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オーバーヘッドの回内動作で手首が猫手になってしまう。どうしたらよい?
- 2018/11/26
- バド♪Remaking, 日替バド定食
こんにちは。樋口です。
初心者や初級者のかたをお教えしていると、オーバーヘッド(上打ち)で招き猫のような手首の形(俗称:「猫手」)になってしまって、中々、治せなかった経験はありませんか?
今回は、なぜその「猫手」が発生するのかを検証しながら、解決策を考えてみます。
最後までお付き合いの程、宜しくお願い致します。
(ステージ1)
【原因】「回内動作(腕の左旋回)は、ラケット面が真後ろから真正面に移動する」という脳の錯覚
オーバーヘッドの回内動作で、「ラケット面は後ろから前に移動する」という考えは、脳の錯覚です。
オーバーヘッドの準備姿勢から、ラケット面を真後ろから真正面に移動すると、必ず猫手になります。
シャトルを前に飛ばすのだから、後ろから前にラケット面を移動させると考えるのが、普通だと思います。
しかし、実はそこに思い込みの落とし穴があります。バドミントンという競技の複雑さがあると考えます。
(ステージ2)
【対策】ラケット面は、手首の右外→内側(インパクト)→右外と移動している旨を選手に伝えて、錯覚を補正する
回内動作は団扇を扇ぐ動作と同じなので、手首を支点にして、扇型の円軌道を描いています。
それをオーバーヘッド(上打ち)に落とし込むと、丁度、自分の頭の70cm位上に顔があるとして、そこを団扇に見立てたラケット面で扇ぐ感じになります。
鏡で見てみるとわかりやすいと思いますが、ラケット面は、手首の右外→内側(インパクト)→右外と移動します。
しかし、実際に打つ際には、鏡を見ているわけではないので、脳は上記の事実に気づかず、ラケット面が真後ろから真正面に移動している誤ったイメージ(虚像)を作成し、その通りに運動神経に指令を出して実行してしまいます。
そのため、結果として猫手が発生してしまいます。
ですので、説明によって、錯覚を補正してあげる必要があります。
正しい動作(ラケット面は、手首の右外→内側(インパクト)→右外と移動)を素振りで確かめさせ、脳の錯覚を補正した後に、手投げノックなどを実践すると効果的です。
【補足】
バドミントンは、シャトルが軽量なために手首を使う(前腕(手首〜肘)を捻る)などの非力な筋肉を使うことができます。
しかし、そのことは腕や手首、指の関節の繊細で独特な動きを考慮する必要が出てきます。
肘関節は蝶番のように1方向にしか動きませんが、前腕(手首〜肘)は左方向にだけ捻れます。また、手首関節は自由に回りますが、左右の動きが狭いです。
このような制限のある動き(可動域)の中で、シャトルを前方に飛ばすラケットスイングを実現するのは、単にラケット面が後ろから前に直線移動するのではなくなってしまいます。
全身の関節の稼働方向をプラスマイナスしたハイブリッド動作になります。
その場合、一つの動作は右方向、もう一つの動作は左方向、プラスマイナスゼロでストレートといった複雑な動きが入っているのです。
バドミントンはそのような複雑な動きのハイブリッドが難しさでもあり、同時に、大きな魅力にもなっていると考えます。
お試しください。
今回も最後まで、お読みいただきありがとうございました。
次回は、「教えてもらったときはできたんだけど、次の練習ではできなくなっちゃった!どうすればよい?(イメージトレーニング活用編)」です。
※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点ご理解の上でお読み、お試しくださればありがたいです。
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バド技術コラム「バド♪Remaking」の内容を実際に講習会でおこなっています。
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