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グリップエンドから手の一部がはみ出すくらいの握り方、これはどうなの?
- 2020/6/8
- バド♪Remaking, 日替バド定食
こんにちは。
バドミントンプロコーチの樋口です。
講習などを行なっておりますと、ラケット面先端を器用に多方向に、くるくるとコントロールしたり、急激に加速させたりされるプレーヤーを見かけます。
グリップを見てみると、グリップエンドギリギリ、やや手の小指下の肉が下にはみ出すくらいで握っているケースが多いです。
今回はこのグリップの長所と短所について、考察してみたいと考えます。
最後までお付き合いのほど、宜しくお願い致します。
(ステージ1)
【メリット】
攻撃の際に、手首関節の可動範囲が広いため、ラケット面の加速や多方向への打球、急激なカットショットが可能になる。攻撃に速さと意外性が加わる
グリップエンドから少しはみ出すくらいの握り位置に加えて、各指間もくっ付けて、グリップエンド方向に詰めていて、さらに、小指と薬指で支えるようにすると、スイング時の支点が、小指と親指を上に向けた時の手のひら下部付近になります。
こうすると、支点が手の最下部であることと、人差し指と親指付近の手の上部が緩んでいる分、手首関節が小指方向にも自由に動きます(尺屈)。
要は、クルクルと手首関節を使って、ラケット面で円を描くような自由な動き(可動域の拡大)が可能になります。
その可動域の大きさを生かして、ラケット面の重さを利用しながら、ムチを打つときのように、ラケット面先端を加速させて打球にスピードを加えます。
同時に身体のフォア外に跳びつき、胴体の旋回などを使えない状況でも、手首関節の可動域の大きさを利用して、姿勢からは想定外のクロスやボディーなど意外なコースや、スピードショット、急激な回転をかけた攻撃的なカットなどを放って来たりします。
(ステージ2)
【デメリット】
煽られたり、攻撃を受けたときなど、ディフェンス時の返球が安定しない
手首関節の可動域が広いということは、デメリットとしては、ラケット面の安定感が乏しいということにもなります。
手首関節周りには、そもそも大きな筋肉はなく、指に繋がる腱(ここでは固い筋肉の紐のようなもの)が前腕(手首〜肘)に通っていて、肘関節の手前の前腕部分が膨らんでいて、指を動かす筋肉がついていると構造です。
そこに、小指支点で、小指の腱だけに多く、ラケットの重さを支える負担がかかっていますので、ラケット面をスイングしてもブレないように安定させることが難しくなっています。
攻撃で自分に時間的余裕がある際は、スイング時に外側に働く遠心力などを上手く利用しながら、ラケットコントロールができると考えます。
しかし、相手から攻撃を受けて、時間的にも追い込まれていたりすると、絶対的に返球の時間が不足します。
時間が不足すれば、身体やラケットコントロールする充分な時間も取れないため、ラケット面が不安定な場合は、返球も不安定になってしまいます。
よって、ネットミスをしたり、当たり損なったりのミスショットが増えるリスクが高くなります。
(ステージ3)
【対策】ディフェンスの際は、現状よりややグリップの上を握る
メリットを活かしながら、デメリットを少なくしていく方法をとるのが効率的と考えます。
具体的には、ディフェンスの際は、グリップエンドの膨らみの上に、手のひら下部(小指側)を載せるようにして、手がグリップエンドからはみ出さないようにします。
こうすることで、グリップを周囲から接触する手や指の面積が増えるため、グリップ、ひいてはラケット面の安定性が生まれます。
また支点の位置がグリップのやや上部に来る分、突き出たグリップエンド膨らみ部分が、手前(手首方向)に動くようになるため、ラケット面が手首関節で、小指方向に動く動作(尺屈)が制限されます。
これらによりディフェンス時の返球の安定性が担保されます。
【グリップチェンジの方法】
上記のような、ややグリップの上部に握り換える際は、ラケットを立て気味にして、小指と薬指をやや緩めれば、重力でスッとグリップが下がるので、それを利用します。
逆にグリップエンドを手のひら内に戻すには、ラケット面先端を上に勢いよく立てるときに、指を緩めれば可能になります。
お試しください。
今回も最後まで、お読みいただきありがとうございました。
次回は、「フォア奥の球がスイングしずらい。なぜ?(フットワーク編)」です。
※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点ご理解の上でお読み、お試しくださればありがたいです。
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