いつもバド×チェックをお読み頂いてありがとうございます。近藤です。
数回に渡り「猫背」を中心に書かせて頂きました。
とても大切な事なので、「姿勢」についてもう少し掘り下げようと思います。
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そもそも「姿勢」はどうやって形成されていくのか?
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「姿勢」というのは、私たちが地球という重力環境で身体活動を営む基本となります。ヒトはこの重力下で適応するための「姿勢」を、生後約1年の間に形成していきます。
その過程とは、
・仰向け
・横向き・寝返り
・うつ伏せ
・四つ這い
・高這い
・お座り
・膝立ち
・立位
赤ちゃんが生後1年間かけて行う「体勢」や「動き」すべてが、重力下に適応するために必要な、いわばトレーニングとなります。
すべてをご紹介できませんが、例えば、新生児は仰向けで「泣く」ことにより、横隔膜や腹横筋、多裂筋といったインナーユニット(腹部のインナーマッスル)をトレーニングしています。
そして、このインナーユニットの活動は、各関節を適切に機能させるために必要不可欠と言われており、「身体運動」に対して、適切なタイミングで活動することがパフォーマンスにおいて重要であることがわかっています。
余談ですが、「声を出す」ということが、チームでも重要視されると思いますが、大きな声を出すことでインナーユニットは活発に働きます。弱気になり、声もでなくなると、もしくは、きつい場面で声が出ないと、一気に押し込まれてしまうのは、インナーユニットの特性からも説明できるかもしれません。
また、四つ這いでは、手をつき身体を支えることにより、肩甲骨の安定性を養っています。背骨のS字カーブが形成されるのもこの頃と言われています。
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つまり、「姿勢」は、様々な体勢下で、重力に対して最適な動きを繰り返すことにより、形成されていきます。
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ですので、前々回の「猫背改善トレーニング」を改めて見て頂くと、仰向け→うつ伏せ→四つ這いといったように、赤ちゃんの「発育・発達」に合わせているのがお分かりになると思います。
「猫背改善トレーニング」
日常動作では、そこまで多くの動きやスピードや強さが必要ではありませんが、スポーツの場面では、多くの動き、スピード、強度の組み合わせの中で、最適な「姿勢」が必要になってきます。
それは、バドミントンのラリー中に「こういう姿勢を取ろう」とは考えることは不可能ですので、まさに「自動化」「勝手にできている」という状態にする必要があります。
ラリー中に猫背になってしまう選手は、明らかに「重力下」に適応できていない状態です。それが、どの体勢なのか、どんな動きなのか、どれくらいの運動強度なのか、を見極める必要があります。
「良い姿勢にしなくちゃ」と考えている赤ちゃんはいません。
すべて遺伝子に組み込まれている動きを自然に行い、重力下に適応した「姿勢」を形成していきます。
では、赤ちゃんの時期が終わった、ジュニア選手や大人はどうしたらいいのでしょう。
その答えは、赤ちゃんの「発育・発達」にあります。
赤ちゃんが徐々に獲得していく様々な「体勢」で運動すること。
ジュニア選手なら「遊び」の中から、多種多様な動きの中から自然に、重心のコントロールを学ぶことが必要です。
そして、そのうえで、そのスポーツの運動強度で身体をコントロールできる筋力が必要です。
日替わりバド定食「ゴールデンエイジ」担当の丸山さんの記事にも詳しく書いてあります。
http://badnet.jp/archives/2147/
それでも改善しない場合は、原因を特定し、その原因にあった運動の処方が必要になると思います。
前回、ストレッチポールをご紹介しましたが、今回の内容も含めてもう少し説明させて頂きたいと思います。
ストレッチポール上に背骨を置くことにより、四肢を重力から解放した状態を作ることができます。いわゆるまだ重力を知らない「生まれたての赤ちゃん状態」を作ることができ、重力下で身体を支え続ける筋肉たちを緩めることができます。
ストレッチポールで「ベーシック7」を行った後、床に寝てみると、身体が床に沈み込むような感覚があると思います。それが、「重力からの解放」です。
*「ベーシック7」については前回記事をご参照ください。
一度、赤ちゃんの状態に戻ってから、姿勢作りの運動をすると効果が高いのを多く経験しております。
少し難しい内容になってしまいましたが、強くお伝えしたい内容でしたので、長々と書かせて頂きました。
今回も最後までお読み頂いてありがとうございます。
次回は、もう少し直接バドミントンに関係がある「スローインプログラム」を紹介しようと思っています。