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ムチ打ち動作を入れた上打ちのテイクバックで、のけ反り癖などを修正する
- 2020/3/9
- バド♪Remaking, 日替バド定食
こんにちは。
バドミントンプロコーチの樋口です。
後ろに煽られた時などに、上半身がのけ反ってしまったり、間に合わなくて、甘い球が行ってしまうなどの経験がありませんか?
今回は、そんな症状について、テイクバックの効率化の視点から考察してみます。
最後までお付き合いのほど、宜しくお願い致します。
(ステージ1)
【原因】煽られたりした場合の、テイクバック時間不足や、スイングパワー不足を、ラケットを下から大きく回したり、上半身や右肩を大きく後方や下方に動かして賄おうとしているため。
ディフェンス的な状況で、後方に煽られた際は、低い球を用いられたり、フェイントなどでタイミングを外されたりすることが多い分、テイクバックやフォワードスイング(テイクバック~インパクト)に必要な時間が大きく減ってしまいがちです。
時間が不足しているなかで、慌ててやってしまいがちな動作が、
①ラケットを下から大きく回すような、大きなテイクバックやスイング
②上半身や右肩を後方や下方に大きく傾けたりして、パワーを作り出して、力で何とか打球を飛ばそうとする
ことなどがあります。
しかしながら、それらの大きな動作がさらに時間を消費してしまう分、時間不足がさらに進み、また、後ろに大きくのけ反った動作で、目が動いたり、姿勢バランスの崩れで、打ち損ねやチャンスボールを上げてしまう現象が発生しがちと考えます。
(ステージ2)
【対策】猫手を使った、腕とラケットの「むち打ち動作(反動動作)」で、時間を節約しながら、打球パワーも出力する
1)パワー面について
バドミントンにおいては、猫手(招き猫のような手(掌屈))の形は、NG技術としてよく知られています。
なぜかと言うと、腕の捻り(旋回)を使うことの多いバドにおいて、上記の手首の形は力が発揮しにくいためです。
但し、フォアハンドストロークのテイクバック時に、ムチ打ち動作を使う場合は、腕の捻りを使う動作の前に使ってしまう関係上、使用が可能になります。
ラケット面を手首より前かつ下に倒したまま、手首を上げていき、ラケット面を背中に落とす際に、手首を反らします(背屈)。
その際に、右肘を、正面を向いたときの鼻の真横付近まで、前に出すことにより、手首が支点になりテコの原理が働きます。
手首~ラケット面先端の長さは、支点を挟んだ、肘~手首(前腕)の長さより長い分、テコの原理で、後ろ方向に動く速度が急加速されます。
その急加速によって得られたエネルギーが、ラケット面が前方に移動する(フォワードスイング)際、右腕を左に捻る動作(前腕(手首~肘)回内と上腕(肘~肩)内旋)に引き継がれて、打球動作のパワーアップに貢献します。
2)時間の節約について
フォームも、ラケット面やシャフトを相手のインパクトと同時に、すぐに上記のムチ打ち動作を開始し、シャフト部分を頭上に上げ、構えたまま移動するようにすれば、ラケットを肩より下に大きく回すよりも、かなりの時間節約になります。
また、上半身や右肩も後ろや下に下げない分、身体バランスの崩れによる動きの阻害要素も少なくて済みますし、上体を立て直す時間も節約でできると考えます。
加えて、シャフトを頭上に上げる際に、ラケットを持つ右手を、右耳の上の髪の毛を掻き上げるように上げると、右手が身体から離れない分、最短距離で頭上に上げられることと、テイクバック時の身体の右旋回動作が速くなる(角運動量保存の法則)効果が期待できます。
これが所謂、むち打ち動作の原理です。これは、釣り竿で餌や疑似餌(ルアー)を遠くに投げるときや、指揮者が指揮棒を滑らかに振るときの動作にも、同様の原理が使われています。
【注意事項】
この技術は、初心者のかたや、まだ打ち合いが充分に続かないかたには、あまり向いておりません。
この技術は、テイクバックを効率化するチューンアップ的性質のものだからです。
優先順位的には、回内動作や身体の左旋回等、上打ちの基礎動作を学んで戴き、ラリーが続く状態になってから、取り入れたほうが効率的な上達が期待できると考えます。
今回も最後まで、お読みいただきありがとうございました。
次回は、「バック奥への球が仰け反ってしまって困る。どうすればよい?」です。
※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点ご理解の上でお読み、お試しくださればありがたいです。
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