「ランニング」はバドにとって有効なの、無効なの?

こんにちは。
バドミントンプロコーチの樋口です。

今回は、コンディショニング的内容で、私の直接の専門ではありませんが、日頃、トレーナーのかたや、トレーニング系月刊誌などの学者のかたの学説などをもとに、身体のエネルギー生産の基礎的なシステムにも触れながら、まとめてみました。

最後までお付き合いのほど、宜しくお願い致します。

 

(ステージ1)
【結論】ランニングは、バドミントン競技のスタミナ向上、スピード向上については効率的ではない

ランニングというのは、バドの動きとはじつは異なるエネルギーシステムをメインに使っているので、あまり効率的ではないと言われています。

ランニングでは、主に筋肉細胞内のミトコンドリアという組織で、酸素やクエン酸などを媒介にしてエネルギーを取り出します(「酸化系」所謂、「有酸素運動」)。

メリットは、大量にエネルギーを生産できますが、デメリットとしては、生産に時間がかかるということです。

ですので、急発進、急停止、急加速の多いバドは、エネルギーがとりあえず至急にいるという状況が多いため、エネルギー生産の遅いランニングを増やしても、エネルギー供給が追いつかず、効率があまり良くないと言われています。

細胞 ミトコンドリア

 

(ステージ2)
【バドでメインエンジンとして機能するエネルギー生産システム】
筋肉細胞内の糖質(ブドウ糖)を分解して、エネルギーを抽出するシステム(解糖系)

グリコーゲン図

バドは筋肉細胞内の糖質を分解してエネルギーを作り出す部分が、主に試合をやり切るスタミナ等に関連しています。

メリットは、短時間でエネルギーが生産できますが、デメリットとしては、大量には一気に生産できません。

ですのでインターバルトレーニング系を週2回程度、練習の最後に入れるような感じで、エネルギー生産や貯蔵、補充能力を向上させていきます。

インターバルトレーニングには、ストップ&ダッシュや距離長めのダッシュ(体育館数回往復など)などがあります(バド用スタミナ能力向上練習)。

コートでの動きを想定したクロス2点や全面4〜6点などで、指示フットワークやノックでやるのも、競技に直結しやすく良いかと思います。

 

(ステージ3)
【バドの急発進、急加速など、急な瞬発動作を補助するエネルギー生産システム】
上記、ブドウ糖を分解するメインエンジンを、スピード面で補足強化するエネルギー系システム。瞬間的、爆発的に動く用サブエンジンです(ATP–CP系)。

これは、バドでいえば、逆を突かれたりしたときに、停止状態から瞬時にトップスピードに加速する(最大の瞬発力)ときや、瞬時の方向転換(身体のキレ)などに使われます。

筋肉細胞内のリン酸(クレアチンリン酸(CP))を材料に使ってエネルギーを瞬時に供給します。

メリットは、瞬時に爆発的なエネルギー供給ができますが、デメリットは、継続時間が約20秒程度です。

こちらは、20秒くらい全力ダッシュで30秒くらい休息(エネルギー再充填時間)を繰り返し、スピードが落ちてきたらやめます。
(スピードが落ちてくると、糖質系(スタミナ用メインエンジン)にエネルギー生産系が切り換わってしまうため、スタミナ向上練習になってしまう)(バド用スピード能力向上練習)

こちらも、コートでの動きを想定したクロス2点や全面4〜6点などで、椅子タッチフットワークやノックでやるのも、競技に直結しやすく良いかと思います。

 

(ステージ4)
【ランニングはバドにとって無駄なのか?】

上記にあげたエネルギー生産システム(酸化系、解糖系、ATP–CP(リン酸)系)は実際は全部並行して稼働しているというのが、現在の理論の主流です。

よって、ランニングは無駄ではありません。

ただバドのメインエンジンではないので、身体を運動に慣らす(負荷が低いので)、運動前に全身に血液を流し筋肉が働きやすくするというウォーミングアップの意味では、有効と言われています。

また、糖質システムを使うと発生する乳酸は、筋肉内に溜まりすぎると筋肉(速筋:瞬発力やパワー発揮に関与)のパフォーマンスに悪影響があると言われています。

その乳酸からエネルギーを取り出して除去(代謝)するのに、有酸素運動は効果があると言われているので、終了時に軽く走るのは、効果が期待できると考えます。

今回も最後まで、お読みいただきありがとうございました。

次回は、「上打ちのフォロースイングで、ラケット面を下に振り下げないようにすると、コンパクトに弾くショットになる」です。

※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点ご理解の上でお読み、お試しくださればありがたいです。

*********

バド技術コラム「バド♪Remaking」の内容を実際に講習会でおこなっています。
ご興味のあるかたは、下記のリンクをご参照ください!

「だれうま講習会」(だれでもうまくなるバドミントン講習会)
フェイスブック:https://m.facebook.com/groups/314503432652620
ウェブサイト:http://badlesson.blog.jp/

*********

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

樋口 孝雄バドミントン技術研究・指導者(フリーランス)

投稿者プロフィール

バドミントン技術研究・指導者(フリーランス)
1966年2月4日生
東京都国分寺市在住
実践学園高等学校 女子バドミントン部ヘッドコーチ
平成29年度全国中学生大会神奈川代表コーチ

競技歴:1982~2001年
指導歴:2002年~

私のバドミントン生活は高校から始まりました。運動系全般が苦手な私でしたが、何かスポーツをやりたくてバドミントン部を選びました。
当時、技術指導者はいませんでしたので、仲間よりワンテンポ遅れてしまう自分が、どうしたら理論的に技術が身につくかを、常に考えるようになっていました。この頃の背景がベースになり、今の私の技術指導スタイルが確立されたといえます。

元来、教えることが好きなこともあり、十数年前に小学生の指導を始めました。時間が許す限り、バドミントンのみならず、他競技のDVDや書籍etc.情報を集めては分析・検証し、よりシンプルでわかりやすいスキルアップ方法とは何か、知識と経験を積み上げてきました。現在は、技術指導者のいない中学生を中心に、学齢前から成人までのサポート活動をしております。

同じ指導でも、すぐ体現できる人もいれば、時間のかかる人もいます。指導する側にも、個性を生かした工夫が求められていると、身につくまでの道のりが遠かった私自身の体験から、感じています。

これまでの蓄積と、今後のさらなる追求を少しでも共有でき、特にお悩みを抱えている方々の微力ながら、お役に立つことができれば幸いです。
よろしくお願いいたします。

競技歴詳細:

東京都立小平西高→法政大学バドミントン同好会72

主催指導活動:

「癖動作矯正指導法」研究及びレッスン
→(http://minton.blog.jp/archives/306166.html)
西国分寺バドレッスン for 中高生 代表者
→ (https://minton.jp/Group/detail/158)
バドミントンNPO団体 東村山フリューゲルス代表者

外部指導活動(東京都内):

実践学園高等学校 女子バドミントン部ヘッドコーチ
平成29年度全国中学生大会神奈川代表コーチ
堀越高等学校 男子バドミントン部
練馬区立中村中学校
東久留米市立中央中学校
他中高計8校、一般3団体

この著者の最新の記事

関連記事



空白
ビットコイン取引高日本一の仮想通貨取引所 coincheck bitcoin
空白

空白

空白
bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で
空白

広告

ページ上部へ戻る