常にコルクを中心に注目します。たとえシャトルの羽根がライン上に触れていても、コルクがライン上に触れていなければ「アウト」となります。逆にコルクがラインに少しでもかかっていれば「イン」です。焦らずにシャトルの落ちた場所を的確に見ることが重要です。
インの判定基準
「イン」と判定する基準は、コルクがライン上または内側に着地した場合です。シャトルのコルクの一部でもラインにかかっていると、そのポイントは有効とみなされます。着地点が厳しい角度になっている場合でも、上から見ればコルクが少しでもラインに触れていれば、線審は即座にインのサインを出します。
アウトの判定基準
「アウト」と判定する基準は、コルクが明らかにライン外に着地した場合です。コルク部分がラインに一切かかっていない場合、そのポイントは無効となり、線審は大きな声でアウトのコールを行います。シャトルの羽根がラインにかかっているように見えても、コルクがライン外であればアウトです。迷った時は正確な判定を優先し、必要であれば主審に判断を仰ぎます。
線審の合図とコール
線審はイン・アウトの判定結果を選手や主審に伝えるため、状況に応じて明確な合図を行います。通常、アウトの場合は声を出し、インの場合はジェスチャーのみで示します。また、判定できない場合には特別な合図を用います。この項では各状況における線審の合図方法を紹介します。
インの場合の合図
シャトルがコート内に着地して有効だったと判定した場合、線審は声を出さずに自分の担当ラインを指差して示します。このとき主審へは右手でインを示しますが、基本的には無言で静かに示すのがマナーです。周囲にインを知らせる必要はなく、とにかく正確にラインを指すことが求められます。
アウトの場合の合図
シャトルがコート外に落ちたと判定した場合、線審はすぐに「アウト!」と大きな声でコールし、両腕を水平方向に広げてアウトを示す合図をします。この合図により主審とプレーヤー双方にアウトが伝わります。以前はコロナ対策で声を出さずに手だけ使う大会もありましたが、通常は感情を抑えつつもしっかりと声を出して合図するのが鉄則です。
判定不能時の合図
シャトルの落下点が見えなかったり判断がつかないときは、線審は両手で目を覆いこれ以上判定できないことを示します。主審はこの合図を受けたら、主審自身の判断でイン・アウトをコールします。線審は無理に判断しようとせず、必ず主審にゆだねるようにします。これもルールで定められた正しい対処法です。
線審に必要なスキルと心構え

線審には優れた集中力と観察力、冷静な判断力が求められます。試合中はプレーヤーが繰り出す高速シャトルに合わせて素早く反応し、ミスなく判定し続ける必要があります。
また、線審は試合の勝敗にも影響を与える存在であり、毅然とした態度で公正さを保つことが大切です。具体的に意識したいポイントを見てみましょう。
シャトルを最後まで見る集中力
線審はシャトルが飛んだら必ず最後まで見届ける集中力が不可欠です。ネットにかかって不規則に落下することもあるため、先読みせずに落下点まで目を離さないようにします。実際の試合では周囲の雑音や観客にも惑わされやすいですが、
線審はライン上のシャトルだけに注意を向け、いつでも判断できる態勢を維持します。
選手との接触を避ける
線審はコート外でも選手が目の前を通過する場合がありますが、プレーヤーに接触しないよう常に注意が必要です。狭いコートで高速のシャトルが飛んでくるため、予期せぬプレーヤーの動きにも注意しなければなりません。
常にシャトルとプレーヤーの両方を視野に入れて行動し、十分な距離を保つよう心がけましょう。
毅然とした態度と公正さ
線審は審判員として平等公正であることが大前提です。たとえ観客やコーチから圧力がかかっても、自分の判断に責任を持って毅然とした態度を崩さないことが重要です。疑わしい時でも自信をもって合図を出し、誤審があれば主審に任せる覚悟が必要です。
冷静さを失わず公平な判定を心がけましょう。
線審になるには?資格や練習方法
公式試合で線審を務めるためには、バドミントン協会が定める審判資格を取得する必要があります。多くの国や地域では3級から1級までの審判員資格があり、線審として経験を積んで上位資格を目指すことが一般的です。
ここでは、線審に関わる資格制度と練習方法について解説します。
審判員資格の種類と概要
各国や地域で審判資格の呼び方は異なりますが、日本の場合は3級、2級、1級と階級分けされています。3級は審判員資格の初級で、地方大会などで線審を経験しながら知識を深める段階です。2級は中級資格で、全国大会で線審や副審を担当できるレベルになります。1級は上級資格で、国内外の大規模大会で線審を務めるための資格です。2級取得後にさらに実績を積んだのち、1級試験に挑戦します。
- 3級:審判員資格の初級。地域大会などで線審を経験しながら知識を深める段階です。
- 2級:中級資格。全国大会で線審や副審を担当できるレベルになります。筆記と実技試験が課されます。
- 1級:上級資格。国内外の大規模大会で線審を務めるための資格です。2級取得後にさらなる実績を積んで受験します。
資格取得のステップ
審判資格を取得するには、まず各地域の審判講習会を受講する必要があります。講習会ではルールの講義や実技指導が行われ、最後に筆記試験や実技試験が課されます。
3級取得後は実際の大会で審判を経験し、所定の試合数をこなすことで2級受験資格が得られます。2級合格後も同様に一定期間の実践経験が求められ、1級試験を受験できるようになります。
実践で学ぶ練習方法
線審の技術は実際に試合を担当してこそ磨かれます。練習としては、部活動や地域大会で積極的に審判を引き受け、仲間からフィードバックをもらうのが有効です。また、公式戦の映像でプロ選手のプレーを観戦し、実際の線審の合図や判定のタイミングを研究するのもおすすめです。
さらに、審判講習で実施される模擬試合や実技練習に参加し、先輩審判のアドバイスを受けることで実戦力が高まります。
まとめ
線審はバドミントンの試合においてイン・アウト判定という重要な判断を担います。担当ラインに対する正確な判定や明確な合図が行われることで、公正なジャッジが行われ試合が円滑に進みます。
本記事でご紹介したイン・アウトの基準や合図の方法、線審に求められるスキル、資格取得までの流れなどを参考に、線審の役割を正しく理解し、実践力を磨いてください。きちんと準備された線審がいることで、選手も安心してプレーに集中できます。
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