- Home
- 急発進のコツ!〜カラダは急に進めない!?
急発進のコツ!〜カラダは急に進めない!?
- 2018/3/26
- バド♪Remaking, 日替バド定食
こんにちは、樋口です。
完全に相手のフェイント(ディセプション)に引っかかって、身体をシャトルと逆方向に動かしてしまい、慌てて逆方向に急発進をきったという経験はありませんか?
後方に煽られてネット前にポトンと落とされたり、アタックロブを打つフリしてネット前に落とされたりなど、急発進でかつ長距離を移動しなければならない場面には、少なからず出会うと思います。
今回は、この想定外のコースに来た時などに行う急発進で長距離移動する際の身体の使い方について、解剖学及び力学的視点で考えてみます。
最後までお付き合いのほど、宜しくお願い致します。
(ステージ1)
【発生現象】スタート加速時や方向転換時に、身体の体勢がガクンと崩れてしまい、スタートが遅れる
時間がない中での猛スタートダッシュや方向転換をおこなうとき、急激な駆動力を主に以下の3つのパワーでまかないます。
①脚や体幹(胴体)の筋力
②床を蹴る力(摩擦力( 床とシューズ )、床反力(とび箱の跳ね板と同原理))
③身体が進行方向に倒れる力(重力)
これらにより発生したパワーを体幹など身体全体に伝えながら、進行方向に進む駆動力に変えて、急発進をおこないます。
しかしながら、腰が抜けたようにお尻が残ってしまったり、そもそも滑ってしまって倒れる、素速く動き出せないというような現象が発生します。
(ステージ2)
【対策】両足を逆「ハ」の字(自分から見て)にして、両拇指球(親指下の膨らみ)で蹴るようにする
シューズの靴底(アウターソール)を見てもらえれば分かりますが、ちょうど拇指球の部分がエリア分けされていて、靴底の他の部分よりも滑り止めの形が詰まっています。両足靴底のここのエリアで床を蹴る(押す)ようにして急発進をします。
なお、ここの部分で急発進してもゴム面が多く、床との密着性を高くしている分、滑りにくくなっています。
(ステージ3)
【理由】
お尻が後ろに残ってしまうような体勢が発生するのは、大腿骨が骨盤に横 (正確には横下方) からはまっていることに起因します。両大腿骨が両横から接続している関係上、前後方向には骨盤が動いてしますのです。
さらには、お尻(骨盤後部)には、大臀筋群など重くて大きな筋肉や脂肪が付いている分、特に後ろ方向には傾いてしまう傾向があります。
特に女性は男性に比べて、骨盤が横に広い上、脂肪がついていますので、さらに後方向にバランスを崩しやすい傾向があります。
そこで、両足を逆「ハ」の字に開くことによって、大腿骨の骨盤にハマっている先端部分(骨頭)が斜めになることで、骨の先端がハマっている骨盤の穴の端にやや引っかかるようになります。この引っかかりにより、骨盤が前後に動いてしまうのを防いでくれます。(要はつっかえ棒と同原理です)
これは陸上短距離選手のスタート時にも見られる技術です。
またお尻がさがらず、前傾姿勢がとれると、脛(すね;膝〜足首)と床との角度が鋭角になる分(シンアンクル)、蹴るパワー(摩擦力、床反力)がより前方方向に働き、加速を助けます。
そして、重心(へそ下、骨盤内にあり)が両足の間(支持基定面)から出ていくと、重力が進行方向に働き、さらなる加速を引き起こします。
(補足)
この原理をオーバーヘッドストローク(クリアーやスマッシュなど)後のホームポジションへの戻りやネット前への移動に応用すると、着地した左足つま先はやや左方向を向いた方が速い戻りが期待できます。
バドミントンはスイングが入るので、どうしてもスイング後は右半身が前に出ますので、左足から着地が多くなるのですが、逆「ハ」の字の左側の「ノ」を作るだけでも動き出しの加速に大きな効果が期待できると考えます。
お試しください。
今回も最後まで、お読みいただきありがとうございました。
次回は、「ライバルとの壁(差異)は意外に薄い」です。
※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点、ご理解の上で、お読み、お試しくだされば、ありがたいです。