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上手い選手に技術の質問をしても、納得いく答えが得られないことがある。なぜ?
- 2019/4/15
- バド♪Remaking, 日替バド定食
こんにちは。
バドミントンプロコーチの樋口です。
上級者のかたの目が覚めるような一振りに、打ち方のコツなどを聞いた際、「シュッと振って、バンと打つ!」という擬音表現(オトマトペ)や、「感覚ですかね〜」「見て真似してください」というような回答をもらって、ちょっと残念な気持ちになった経験がありませんか?
今回はこのよくありがちな現象について、情報のアウトプット(出力)の視点から考えてみます。
最後までお付き合いのほど、宜しくお願い致します。
(ステージ1)
【原因】選手は、身体の運動(パフォーマンス)という形で(媒介して)アウトプットすれば、競技的には足りるため
選手は技術指導や競技経験、自主的な学習などの「インプット」作業によって、競技で成果を出すための情報を獲得します。
それらインプットした情報は、出力(アウトプット)しなければ、成果という見える形で発現しにくいものです。
そこで選手は、身体の運動(パフォーマンス)という形で(媒介して)アウトプットします。
選手経験だけだと、上記の「インプット情報の言語化」や「媒体(言葉、動画など第3者に伝える手段)の選択」を行わなくても足りる分、第3者に指導するということが難しくなります。
ですので、上手い選手のかたに自身の技術のコツ等を聞いても、答えられないことの理由はここにあると考えます。
(ステージ2)
【技術指導者に必要なのは、言語的なアウトプット作業(言語出力で相手に伝える作業)】
言語でのアウトプット作業は、慣れないうちは難しい作業です。
かつてyoutubeなど動画サービスなど情報が少なかった際は、「インプット」作業(情報収集、学習)も難儀しておりましたが、最近では大きく改善していると考えます。
第3者に技術を伝えなければならない技術指導者のアウトプットはというと、インプットした情報を、脳内で言語化し、それを言葉や動画、文字、ゼスチャーなどを用いて(媒介して)、行わなければなりません。
技術指導者のアウトプットは、上記の通り、選手とは異なる技術ですので、それ用のトレーニングが必要と考えます。
簡単なアウトプットの練習方法は、選手でなんかおかしいな?(例:妙に動きがガチャガチャしてる。打球が左に切れる)と感じた現象をメモにアウトプット(言語化出力)することです。
(できれば、その原因についての仮説も、思いつくままに書き出せばより効果的)
すると、脳の前頭葉という言語化や論理を整理する部位が活性化して、言語化しやすくなっていきます。
何より、原因が整理されるので、対策立案やなどがとてもしやすくなります。
私はヘッドコーチをしている高校で、選手が書くノートとは別に、選手別のカルテを書いています。
これは、技術指導者の論理的、客観的な選手評価という意味の他に、技術指導者としてのアウトプット練習という意味あいもあるのです。
(ステージ3)
【アウトプット能力が高いと、バドミントン経験がなくても、優秀な技術指導者になれる可能性が高い】
選手の競技能力と同様、技術指導者のアウトプット能力も先天的な優越性があると考えます。
優れたかたは、バド未経験者であっても、選手を育成する効率が非常に高いです。
(何人か、そういうかたに出会っております。逆に私などは平凡な故、カルテ等で努力をしなければなりません?)
選手の変なフォームに違和感を感じたら、その感覚は間違っていないと考えます。
すぐか、後で想い出して、メモに書いてみると、それが言語化(アウトプット)の効果的な練習になると考えます。
参考:http://badnet.jp/archives/14499/
今回も最後まで、お読みいただきありがとうございました。
次回は、「シングルスで、相手コートの四隅を狙って打っているのに、相手が何の苦労もせず返してくる。どうして?」です。
※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点ご理解の上でお読み、お試しくださればありがたいです。
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バド技術コラム「バド♪Remaking」の内容を実際に講習会でおこなっています。
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