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バックハンドロングドライブのスピードが出ない!?原因は?
- 2017/3/20
- バド♪Remaking, 日替バド定食
こんにちは。樋口です。
バックハンドでサイドのドライブを打ちときに、思ったようにシャトルにスピードが乗らないことがあります。
当たり損ねているわけでもなく、スイングが遅いわけでもない、バックハンドは本当に不可解なことが多いですね。
今回はよくあるこの不可解な現象について、みなさまと解明していきたいと思います。
最後まで宜しくお願い致します。
(ステップ1)
【原因】テイクバックで、右肘を打点方向に突き出したとき、グリップを握る右手首の角度が直角(橈屈;とうくつ)になっている
テイクバックで右肘を打点方向に突き出したとき、 右手首の角度が90度近くになっている(橈屈)と、右肘の角度は開いてしまいがちになります。実際に前腕内側を触ってみると、前腕(手首〜肘)の内側が硬くなっているのが分かります。
肘を折りたたむときに、前腕の内側が硬く(筋肉の収縮)なると、折りたたみ難くなってしまいます。
くわえて、手のひらでギュッとグリップを握り締めてしまうと、さらに前腕の筋肉群全体が硬くなってしまい(筋肉の収縮)、肘がより閉じにくくなります。もう一点は、手首を直角にして肘を閉じようとすると、長いラケットが上半身にぶつかって邪魔になる分、肘が開いてしまいます。
これにより、右肘が70〜90度くらいに開いたままテイクバックを行うことになり、スイングが遅くなります。
(ステップ2)
【原因の根拠】なぜ、テイクバック時(右肘を打点方向に出したとき)に右肘が開くと、スイングが遅くなるの?
テイクバック時に手が胸から離れると、身体からラケット先端までの距離が長くなります。バックハンドのスイングは身体を軸の中心にして、腕を右回りに旋回させる回転運動(スケートのスピン動作のようなもの)ですので、身体からラケットまでの距離が長くなることはスイング回転の半径が長くなることを意味します。
回転運動(角運動)については、半径が長くなるとスイング速度(加速度)が落ちるという物理法則(→角運動量保存の法則)
がありますので、自然とラケット面のスイング速度(加速度)が落ちる分、シャトルの飛びが悪くなるのです。
(ステップ3)
【対策】テイクバック時 (右肘を打点方向に出したとき) に、手首を反らす(背屈)ようにし、右肘は胸から15cm以内くらいに閉じておく
手首を反らす(背屈)ようにすると、前腕の外側が硬くなる分、内側は柔らかいままです。これにより、右肘が閉じやすくなります。
握る指の力は、やや緩めにして、右肘を開くときに小指〜中指を握りこむようにします。こうすることでよりスイング速度(加速度)が上がります。
シャトルを打ちにいくとき(フォワードスイング)には、感覚として、「右肘を開きながら打つ」「右肘を開くと同時に打つ!(開き打つ)」(実際はありえないが)ようなイメージで打つと上手くいきます。
スイング半径が長くなることによるラケット面の失速を、インパクト直前という最小限に抑えられるからです。
因みに、手首は反らしたままスイングすると、インパクト時に前方向(肩方向から見て右方向)に回転の勢い(慣性法則)で自動的に倒れてくれます(前腕の回外動作 + 上腕(肘〜肩)の外旋動作)。
(補足)
【誤った握りが形成される経過】なぜ、誤ったグリップ(手首90度)が出来上がってしまうのか?
反復練習を繰り返していると、手や腕周りの筋肉は疲労してきます。
構えたときに、だんだんラケット面が手首より下に下がってきて。。というようになったりします。そこに強い球でのラリーがあったりすると、握るのに疲れた指の筋肉の代わりに手の平の筋肉でギュッとグリップを掴み、疲労した前腕(手首〜肩)の筋肉の代わりに、手首を思いっきり反らして(背屈)ラケットを立てる。などという動作が発生したりします。
いずれも本来使う筋肉の疲労を肩代わりする形で、別の筋肉(上記でいえば、手の平、前腕外側の筋肉)を使っています(代償動作)。
この代償動作のときに上手く打てたりすると、これが本動作として固定されてしまうことがあります。
しかし、バックハンドの際には上手く打てないので癖動作ということになってしまいます。
新しい技術を覚えたり、修正をかけている最初の段階は、上手く出来なくてもすぐに諦めない、指導者は叱らないということが大切ではないかと考えます。
今回も最後まで、お読みいただきありがとうございました。
次回は、「オーバーヘッドで左手はどう動かしたらいいの? 」です。
※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点、ご理解の上で、お読み、お試しくだされば、ありがたいです。