ハイレベルな戦いの続く女子シングルスの中で、2016年に充分な成功を収めることの出来た選手の一人として
山口茜をあげることができるだろう。
韓国オープンで3年ぶりのスーパーシリーズ優勝を遂げた日本のティーンは
次の開催地デンマークオープンにも勝ち、2連続の優勝を遂げた。
これらの好成績で年末に開かれたドバイでのスーパーシリーズファイナルズの出場権を 獲得することにつながった。
『スーパーシリーズファイナルズではそれぞれの試合で自分の思うような試合運びができた。
一つ一つの試合をエンジョイすることがいい結果に結びついていくのだと思う。
試合を楽しむことで、自分が強くなれる と信じている』 と穏やかな口調で19歳は答えた。
リオオリンピック準々決勝では 奥原希望選手との日本人対決に敗れベスト8で終わった。
しかしこの試合で変化のきっかけをつかんだ。
『2016年前半は自分のベストを発揮することができなかった。 しかしオリンピック後プレーが良くなり始めた。
オリンピックでは負けてはしまったものの、全力で戦い、持てるものをすべて発揮することができた。
にも関わらず負けたことで、私は世界のトップには到達できていないのだとわかった。
やらなければいけないことがたくさんあるし、改善の余地もまだまだたくさんある。』と山口は答えた。
『オリンピック後多くのプレーヤーが休息をとった。しかし私は試合を続け、休息をとりたいとは思わなかった。
結果的に継続したトレーニングが二つのSSタイトルにつながったのだと思う』
地元のスンジヒュンの1ゲーム先取で始まった韓国オープンでの決勝、
山口の個性あふれるゲーム展開で 徐々にスン選手にプレッシャーがかかり始める。
『かなり積極的にプレーしました。1ゲーム目を落としてしまいましたが、
気持ちを強いままにしておこうと思っていました。
積極的にプレーし続ければ、相手選手も嫌がるだろうと分かっていましたから。』
Odenseでのデンマークオープン決勝は、台湾のテクニシャン タイツーイン選手が対戦相手。
『彼女はオールラウンダーで、様々なショットを組み立てることができます。
プレーに幻惑され何度も負けたことがあります。
しかし今回は耐えることができ、シャトルを追い続けることができました。
いつもどおり多彩でトリッキーなショットが続きましたが、
返球し続けることで徐々に彼女にプレッシャーがかかり、ミスを誘うことができたのだと思います。
耐えて、返球し続けて良かった、あきらめなくて良かった。』
山口は厳しい状況の中でもなに食わぬ顔で試合を進めていく。
あまり興奮したりしないのは、自分の性格だそうだ。
「感情を表に出さないようにしているというよりも、そういうタイプの人間ではないというだけ。」
また感情を表に出す勇気もない。ちょっと恥ずかしがり屋で、シャイなのかも。
勝つことに慣れてきたら、そう出来るようになれるかも?」
女子シングルスは最も競争の激しいカテゴリーであると言っていいだろう。
2016年のような活躍が今後も見られるとは思うのは彼女にもむずかしい話だろう。
ドバイでは予選リーグを突破することができなかった。
中国のスンユ、インドのシンドゥ、スペインのマリンと同じグループに入ってしまったからだ。
今の彼女にとっては全力でプレーすることが目標であり、結果は後から付いてくる、といった様子が良いのかもしれない。
『私はまだまだ若いと思っています。だから全ての試合はチャレンジだし、すべてを出し切ろうと考えています。
全力を発揮して勝ち負けにこだわらず、全てのポイントに向き合いたい。
100%の力を発揮したいだけでそれ以上何も求めるものはありません。
2017年、安定してベスト8orベスト4の成績を残し、皆さんに名前を知られるようになれればと思っています。』
参考:BWFファンサイト http://bwfbadminton.com/2017/01/16/yamaguchi-looks-to-build-on-2016-successes/