教えてもらったときはできたんだけど、次の練習ではできなくなっちゃった!どうすればよい?(イメージトレーニング活用編)

こんにちは。樋口です。

出張コーチや上級者のかたに技術を教えてもらって、その場ではできて嬉しかったのですが、2〜3日経った練習で打ったら、なぜか上手くできない、そんな経験ありませんか?

今回は、そんな技術の定着について考えてみます。
最後までお付き合いのほど、宜しくお願い致します。

 

(ステージ1)
フォームの構築は各動作の分解から始まる

弊コラムでも、ストロークをいくつかの動作に分解して、解説させて戴きながら、各動作をレシピのように連結して動作構築の動画マニュアルなどを作らせて戴いております。

(例)オーバーヘッドストローク(上打ち)の構築

実際のレッスンにおきましては、それらの各動作をやって戴きながら、インパクト直前のステップでシャトルを手投げなどしてもらって、打つというような段階を踏みます。

慣れてきたら、各動作を手速く行うようにして、実際の動作に近づけていきます。

 

(ステージ2)
一連のスイング動作の流れを記憶、再現する近道は、各動作を連結したスイング動作を「素振り」すること

技術を覚えた初期は、スイングを大脳で意識的に確認しながらおこなうため、脳に余裕がありません。ですので、ゲーム練習やパターン練習ですと、失点しないことや、ミスしないこと、パートナーに悪いなどに意識がいってしまう分、スイング動作を意識する余裕がありません。

ですので、フォーム構築などには効率があがりません。
そこで、それらを排した状態、「素振り」の状態で、スイングに意識を集中できる状態を構築して効率を上げます。

さらに、素振りというのは、実際の状況を想像することにより、イメージトレーニングにもなります。

最近の脳科学の研究では、イメージトレーニングでも、運動神経(脳(運動野)と筋肉を結ぶ神経で、運動の指示を脳から筋肉に伝える)経由で、運動命令を筋肉に伝える現象が起きるとの報告があります。

要は、イメージトレーニングでもフォーム作りの効果的な練習になることが期待できるのです。

 

(ステージ3)
学生は練習冒頭にフォームができるまで、毎回、社会人は自主的に練習前に毎回、または自宅で毎日、短時間(30秒くらい)でもよいのでフォームが固まるまでおこなう。

実際の練習の中では、学生さんは基礎練習もされますでしょうから、練習冒頭に素振り練習冒頭(エアー練習)をおこないます。

これは、シャトルを追ったり、パートナーに気遣う必要がない分、フォーム構築に集中できるという効果があります。

その他、ノックやパターン練習、ゲーム練習などで激しい動きが入った練習をすると、疲労などにより、フォームの崩れやブレは必ず発生します。

毎回の練習冒頭においての素振り練習は、ブレや歪みをリセットするという効果が期待できます。

他方、社会人のかたは基礎打ちとゲーム練習のパターンが主流だと思いますので、空き時間を使って、短時間(30秒など)で構わないので、ゲーム練習前に素振り練習などと自宅での素振り練習をおこなうと効果的です。

自宅での練習では、鏡の前での自分の視覚を使った練習が効果的です。人間の脳は、視覚情報を80%程信じるという報告があるからです。

以上のことからは、フォームの定着とブレ現象のリセット効果が期待できます。
これらの実践により、新しい技術や矯正フォームの定着、継続が促進されると考えます。

お試しください。

 

今回も最後まで、お読みいただきありがとうございました。

次回は、「ラケットでのシャトル拾いのコツ」です。

※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点ご理解の上でお読み、お試しくださればありがたいです。

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バド技術コラム「バド♪Remaking」の内容を実際に講習会でおこなっています。
ご興味のあるかたは、下記のリンクをご参照ください!

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樋口 孝雄バドミントン技術研究・指導者(フリーランス)

投稿者プロフィール

バドミントン技術研究・指導者(フリーランス)
1966年2月4日生
東京都国分寺市在住
実践学園高等学校 女子バドミントン部ヘッドコーチ
平成29年度全国中学生大会神奈川代表コーチ

競技歴:1982~2001年
指導歴:2002年~

私のバドミントン生活は高校から始まりました。運動系全般が苦手な私でしたが、何かスポーツをやりたくてバドミントン部を選びました。
当時、技術指導者はいませんでしたので、仲間よりワンテンポ遅れてしまう自分が、どうしたら理論的に技術が身につくかを、常に考えるようになっていました。この頃の背景がベースになり、今の私の技術指導スタイルが確立されたといえます。

元来、教えることが好きなこともあり、十数年前に小学生の指導を始めました。時間が許す限り、バドミントンのみならず、他競技のDVDや書籍etc.情報を集めては分析・検証し、よりシンプルでわかりやすいスキルアップ方法とは何か、知識と経験を積み上げてきました。現在は、技術指導者のいない中学生を中心に、学齢前から成人までのサポート活動をしております。

同じ指導でも、すぐ体現できる人もいれば、時間のかかる人もいます。指導する側にも、個性を生かした工夫が求められていると、身につくまでの道のりが遠かった私自身の体験から、感じています。

これまでの蓄積と、今後のさらなる追求を少しでも共有でき、特にお悩みを抱えている方々の微力ながら、お役に立つことができれば幸いです。
よろしくお願いいたします。

競技歴詳細:

東京都立小平西高→法政大学バドミントン同好会72

主催指導活動:

「癖動作矯正指導法」研究及びレッスン
→(http://minton.blog.jp/archives/306166.html)
西国分寺バドレッスン for 中高生 代表者
→ (https://minton.jp/Group/detail/158)
バドミントンNPO団体 東村山フリューゲルス代表者

外部指導活動(東京都内):

実践学園高等学校 女子バドミントン部ヘッドコーチ
平成29年度全国中学生大会神奈川代表コーチ
堀越高等学校 男子バドミントン部
練馬区立中村中学校
東久留米市立中央中学校
他中高計8校、一般3団体

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