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フットワークが非常に速い選手と対戦した!どう戦えばいいの?(足止め基礎戦術)
- 2020/5/25
- バド♪Remaking, 日替バド定食
こんにちは。バドミントンプロコーチの樋口です。
シングルスで、相手の動きがとても速くて、翻弄されてしまった経験がありませんか?
今回は、シングルスで、フットワークが速い相手と対戦した際の対処戦術の一つ(足止め戦術)を考察してみます。
最後までお付き合いのほど、宜しくお願い致します。
(ステージ1)
【フットワークが速い選手の特徴の一つ】前方向に移動するのが速い
ヨーロッパなどの戦場戦術において、馬に乗った騎兵は、歩兵よりも移動が速いため(機動力に勝る)、横並びの兵のサイドを突破して、相手の後方に回って、挟み撃ちにしたり、本部を奇襲したりして、相手を混乱に陥れる戦術に用いられたといいます。
快速である、強みの一つは、相手をかく乱できるということになります。
人間は基本的な構造上、後ろ方向に、迅速に動くように設計されていません。
というように仮説を立てると、フットワークの速い選手というのは、基本的に前方向に移動するのが速いと考えられます。
(ステージ2)
【動きが速い選手の武器】相手の対応時間を奪うことで、相手を無力化する
前方向に速いことを戦術的に有利に運用できるのは、攻撃の時、つまりはスピードを上げることで、相手の対応時間を大幅に削り、相手をかく乱できる(攪乱戦術)ということになります。(例えば、スマッシュ&ネットなど)
かく乱された相手は、不足気味の対応時間の中で、断続攻撃をかわすので精一杯になる分、自らの本領(長所)を発揮しにくくなります。
時間を物理的に制御できる(特に増やせる)人間はいないため、時間を削られた選手は、自分の時間を節約して、相対的に対応時間を増やすしか方法がなくなります。
時間制御の観点から考察すると、攻撃は最大の防御なのです。
(ステージ3)
【対策1】同じ場所(特に後ろ)に2回連続で打ち(リピートショット)、相手の全力前進を阻止する
上記のように、前方向への突進が速いとすると、一旦その足を止めるために、同じ個所に2回打つことが有効になります。
例えば、低く高速なドリブンクリアーで、こちらを後ろに煽って、前に逃げた(繋いだ)ところを、前進の速さで、インパクト(タッチ)が速いヘアピンや、アタックロブなどのコンビネーションで、時間を奪って追い込んできます。
ですので、同じ個所(特に後ろ)に2回打つことで、前進の途中で、停止、方向転換し、後ろ方向に戻る動作を行わせることができます。
得意の前進動作を封じ、人間が構造的に最も動きにくい後ろ方向に動かすことで、相手の戦力を減少させることができます。
その後、コートで最長距離であるクロス方向などを狙えば、より効果的になります。
【対策2】相手の疲労が蓄積してくる後半には、フェイント動作も有効
試合後半になって、やや相手に疲労などが見られる際は、ネット前などでフェイントをかけて、一旦足を止めさせるのも有効です。
フェイント動作は、ラケット面を見せておいて、インパクトのタイミングを変える、フォロースイングの方向を変えるなど、多様にありますが、いずれにしろ、相手は打つ瞬間に停止して、打球方向などを見極める必要がある分、足を止めるには効果的と考えます。
但し、序盤などでフェイントに頼りすぎると、打点を下げたりして、タイミングを遅らせるなどする際に、相手に時間を与えてしまう分、快足で逆襲を受けるリスクもあります。
相手の様子を見て、適宜使ったり、疲労等で、相手の足や判断力が鈍った際に使うのが、より効率的かと考えます。
【対策3】動き出し時、移動時 打球時、方向転換時等、あらゆる状況での各動作を最適化し、時間の節約を図り、相手に時間を奪われないようにする
フットワーク技術、打球技術は各種多様な流派があります。
その中で、時間が最短で済む技術を各状況で選択し、スピードでこちらの時間を奪ってくる相手に対して、対応時間を減少させられなれないように、最大の努力をするようにします。
例えば、
●リアクションステップも両足ジャンプを高くしたりせず、開脚や膝カックンのようにお尻を下げるだけにする(膝抜き)
●打球時に両脚を交差(シザーズジャンプ)しない(サイドオンジャンプ)
●着地と同時にインパクトして、やや戻りながら打つ
●逆にチャンスは跳びついて打つ
●距離が長い場合はランニング(クロスステップ)、短い場合は細かいサイドステップ
●上打ちテイクバックをピンチ時は、打球タイミング優先で上にとる、様子見繋ぎの際は、動きやすさ(フットワーク)優先で、やや下にとる
等々、各シーンにおいて、極力、時間を最短化すべく、動作の最適化(技術の選択)をおこなう
【その他対策】
◉ショートドライブやレシーブを中間球など、ダブルス的な配球をおこない(低空戦)、相手の移動距離を短く(制限)して、得意の高速移動(機動力)をさせないようにする。
◉普段から、相手スマッシュやカットなど、攻撃を受けてから2ー3球目の連続攻撃を想定して、高速ディフェンスフットワークの練習をしておく。
もって、相手が一気にスピードを上げて、決めに来る場面を、なるだけ持ちこたえ、回避できる鍛錬をしておく。
等々、お試しください。
今回も最後まで、お読みいただきありがとうございました。
次回は、「グリップエンドから手の一部がはみ出すくらいの握り方、これはどうなの?」です。
※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点ご理解の上でお読み、お試しくださればありがたいです。
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