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ダブルスで、相手にネット前で叩かれて終わることが多い。どうして?
- 2019/9/30
- バド♪Remaking, 日替バド定食
こんにちは。
バドミントンプロコーチの樋口です。
ダブルスで相手からの攻撃で、ネット前に詰められてプッシュやスマッシュで決められるパターンを繰り返されて、どうしたらよいか頭が真っ白になった経験がありませんか?
相手はチャンスボールが甘く浮いた球以外にあるということが、経験上わかっていて、それを狙って来ているのです。
今回は、ダブルスにおけるもう1つのチャンスボールと、それを狙った相手戦術への対策を考えてみます。
最後までお付き合いのほど、宜しくお願い致します。
(ステージ1)
【ネット前に詰められる原因】
①相手が「遅い球はチャンスボール」ということを知っている
②相手がこちらに、ネット前への遅い逃げの球(チャンスボール)を打つような配球をしていて、それを狙い打ちしているため。
相手は、遅い球がチャンスボールだということがわかっています(知識として、または感覚的に)。
特にネット前に逃げてくる遅い球は、滞空時間が長い分、その時間を利用して前に移動して、相手コートに最も近いところで触れます。
それは決定打になるということを知っていて、そこを執拗に叩いてきています。
遅い球を打たせるために、スマッシュレシーブやサービスレシーブ、ロブなどを低く奥まで速い球で押し込んできます。
差し込まれたり、煽られたこちらが、その球をネット前に「遅い球」(チャンスボール)で繋いでくるのを待って、狙っているのです。
遅い球は、相手に時間を与えてしまうので、その時間を利用して、ラケット面をなるだけ白帯近くまで出してきて、こちらの時間を奪いつつ、浮いた遅い球なら、プッシュで決めてしまう。
浮かなかったり、ちょっとコースが予想よりズレたら、また低く速いロブでクロスに後衛を振って、下で触らせ、ストレートの遅い球を待ちます。狙い通りに来たら、今度はプッシュで決めに行きます。
こんな応用戦術を駆使しているため、この戦術を知らない相手は、なんで負けているのか、なぜネット前に詰められて何度も叩かれるのか?がわからないと考えます。
(ステージ2)
【対策】
①煽られた球は、早目の球で繋ぐ(遅い球で繋がない)
②ピンチの時は、意表をついたコースに早めの球で返球する練習をする
(例:相手のサービスプッシュやクロスへのカウンターショットなどに対して)
③相手スマッシュは、スライスレシーブなどで相手コートサイドの縦の中間に沈める
④相手からのドライブレシーブは、ドライブで強く押し返すようにして、相手の前進する足を止める
【解説】
①煽られた球は、早目の球で繋ぐ(遅い球で繋がない)
相手は遅い球を狙っているので、速い球で繋いだり、ドライブ系(サイドドライブ、ドライブスマッシュ、低くて速いロブなど)で返球します。
速めの球は、相手の前衛がネット前に飛び込んできたり、横に動いて触る時間を奪ってしまうために、前衛のキメのプッシュやクロスに振る速いロブを抑止できる効果があります。
加えて、速い球は球足が長いので、相手前衛はネットからやや離れたところで打つしかできない分、こちらを時間的に削ったり、左右に振ったりしずらくなる効果が期待できます。
そして、強めの打球は、相手にとって、踏ん張らないと返球出来ないぶん、相手の動きを止めたり、打球がラケット面にめり込む分、ストレートにしか返球させない効果もあります。
前衛がやっと触る程度になれば、甘く遅い返球がストレートにくるので、今度はこちらがその遅いチャンスボールを、プッシュで叩いたり、クロスに振って、次の相手の遅い繋ぎ球を狙います。
②ピンチの時は、意表をついたコースに早めの球で返球する練習をする
(例:相手のサービスプッシュやクロスへのカウンターショットなどに対して)
普段の練習時に、ピンチのときは思い切って意表をつくコースに返球する練習をしておきます。
サービスプッシュやスマッシュへのクロスカウンターなどで、サイド奥などに振られたら、相手は遅いストレートのネット前への繋ぎ球を待っているはず(レシーバーからの最短距離)ですので、その意表を突いて、クロス前にやや早目の球で返球します。
相手の足が遅かったり、相手後衛のカバーリングができないとエースになったりします。
とってきても、低い打点からの浅いストレートロブ(チャンスボール)が多くなる分、スマッシュで決めてしまえばいいわけです(攻守交代)。
③相手スマッシュは、スライスレシーブなどで相手コートサイドの縦の中間に沈める
相手前衛は遅いストレートのショートリターンを待っているので(と言って、何球も上げているとスマッシュの餌食になるので)、スライスレシーブで前衛と後衛の間(サイドの)に沈めるようにします。
前衛は自分より後ろなので、対応できませんし、後衛は足元に沈む分、上げてくれるか、ネット前に遅い繋ぎ球(チャンスボール)を打ってきます。
遅い繋ぎ球が浮いていない場合は、速いタッチ(打点を極力ネット近くにする)で相手の対応時間を削った上で、低いアタックロブで相手後衛を左右に振り、さらに対応時間を削ります。
すると相手は移動時間の不足から低い打点で触ることになり、さらにネット前への遅い球(チャンスボール)を打たせることができます。それをこちらが狙いにいきます。
参考:沈めるスライスレシーブ
④相手からのドライブレシーブは、ドライブで強く押し返すようにして、相手の前進する足を止める
こちらがスマッシュを打ったあとで、相手がドライブレシーブのような速く低い球で、前衛横を抜いてきた場合、相手はこちらがネット前に遅い球(チャンスボール)で繋いでくるのを狙って、前に詰めてきがちです。
そこで、相手の意表を突いて、速いドライブ球で押し返すようにします。
そうすると、相手は速く強い球なので、足をやや踏ん張らないと押し返すことができなくなります。
つまりは踏ん張る分、その瞬間、相手の足が止まることになり、前方向への移動を阻止することが期待できます。
その後数ラリードライブ球の打ち合いが続いて、逆に相手が前に遅い球で逃げてきたり、ロブを上げてきたら、どちらもチャンスボールなので、攻撃を加えれば攻守交代になります。
上記4例とも、相手が使ってきた戦術手法ですので、逆にそれらを自分が使って、相手を追い込んで行けばいいのです。
それくらい、戦術というのは、試合結果において重要ということになります。
お試しください。
今回も最後まで、お読みいただきありがとうございました。
次回は、「グリップエンドから手の一部がはみ出すくらいの握り方、これはどうなの?」です。
※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点ご理解の上でお読み、お試しくださればありがたいです。
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