こんにちは、西島です。
今回は予定を変更して、「大学教員からみたバドミントン」ということで話をさせて下さい。
これまで「運動が脳機能を高める」というテーマで、歴史的にも重要な、また私個人が面白いと思った研究成果をいろいろと紹介してきました。そして先週の投稿では最後に、「次回からは、身体不活動という新たな視点から、最近の研究成果を紹介してきます」と書いたのですが、勢い余って空回りしてしまいそうだったので、ここで一服させてください(笑)。
私は大学教員ですので、研究をしっかり進めていくことが重要な仕事のひとつですが、もうひとつ大切な仕事として体育の授業もあります。主にバドミントンを担当することが多いのですが、授業をやればやるほど、バドミントンの魅力って凄いなと感じています。
本題に進む前に、大学における体育について少し補足しておきます。かつては、大学においても体育科目は必修とされていました。しかし1991年に大学設置基準が緩和(大綱化)されてからは、体育科目を必修とするかどうかを各大学で自由に決められるようになりました。残念ながら、最近では体育科目を必修としない大学が増えてきており、私の勤める首都大学東京でも必修ではありません。
大学教育において、体育の授業は必要か? 必要だとするならば、体育の授業はなぜ必要なのか? 高校までの体育と何が違うのか? 大学としてふさわしい体育の授業はどうあるべきか? などなど、考えることはいろいろ多いのですが、今回はもっとシンプルにいきましょう。
「大学体育で、バドミントンは大人気!!」
嘘だと思われるかもしれませんが、本当です。一番人気と言いたいくらいなのですが、(ちょっと控えめに)大人気であることは間違いありません。いろいろな大学の先生に聞いても、皆さんこうおっしゃいます。ちなみに私の経験では、非常勤講師としてお世話になっているT大学で、定員40名のところに200名以上の希望者が来たことがありました。誤解の無いように言っておくと、学生達は私を目当てに希望してきた訳ではありません。担当教員が誰であっても、同時限に開講される別の種目は定員に達していないのにバドミントンでは抽選、ということがよくあります。
なぜバドミントンは大人気なのか不思議に思い、ある年の授業で、学生に「バドミントンの魅力」をレポートに書いてもらいました。すると、
- 気軽にできる。
- 場所を選ばず、お金もかけずに遊ぶことができる。
- コートが狭いから、軽い運動にはちょうど良い。
と書いてきた学生がいました。
「いやいや、そんなことはない。それはバドミントンを知らない人の意見だ。お金はかかるし、屋外ではできないし、ハードだし、そんなに簡単にできるスポーツではない。」
と、おそらくここを訪れるバドミントン経験者は思うのではないでしょうか。私も最初、そう思いました。むしろ、私の授業で一体なにを勉強したのだろうか、とも(笑)。
けれども、よくよく考えると、学生達が「気軽にできる」と思っていること、そう思わせられることこそが、バドミントンのおおきな魅力のひとつと言えるかもしれません。これは、経験者になると忘れてしまうことかもしれませんね。学生達(未経験者)にとっては、バドミントンと羽打ち遊びの違いは授業を選択する際にそれほど問題ではないようです。
一方で、多くの学生は以下の様な感想を書いてきました。これらは、みなさんにとって当たり前のバドミントンの魅力だと思います。凄いことは、たった半期(15回)の授業で、学生達がこのバドミントンの魅力を体感できることではないでしょうか。
- シャトルの形が独特。
- 緩急がある。
- シャトルが減速するためラリーを続けやすい。
- サービスエースをとることが難しい。
- 初心者が力いっぱい打っても、アウトにならない。
- 全力でスマッシュを打つ爽快感。
- 多彩なショット。テクニックも重要。
- 攻守が頻繁に入れ替わる。
- シャトル、ラケットが軽い。
- フィジカルコンタクトがない。
- 筋力による男女差が出にくく、男女で一緒に楽しめる。
- 女性でも、男性を負かすことができる。
- 頭を使う。相手との駆け引きがあり、奥が深い。
- 安全。シャトルが当たっても、ボールほどひどくならない。
- 知り合いが増えた。
授業を終えると、「これからバドミントンを始めたい!」という学生は、結構います。体育の授業をきっかけにスポーツを始める学生を増やすことは、大学体育が果たすべき役割のひとつですので、授業を通じてバドミントン愛好者をもっと増やせたらと思っています。
もしかしたら、大学の授業がきっかけでバドミントンを始めた人が、みなさんの所属するバドミントンクラブに顔を出すかもしれません。その時は是非、温かく迎え入れてあげてください!!
西島 壮
※写真は本文の内容と全く関係ありません。コートに乱入してきた息子です。よい写真がなにも無く、寂しかったので・・・(笑)