近藤です。いつもバド×チェックをお読み頂きましてありがとうございます!
これまで、指椎間距離測定(メディカルチェック)→指椎間距離とバドミントとの関係→肩のスタティックストレッチ→ウォーミングアップも含めたダイナミックストレッチとご紹介してきました。
それぞれの種目は、これじゃなければダメっていうものではないです。種目はユーチューブなどを調べるとたくさんでてきます。大事なのは、それぞれのメリット・デメリットを含めた行うタイミングや全体の構成、何を目的としているか、といったところだと思います。
肩の柔軟性が低下すると、確実にプレイに影響します。腱板損傷などの怪我も起きるかもしれません。
それを防ぐために、
現状把握(メディカルチェック、動画撮影)→スタティックストレッチの習慣化によって可動域を確保→可動域を確保した状態で、動きのなかで上手く使えるようにダイナミックストレッチでウォーミングアップを練習前には行う。
そういった、自分なり、チームなりの流れや構成ができているといいですよね。
そして、今日ご紹介する内容は、肩の安定感を高めるトレーニングです。
身体の関節は、テコの力を利用して効率的に大きな力を出す仕組みが備わっています。肩であれば、その支点である上腕骨の骨頭(腕の骨の付け根)を安定させる必要があります。その役割を担うのが、ローテーターカフと言われる肩のインナーマッスル群です。(棘上筋・棘下筋・肩甲下筋・上腕二頭筋長頭など)
ざっくり言ってしまうと、
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インナーマッスル
関節を安定させアウターマッスルによる動きを最大限に引き出す。
アルターマッスル
インナーマッスルによって安定された関節を、よりダイナミックに動かす。
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ですので、よく誤解されるのですが、インナーマッスルが大事とかアウターマッスルは、動きには邪魔になるとかという議論は意味がありません。
両方とも大事です。そして、両方しっかり機能していないと関節の動きに不都合が生じます。
これは、体幹トレーニングが大事でウェイトトレーニングは必要ないという議論に似ていますし、未だに誤解されているな、と思う場面に遭遇することがあります。
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体幹トレーニングも大事だし、ウェイトトレーニングも大事。両方大事です。
そして、両方トレーニングしなくちゃだめです。(ジュニア期の場合を除いて)
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やはり大切なのは、パフォーマンスアップのためには、何が必要(分析)で、そのためには何をして(練習やトレーニング)、どんな構成にするか(練習計画)だと思います。
時々、体幹トレーニングを筋力トレーニングのカテゴリーに入れてしまっている場面に遭遇しますが、いわゆる体幹トレーニングで筋肥大をさせようとするのは無理があります。同じく、長距離の走り込みで足腰を鍛える、というワードも下半身の筋肥大を狙っているとしたら非効率です。といったようにトレーニングの種目と狙いがズレてしまっている、非効率な狙いになってしまっている場合はよくあります。
繰り返しになりますが、トレーニングの「狙い」と「種目」の整合性は非常に大切です。これはバドミントンの練習と一緒です。
ということで今回は、肩の安定感を高めるトレーニングです。
もちろん筋肥大はしません。
障害予防や肩の動かしやすさ、固有受容感覚を養うトレーニングとなります。
私が指導しているチームでは、このトレーニングをスローイングプログラムを行う前や、練習のちょっとした合間、試合前になどに行っています。
ポイントは、上腕骨の骨頭を(腕の骨の付け根)グラグラさせない、支点をしっかり取る、関節に押し付ける(正確な表現ではないかもしれませんが)ようなイメージで行うことです。このイメージがないと、あまり効果を出せないように思います。
筋肉の名前も一応ご紹介しておきます。
棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、上腕二頭筋長頭、前鋸筋の働きをよくするように構成されています。
また動画でもご紹介しておりますが、「手をつく種目」をぜひ意識的に取り入れて頂きたいと思っています。ぶらさがる種目もとてもいいです。なぜなら、特に意識しなくても自然に肩や肩甲骨周りを安定させる力が働くからです。
このトレーニング前にシャトルを打ってみて、このトレーニングが終わったらもう一度シャトルを打ってみてください。安定して力が出る感覚を味わうことができると思います。
次回は、メディカルチェックの二つ目「肩-床距離」を含めた上半身の姿勢チェックをまとめてみます。
そのあと、器具がなくてもできる上半身の筋力トレーニングをご紹介したいと思っています。