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「ランニング」はバドにとって有効なの、無効なの?
- 2019/8/19
- バド♪Remaking, 日替バド定食
こんにちは。
バドミントンプロコーチの樋口です。
今回は、コンディショニング的内容で、私の直接の専門ではありませんが、日頃、トレーナーのかたや、トレーニング系月刊誌などの学者のかたの学説などをもとに、身体のエネルギー生産の基礎的なシステムにも触れながら、まとめてみました。
最後までお付き合いのほど、宜しくお願い致します。
(ステージ1)
【結論】ランニングは、バドミントン競技のスタミナ向上、スピード向上については効率的ではない
ランニングというのは、バドの動きとはじつは異なるエネルギーシステムをメインに使っているので、あまり効率的ではないと言われています。
ランニングでは、主に筋肉細胞内のミトコンドリアという組織で、酸素やクエン酸などを媒介にしてエネルギーを取り出します(「酸化系」所謂、「有酸素運動」)。
メリットは、大量にエネルギーを生産できますが、デメリットとしては、生産に時間がかかるということです。
ですので、急発進、急停止、急加速の多いバドは、エネルギーがとりあえず至急にいるという状況が多いため、エネルギー生産の遅いランニングを増やしても、エネルギー供給が追いつかず、効率があまり良くないと言われています。
(ステージ2)
【バドでメインエンジンとして機能するエネルギー生産システム】
筋肉細胞内の糖質(ブドウ糖)を分解して、エネルギーを抽出するシステム(解糖系)
バドは筋肉細胞内の糖質を分解してエネルギーを作り出す部分が、主に試合をやり切るスタミナ等に関連しています。
メリットは、短時間でエネルギーが生産できますが、デメリットとしては、大量には一気に生産できません。
ですのでインターバルトレーニング系を週2回程度、練習の最後に入れるような感じで、エネルギー生産や貯蔵、補充能力を向上させていきます。
インターバルトレーニングには、ストップ&ダッシュや距離長めのダッシュ(体育館数回往復など)などがあります(バド用スタミナ能力向上練習)。
コートでの動きを想定したクロス2点や全面4〜6点などで、指示フットワークやノックでやるのも、競技に直結しやすく良いかと思います。
(ステージ3)
【バドの急発進、急加速など、急な瞬発動作を補助するエネルギー生産システム】
上記、ブドウ糖を分解するメインエンジンを、スピード面で補足強化するエネルギー系システム。瞬間的、爆発的に動く用サブエンジンです(ATP–CP系)。
これは、バドでいえば、逆を突かれたりしたときに、停止状態から瞬時にトップスピードに加速する(最大の瞬発力)ときや、瞬時の方向転換(身体のキレ)などに使われます。
筋肉細胞内のリン酸(クレアチンリン酸(CP))を材料に使ってエネルギーを瞬時に供給します。
メリットは、瞬時に爆発的なエネルギー供給ができますが、デメリットは、継続時間が約20秒程度です。
こちらは、20秒くらい全力ダッシュで30秒くらい休息(エネルギー再充填時間)を繰り返し、スピードが落ちてきたらやめます。
(スピードが落ちてくると、糖質系(スタミナ用メインエンジン)にエネルギー生産系が切り換わってしまうため、スタミナ向上練習になってしまう)(バド用スピード能力向上練習)
こちらも、コートでの動きを想定したクロス2点や全面4〜6点などで、椅子タッチフットワークやノックでやるのも、競技に直結しやすく良いかと思います。
(ステージ4)
【ランニングはバドにとって無駄なのか?】
上記にあげたエネルギー生産システム(酸化系、解糖系、ATP–CP(リン酸)系)は実際は全部並行して稼働しているというのが、現在の理論の主流です。
よって、ランニングは無駄ではありません。
ただバドのメインエンジンではないので、身体を運動に慣らす(負荷が低いので)、運動前に全身に血液を流し筋肉が働きやすくするというウォーミングアップの意味では、有効と言われています。
また、糖質システムを使うと発生する乳酸は、筋肉内に溜まりすぎると筋肉(速筋:瞬発力やパワー発揮に関与)のパフォーマンスに悪影響があると言われています。
その乳酸からエネルギーを取り出して除去(代謝)するのに、有酸素運動は効果があると言われているので、終了時に軽く走るのは、効果が期待できると考えます。
今回も最後まで、お読みいただきありがとうございました。
次回は、「上打ちのフォロースイングで、ラケット面を下に振り下げないようにすると、コンパクトに弾くショットになる」です。
※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点ご理解の上でお読み、お試しくださればありがたいです。
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