いつも「バド×チェック」をお読み頂きましてありがとうございます!
近藤です。
今回は、前回紹介したメディカルチェック「指椎間距離」が「バドミントンパフォーマンス」とどう関わっていくのかをご紹介します。
結論から言います。
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「指椎間距離」の値が悪いと
①オーバーヘッドストローク時に、身体が過剰に傾いたり、ヒッティングポイントが前にならなかったり、テイクバックで肘が下がったり、なんらかの望ましくない動きが出やすくなる
②コントロールが悪くなってしまう。
③ショット力の低下や肩の疲労を起こしやすくなる。
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どこまで細かく説明するかは、いつも悩むところです。
ストレッチやトレーニングに対する、予備知識やその背景にある理論をしっかりと理解しているに越したことはありませんが、「難しい」とか「正しくやらないとやっても意味ないのではないか?」と敬遠されてしまうのも私の思いとは外れてしまいます。
ご理解頂きたいのは
「障害予防」と「パフォーマンスアップ」は別々の事柄ではない
ということです。
まずは障害予防として「指椎間距離」を紹介しましたが、今回「バドミントンパフォーマンス」と関連付けているのは、「障害予防だと思うとモチベーションが上がらないけど、バドミントンがうまくなるならやってみよう」と考えて頂ける方のほうが多いのではないかと思ったからです。
「バドミントンを上手くなるためにやっていたものが、障害予防にも役立つものだった」というのが一番理想的ですよね。
これから、結論における「なぜ?そうなるのか」の部分を説明していきますが、
理解して頂くために、専門的な説明は最小限にしつつ、「指椎間距離」の値はバドミントンを上手くなるためにも重要なんだなー、ちょっとやってみようかなーと思ってもらえれば最高です(笑)
さて、やっと本題です。
まずは結論のところでお伝えした事柄の①からご説明します。
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「オーバーヘッドストローク時に、身体が過剰に傾いたり、ヒッティングポイントが前にならなかったり、テイクバックで肘が下がったり、なんらかの望ましくない動きが出やすくなる」
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なぜでしょうか?
「肩」は、一言で「肩」といっても色々な関節の動きが相互に協調しながら、肩の動きを作り出しています。その全ての動きを説明しても「難しくなる」だけですので、今回は「内旋」「外旋」という動きと、その動きが悪くなるとバドミントンの動きとしてどうなってしまうのか、だけ説明いたします。
・肩の外旋とは、日常生活ではあまりありませんが、肘を肩の横へ持ってきたときには、背中側へ肩関節を回す動きとなります。
・肩の内旋とは、内側に捻るような動きです。外旋とは逆の動きとなります。
バドミントンのオーバヘッドストロークで置き換えると「外旋」は振りかぶって、「さあ、打つぞ!」っていう時。
オーバヘッドストロークの「内旋」は、「インパクトの瞬間からフォロースルー」の時です。
では、この「内旋」や「外旋」の動きが悪いと、バドミントンではどのようなことが起こるかを見てみましょう。
左は問題のない外旋。右は外旋の動きが悪いために、肩があがり肘が下がってしまっています。腕を小さくたたむような感じになることが多いです。
わかりやすくラケットを持たずに見てみます。
【正常な外旋】の下の写真左では、外旋ができないため身体を仰け反らせています。
右の写真では、腕を小さくたたんで身体を傾けています。
次は「内旋」を見てみましょう。
左は問題のない内旋。右は内旋の動きが悪いために、肩があがり身体が傾いてしまっています。
わかりやすくラケットを持たずに見てみます。
左は正常な内旋ですが、右は内旋ができないため、肩を持ち上げたり、身体を傾けています。
この内旋という動きはレシーブの体勢にも影響がでやすいです。
左の写真は正常に内旋ができるので目線や状態が安定しています。
右の写真は内旋ができないので、身体を傾けています。目線を安定させるのも大変です。
つまり、代償運動と言いますが
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「肩の外旋・内旋の動きが悪いと、他の部分で補おうとする動きがでてしまう」
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その他の動きで補おうとする動きが、肘を下げることであったり、身体を過剰に傾けることだったりするわけです。
ちょっと長くなってしまいましたが、オーバーヘッドストロークが上手く習得できないジュニアの選手などは、「センスがない」でかたずけるのではなく、「指椎間距離」を測ってみるのも一つの手ではないでしょうか?
もちろん、「指椎間距離」の値が良くなれば、すべてが良くなるというわけではありません。テスト、ストレッチ、トレーニング、技術練習に一貫性を持たせてメニューを組み立てることが大切です。
次回は、残りの二つについて説明いたします。
実際にどんなストレッチやトレーニングを一貫して行うかは、その後にちゃんとご提案させて頂きますね。