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正しい回内動作の軌道とは?
- 2019/7/22
- バド♪Remaking, 日替バド定食
こんにちは、
バドミントンプロコーチの樋口です。
初心者や初級者のかたなどに回内動作(団扇を仰ぐ動作)を教えたときに、なんか手首が招き猫のようになったりして、上手くいかない経験がありませんか?
じつは、ここには回内動作の軌道についての錯覚が潜んでいるのです。
もしかしたら、中級レベルのかたも気づくとスマッシュなどが今より速くなるかもしれません。
今回は、基礎技術である回内動作の軌道について見直してみます。
最後までお付き合いのほど、宜しくお願い致します。
(ステージ1)
【錯覚を起こす原因】
「打球は前に打つから、ラケット面も後ろから前に動かす」という思い込み
ごく自然な考え方なのですが、じつは回内動作というのは、ラケット面が真後ろから真正面には動いていないのです。
つまりは「思い込み」「錯覚」ということになります。
ラケット面を真後ろから真正面に動かそうとすると、手首の動きは構造上、手招きと同様の動作になります。
これは、「背屈」→「掌屈」という動作になりますが、手首関節の構造上、合わせて170度位しか動きません。
特にインパクトからフォロースイング(掌屈)できる角度(可動域)は、約90度です。
つまり、ラケット面は手首の正面くらいで止まってしまいます。
ですので、浮いた球を下方向に角度をつけて打ち下ろそうとしても、上手くできなくて、バックアウトなどという現象が発生しがちです。
また、手首を前に倒す動作(掌屈)の際に、90度で急ブレーキがかかるため、スイングのパワーが、手の甲側から肘関節を跨いでいる腱の接合部分に一気にかかり(接合部分が思い切り引っ張られる)、部分的に切れて(部分損傷)しまうことが懸念されます。
すると、野球肘やテニス肘などと呼ばれるような肘の慢性障害を生むリスクも高くなってしまいます。
(ステージ2)
【正しい軌道】
手首の外側→手首の内側(インパクト)→手首の外側と移動する
ラケット面が真後ろ→真正面というのは、ごく自然な考え方なのですが、回内動作というのはもう少し複雑な動きをします。
団扇を仰ぐ動作と基本的には同様の動作になりますので、イメージして戴くと分かりやすいです。
小指を支点とした円運動になります。ですので、団扇を扇ぐときも、団扇の先端は低い→高い→低いと移動します。
これをラケットを持って、頭部の右側に手首を持ってきて、扇ぐ動作をおこなうと、ラケット面先端は、手首の後ろは手首の外側→インパクト時に手首の内側→手首の前では、手首の外側に移動する軌道を描きます。
この回内動作は腕全体を捻る動きになるため、上腕(肘〜肩)の捻り動作も含めると、計200度近く、ラケット面がスイング旋回できることになります。
インパクト後のフォロースイング角度も130度近く捻ることができるため、高い球も打ち下ろすことができます。
加えて、スイング角度が拡がることで、ラケット面のスイング速度(加速度)も上がるため、打球スピードも上がることが期待できます。
筋肉もゴムを捻るように捻られるので、元に戻る方向に力が働き、肘の腱が強く引っ張られることもありません。
【その他】
◉回内指導の際に、イメージが湧かないプレーヤーには、「自分の顔が80cmくらい上に伸びたと想像して、そこを団扇(ラケット)で扇いでみてください」などと声かけします。
今回も最後まで、お読みいただきありがとうございました。
次回は、「「ランニング」はバドにとって有効なの、無効なの?」です。
※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点ご理解の上でお読み、お試しくださればありがたいです。
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バド技術コラム「バド♪Remaking」の内容を実際に講習会でおこなっています。
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