皆さんこんにちは、山村です。更新が遅れてしまい申し訳ありません。GWは楽しく過ごせましたでしょうか。
先週は遺伝子発現に関してお話ししました。
様々な細胞の構成因子として、または独自の機能を持った酵素などとして、身体の中で重要な働きを担うタンパク質が、どのようなステップを踏んで作られていくかといった内容でした。
基本的には遺伝子というのは、『そこからどんなタンパク質を作るか?を決める設計図である』と考えていただけると良いかと思います。
さて、本日はそうやって出来たタンパク質が細胞内で受ける修飾に関してご紹介しようと思います。
<設計図に従って出来たタンパク質、しかしいつでもバリバリ働いているわけではない>
ここでは酵素を例にとってお話します。酵素は機能性タンパク質の1種であり、やはり遺伝子として設計図がDNAに刻まれています。
酵素は基本的には以下のような働きをする事が知られています。
酵素 + 基質 → 酵素 + 生成物
基質と呼ばれる材料を、目的の生成物に変換する機能を持っているタンパク質です。
酵素によって基質は異なり、これを基質特異性と呼びます。
例えば、炭水化物(グルコース)から脂肪酸を合成する酵素に関していえば、グルコースが大量にありかつ脂肪酸が少ない状況下であれば、ガンガン働いてくれればいいですが、脂肪が十分に沢山ある状況ではそこまで働かなくていいですよね。
こういった場面では、その酵素の活性、働き具合が低下するように調節が起こります。
<どうやって調節するのか??>
一番簡単なのは、その酵素の量そのものを減らしてしまう事。酵素を分解したり、設計図である遺伝子からの酵素の作製スピードを低下します(遺伝子発現が低下する)。
それから、タンパク質の量は変わらなくても、状態を変えてやることで活性を落とすことも出来ます。具体的な例として、生成物がくっついて酵素の形を変えてしまう(もう作らなくていいよ!と言われているような感じですね)、リン酸化される、などがあります。
リン酸化に関して言うと、リン酸化されて活性が下がるものもあれば、上がるものもあります。こうして酵素の活性のON/OFFが正確に調節されているんですね。
<何故こんな話をするのかというと…>
前回と今回で、身体の中での情報伝達機構について触れてきました。この2つは今後お話していく病気とアミノ酸、スポーツとアミノ酸などを理解する上で非常に重要な内容です。『なんとなく身体にいいもの』ではなく、なぜ身体に良いと言われているのかを理解する事で日々の食生活においても実感が持てるのではないでしょうか。
次回から少しずつ、具体的な例を交えてお話しできればと思います!!
ではでは、今週も健康に気を付けつつ頑張りましょう!!