- Home
- ハイバックが実際になると上手く打てなくなる!なぜ?(顔の向き&姿勢編)
ハイバックが実際になると上手く打てなくなる!なぜ?(顔の向き&姿勢編)
- 2019/9/16
- バド♪Remaking, 日替バド定食
こんにちは。
バドミントンプロコーチの樋口です。
ハイバックで、素振りや手投げなどではできるようになってきても、いざノックやパターン練習、試合などでフォームが崩れてしまうという経験がありませんか?
今回は、ハイバックを実戦で行う時に陥りがちな誤動作について迫り、ストロークのクオリティーを上げて参ります。
最後までお付き合いの程、宜しくお願い致します。
(ステージ1)
【誤動作の症状】相手に背中を向ける姿勢(後向き)で打つところ、左横向きで打ってしまう
ハイバックのメインエネルギーは、筋力ではなく、腕が急停止する際に、リストスタンドで立っているラケットは前に倒れる動作で打つという「慣性の法則」と考えます。
具体的なスイング動作としては、右肘を開く動作がメインになります。
その中で、バックハンドは手の甲と打つ面の向きがほぼ一致していますので、右肘を伸ばした状態で手の甲を前に向けようとすると、丁度、打点から頭部を挟んだ180度反対側に左肩を固定する形になります。
いわゆる「相手に背中を向けた姿勢」ということになります。
写真)流用
この姿勢が崩れて、右肩が左前に出過ぎたやや左横の姿勢で打っているために、上記の慣性の法則の力が使えず打球が飛ばないという状態です。
(ステージ2)
【理由】相手に背中を向けた姿勢でないと、正面方向に慣性の法則の力が働かない理由
相手に背中を向けないで打ってしまうと(キーとなる左肩が本来の打点に対して120度位斜め後ろ)、右肩が左斜め前まで動いてしまうため、ちょうど手の甲やラケット面が正面を向く、左横で右肩や右腕、右手が急停止することができない分、慣性の法則が働かずに打球が十分に飛びません。
この慣性の法則の力は、人間の周囲に無数に存在する力学の力(例:重力、テコの原理など)ですので、これを使えないとなると、打球力のほとんどを「筋力」に頼らざるを得ません。
ですので、腰などを思い切り右に捻り、腕も大きく振り回すような、筋力打法がここで形成されます。
(ステージ3)
【背面にできない原因】背面(後向き)になると、振り向きにくく、上半身でシャトルが見えにくくなるため、左横向きで見えやすくしようとしている
じつは、これは脳の錯覚なのです。
このような動作を日常生活では行っていないため、脳が自分の憶測で「後ろを向いている=前にあるシャトルは見えない」と判断し、胴体を左横に向けて見やすくするという動作をしています。
じつのところ、脳はシャトルが前から来ることばかり気になって、シャトルの高さや後ろ方向に高速で移動しているという大事な要素を忘れているのです。
ですので、顔の向きをほとんど上げずに背面になろうとすることが多く、これだと高いシャトルは見ることができないのです。
よって、人間は約8割を視覚に頼っていますので、見えないことは、空振りが怖くて背面になることができません。
(ステージ4)
【対策】背面になるときに、顔を左斜め上に上げていく
相手からのシャトルは、高さがあり、こちらに高速で向かってきます。
加えて、打球者も最初は正面を向いているという要素を加えて、顔の向きを考察すると、ちょうど完全に背面になった時は、身体の真横、それより前は、身体が完全に後ろを向いていないため、シャトルの前→後への軌道は見ることが可能です。
あとは、高さですので上に向きながら、前から後ろへの軌道、身体の左側で打つ要素を加味すると、シャトルを見続けるための顔の動きは、左斜め上に向けていく軌道になります。(アゴを左斜め上に向けていく感じです)
こうすると、相手のシャトルがインパクトからずっと見える分、背面になることができます。
(ステージ5)
【背面は相手のインパクト音後、なるだけ早く作る】
バドミントンは打球スピードが速い分、打球に要する時間が充分に確保しにくいスポーツです。
基本的に「打つ」スポーツですので、重要なのは構える動作です。構えてしまえば、フットワークが少々遅れても、最悪、床から1cmくらいあれば返球できる可能性があります。(逆にどんなに速く動いても、構えていなければ振れません)
(参考動画)「構える」→「動く」→「打つ」の順番が動作の安定を招く
ハイバックの際の構えは、相手に背面を向ける姿勢です。
これ(構え)がなるだけ早くできれば、慣性の法則を使えない横向きでの打球が発生しにくくなる分、打ちミスが減ることが期待できます。
また背面に構えてしまえば、あとはインパクトまでの時間に余剰がでるため、その時間を使って、クロスに打ったりなどのコースコントロール、球種選択や緩急のスピードコントロールの精度が上がることも併せて期待できると考えます。
※基礎のうちは、相手のインパクト音とともに背面を作り、そのまま(構えたまま)シャトルを追うのが効果的と考えます。
打ち慣れてくると、自然にリズムやタイミングを計りながら、動きながら背面になれる傾向が強いからです。(段階的レベルアップ法)
当然、速い球で突かれたときは、素速く背面を作りながら、同時に打球動作を稼働させるなどとレベルアップしていくと考えます。
今回も最後まで、お読みいただきありがとうございました。
次回は、「 」です。
※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点ご理解の上でお読み、お試しくださればありがたいです。
*********
バド技術コラム「バド♪Remaking」の内容を実際に講習会でおこなっています。
ご興味のあるかたは、下記のリンクをご参照ください!
「だれうま講習会」(だれでもうまくなるバドミントン講習会)
フェイスブック:https://m.facebook.com/groups/314503432652620
ウェブサイト:http://badlesson.blog.jp/
*********