シングルスで上手く動き出せなかったり、のけ反ってしまったりして上手く動けない!どうして?

こんにちは。
バドミントンプロコーチの樋口です。

シングルスでホームポジションに戻ってきて、相手の次の球で、ガクンと姿勢を崩してしまったり、バック奥で海老のように仰け反らさせられた経験がありませんか?

今回は、そんなだれでもよく経験している現象について、足の置き位置の視点から考察してみます。
最後までお付き合いのほど、宜しくお願い致します。

 

(ステージ1)
【原因】ホームポジションで動き出したい方向に足がない

バランス1  バランス2バランス3  バランス4バランス5

シングルスでフットワークをする際、コート中央付近で、方向転換→動き出しという作業が入ります。

しかしながら、動き出したい方向に片足がないと、身体が充分に支えられない分、動いている間に姿勢が崩れて、打つ局面に入ったときに上手くスイングができないことが多くなりがちです。

特に体幹(胴体)の筋力が弱い小中学生は、バック奥などで、海老反りのように仰け反ってしまう一因になります。

人間の脚は、2本しかありませんが、動くべきコートの方向は6ヶ所(4隅と左右2ヶ所)あります。
6ー2=4ヶ所は、足がない方向になりますので、足を向けてから動き出す必要が出てきます。

 

(ステージ2)
【対策】足のない方向には、足を踏み換えて、片足を向けてから動き出す

足入換え1  足入換え2 足入換え3  足入換え4 足入換え5  足入換え6 足入換え7  足入換え8

方向転換をセンターでする際に、基礎の最初の段階として、両足の踏み換えを指導しております。

例えば、フォア奥でつなぎ球を打った後、フォア前でネット球を取るときなど、フォア奥から戻った時は左足左前&右足右後ろであったら、右足右前&左足左後に踏み換えてから移動させます。

人間の足は2本ですので、コートの4隅と左右2ヶ所の6か所の内、少なくとも2カ所には、足を向けることができます。

足の向いている方向は動きやすいので、2カ所はカバーしやすいという訳です。

6カ所の内、左右2カ所は、スマッシュで攻撃されるケースとストロークが限定されている分、よみやすいので、問題は残りの4隅ということになります。

すると2つの足で、2カ所をカバーすると、足の向いていない残りの2カ所が、カバーが遅れます。

ですので、足の方向を踏み換えて変えることで、足の向いていなかった方向に足を向けてから動き出します。
最初は単純に数ミリ両足を上げて、骨盤を旋回させます。

基礎の内は、チャイナステップのように、パッと両足を同時に切り替え(左右骨盤を動かす)、慣れてきたら進行方向とは逆方向の足から、タタン!のリズムで踏めるようにしていきます。

また、重心(お尻や鳩尾付近)を進行方向にずらしたり、左肩の旋回、足指上の重心移動などをキッカケとして、より効率的な踏み換えにカスタマイズしていきます。

 

(ステージ3)
【疑問】足を踏み換えていると、時間ロスが発生して、打点が低くなったり、フットワークが遅れるのではないか?

足の方向を変換していると、変換に要する時間で、特に攻めれている際などは、打点が遅れがちです。
しかし、シングルスの場合は、前衛がいるわけではありませんので、打点を下げても空きスペースに繋げば、そう簡単には叩かれません。

極端な話、床上1センチ上でも、ラリーを繋げることができると考えます。

むしろ慌てて足もないのに動き出すと、動き出しは、重力で倒れる勢いで速いですが、移動先で、姿勢が崩れて、打球動作や戻りの動きに支障が出てしまいがちです。

バドミントンは、シャトルを打つ競技ですので、打ててナンボの世界です。
速く動くことを競うスポーツではないので、速く動けても、打球姿勢に悪影響が出たら、元も子もないと考えます。

今回も最後まで、お読みいただきありがとうございました。

次回は、「ムチ打ち動作を入れた上打ちのテイクバックで、のけ反り癖などを修正する」です。

※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点ご理解の上でお読み、お試しくださればありがたいです。

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バド技術コラム「バド♪Remaking」の内容を実際に講習会でおこなっています。
ご興味のあるかたは、下記のリンクをご参照ください!

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樋口 孝雄バドミントン技術研究・指導者(フリーランス)

投稿者プロフィール

バドミントン技術研究・指導者(フリーランス)
1966年2月4日生
東京都国分寺市在住
実践学園高等学校 女子バドミントン部ヘッドコーチ
平成29年度全国中学生大会神奈川代表コーチ

競技歴:1982~2001年
指導歴:2002年~

私のバドミントン生活は高校から始まりました。運動系全般が苦手な私でしたが、何かスポーツをやりたくてバドミントン部を選びました。
当時、技術指導者はいませんでしたので、仲間よりワンテンポ遅れてしまう自分が、どうしたら理論的に技術が身につくかを、常に考えるようになっていました。この頃の背景がベースになり、今の私の技術指導スタイルが確立されたといえます。

元来、教えることが好きなこともあり、十数年前に小学生の指導を始めました。時間が許す限り、バドミントンのみならず、他競技のDVDや書籍etc.情報を集めては分析・検証し、よりシンプルでわかりやすいスキルアップ方法とは何か、知識と経験を積み上げてきました。現在は、技術指導者のいない中学生を中心に、学齢前から成人までのサポート活動をしております。

同じ指導でも、すぐ体現できる人もいれば、時間のかかる人もいます。指導する側にも、個性を生かした工夫が求められていると、身につくまでの道のりが遠かった私自身の体験から、感じています。

これまでの蓄積と、今後のさらなる追求を少しでも共有でき、特にお悩みを抱えている方々の微力ながら、お役に立つことができれば幸いです。
よろしくお願いいたします。

競技歴詳細:

東京都立小平西高→法政大学バドミントン同好会72

主催指導活動:

「癖動作矯正指導法」研究及びレッスン
→(http://minton.blog.jp/archives/306166.html)
西国分寺バドレッスン for 中高生 代表者
→ (https://minton.jp/Group/detail/158)
バドミントンNPO団体 東村山フリューゲルス代表者

外部指導活動(東京都内):

実践学園高等学校 女子バドミントン部ヘッドコーチ
平成29年度全国中学生大会神奈川代表コーチ
堀越高等学校 男子バドミントン部
練馬区立中村中学校
東久留米市立中央中学校
他中高計8校、一般3団体

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