身体の横で打つバックハンドのコツ(左肩の操作編)

こんにちは。樋口です。

自分の身体の横や上で打つバックハンドを鋭く打つ方法を、左肩の操作視点からまとめてみました。

最後までお付き合いのほど、よろしくお願い致します。

 

(ステージ1)
【結論】テイクバック時に、左肩を打点の反対側(頭部を挟んで)にセットし、スイング終了まで固定する

   

  

ダブルスのサービスプッシュやシングルスのスマッシュなど、レシーバーのバック側横(サイド)を強襲してくる打球に対して、左肩を左旋回させて逆サイド方向に固定します(テイクバック)。

その後、右腕を右肘を支点に肘を開く動作で打球します。

スイング支点の位置は、肘の方が肩よりもラケット面に近く、スイングの回転半径が短くなります。

回転半径が短い方が、ラケット面のスイングスピードが上がる物理法則(ラケットを短く持って左右に振る方が、長く持つより軽く、素速く振ることができます)があるため、肘支点で開く方が、コンパクトでかつ鋭い返球ができます。

 

(ステージ2)
【理由】左肩を固定すると、一直線に繋がっている右肩、右肘、右手首がインパクト直前で急停止する分、腕の上方にあるラケット面だけが高速で前に倒れやすくなり(慣性の法則)、その力でシャトルを弾き飛ばすため

サイドインパクト

打球を弾き飛ばすエネルギーは床から上がって来て、胴体(体幹)経由で腕、ラケットと伝わっていきます(運動連鎖(キネティックチェーン))。

エネルギーは関節を跨いで異なる動作をする腕を通過する際に、胴体(体幹)側の関節(セグメント)が停止することによって、ラケット側の関節に伝わっていきます。

肩関節(肩甲上腕関節)は背中側には最大30度しか開きませんし、肘関節は180度以上には開きません。

ということは、右肩関節の反対側にある左肩関節を動かさなければ、右肩関節も動かないですし、肘関節を開いてスイングすれば、ほぼ左肩から右手首まで一直線で各関節が停止します。

すると上記の法則により、エネルギーが手首関節より先のラケット面に伝わり、高速でラケット面が下方向にスイング(倒れる)されます(上腕(肘〜肩)の右旋回(外旋))。

 

(ステージ3)
【その他】

①肩を支点に大きくスイングする方法でも、左肩を停止させていれば、上記と同様の効果が期待できます。

ただし、肩からラケット面までのスイング半径が長くなるため、スイング速度(加速度)は落ちる分、打球は緩めになります。

②右肩を大きくスイングしすぎると、前方向に動く右肩に引っ張られて、左肩が前方向に動いてしまい、打球が飛びにくくなります。

前述のように、ラケット面が倒れる力(ラケット面先端が手首を前方向に追い越す力)でシャトルを弾き飛ばしますので、右肩や右肘、右手首が前方向に移動し続けると、ラケット面先端が手首を追い越せなくなる分、この打法をするのは、難しくなります。

※腰を捻る(骨盤右端を180度くらい前方向に旋回させる)打法になると考えます。

お試しください。

今回も最後まで、お読みいただきありがとうございました。

次回は、「戦術の大切さ:初心者から戦術を駆使できる選手を育成する(戦術技術構築編)」です。

※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点ご理解の上でお読み、お試しくださればありがたいです。

 

 

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樋口 孝雄バドミントン技術研究・指導者(フリーランス)

投稿者プロフィール

バドミントン技術研究・指導者(フリーランス)
1966年2月4日生
東京都国分寺市在住
実践学園高等学校 女子バドミントン部ヘッドコーチ
平成29年度全国中学生大会神奈川代表コーチ

競技歴:1982~2001年
指導歴:2002年~

私のバドミントン生活は高校から始まりました。運動系全般が苦手な私でしたが、何かスポーツをやりたくてバドミントン部を選びました。
当時、技術指導者はいませんでしたので、仲間よりワンテンポ遅れてしまう自分が、どうしたら理論的に技術が身につくかを、常に考えるようになっていました。この頃の背景がベースになり、今の私の技術指導スタイルが確立されたといえます。

元来、教えることが好きなこともあり、十数年前に小学生の指導を始めました。時間が許す限り、バドミントンのみならず、他競技のDVDや書籍etc.情報を集めては分析・検証し、よりシンプルでわかりやすいスキルアップ方法とは何か、知識と経験を積み上げてきました。現在は、技術指導者のいない中学生を中心に、学齢前から成人までのサポート活動をしております。

同じ指導でも、すぐ体現できる人もいれば、時間のかかる人もいます。指導する側にも、個性を生かした工夫が求められていると、身につくまでの道のりが遠かった私自身の体験から、感じています。

これまでの蓄積と、今後のさらなる追求を少しでも共有でき、特にお悩みを抱えている方々の微力ながら、お役に立つことができれば幸いです。
よろしくお願いいたします。

競技歴詳細:

東京都立小平西高→法政大学バドミントン同好会72

主催指導活動:

「癖動作矯正指導法」研究及びレッスン
→(http://minton.blog.jp/archives/306166.html)
西国分寺バドレッスン for 中高生 代表者
→ (https://minton.jp/Group/detail/158)
バドミントンNPO団体 東村山フリューゲルス代表者

外部指導活動(東京都内):

実践学園高等学校 女子バドミントン部ヘッドコーチ
平成29年度全国中学生大会神奈川代表コーチ
堀越高等学校 男子バドミントン部
練馬区立中村中学校
東久留米市立中央中学校
他中高計8校、一般3団体

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