- Home
- 練習後の筋肉リカバリー(回復)とは?(栄養補給編)
練習後の筋肉リカバリー(回復)とは?(栄養補給編)
- 2016/11/21
- バド♪Remaking, 日替バド定食
こんにちは。樋口です。
試合や練習で激しい動きを行ったりすると、筋肉痛や筋肉が硬く固まったり、ひどい時は、肉離れなどの怪我などをしてしまいます。バドミントンを長く楽しむためにも、怪我だけは避けたいものです。
さて今回は、練習や試合後の身体の回復(リカバリー)について、栄養的筋肉ケアの視点から考えてみたいと思います。
最後までお付き合いのほど、宜しくお願い致します。
【1】筋肉の構造
(「バド☆ケア」2016/11/9コラム「筋膜とは」より引用) → 必見!!非常にわかりやすいです!
筋肉は例えると捻れていないワイヤーロープのような構造をしています。細かい一本一本の筋肉繊維が束にまとまっています。ワイヤーや糸など「繊維」は、一本一本の繊維がさらに細かい繊維を束ねた構造になっています。
↑ クリックすると動きます ↑
筋肉も同様で、その最小単位の筋肉繊維を「筋原繊維」といい、その繊維の構造は、注射器のピストンのような構造(サルコメア:筋節)の連続体です。ピストンはレバーを押せば(注射した状態)、長さが縮み、放せばレバーが戻り、長さが伸びます。
筋肉の繊維(筋原繊維)も同様な原理で伸び縮みするため、筋肉は伸び縮みすることができます。
【2】 運動後の筋肉の状態
バドミントンのような激しい運動の後の筋肉は、部分的に筋肉の繊維が切れた状態になっています。
目に見えないレベルの断裂なので、行動に支障はないのですが、これが一気に断裂が連続して起こると、肉離れや捻挫(骨同士を固定する蝶番的筋肉「靭帯」の損傷)などが発生します。
運動後の筋肉繊維は物理的に傷んでいるということで、その修復材料を補給することになります。
【3】筋肉の補修材料とは何か?
筋肉自体は、3大栄養素のタンパク質からできていますので、そのものズバリ、タンパク質を補給してあげることになります。
【4】具体的な食品は何か?
タンパク質を含む食品の代表といえば、牛乳、肉などの一般的な食品になります。肉については、特に鳥肉が疲労を軽減する効果もあるといわれており、特にササミは脂肪も少なく、今話題になっている「イミダペプチド」という、疲労物質を分解する物質(抗酸化物質)が含まれている分、疲労回復効果が期待できます。
加えて、筋肉補修の際には、糖質(炭水化物や糖分の総称)も必要とされています。糖質を摂ることで、インシュリンという筋肉補修を促すホルモンが出るためです。よって果物やジュースなどの糖質摂取が必要です。
【5】摂取するのに効果的な時間帯は?
運動をおこなってから数時間以内と就寝前といわれています。
運動直後数時間や就寝中の時間帯には、筋肉合成に不可欠なインスリン、成長ホルモンなどが多く分泌されるためです。そこで、原料のタンパク質を摂ることで、筋肉の補修が急速に進みます。
タンパク質は胃腸で一旦、ブロックを崩すようにアミノ酸という物質に分解されてから吸収されます。その後、筋肉に送られ、ブロックを組み立てるように、アミノ酸を組み合わせて、タンパク質そして、筋肉繊維をつくります。手間がかかっている分時間がかかるので、運動後なるだけ早めにタンパク質を摂取したほうが効果的といえます。
【6】なぜ、筋肉は大きくなるか?
上記のプロセスを追って、筋肉(繊維)を補修、再生するとき、人体は筋肉を以前より大きくする性質があります。次回に同じ大きさの刺激が筋肉に加わったときに、また壊れないよう、筋肉を増強させるように身体が調整するのです。
これを「超回復」と呼びます。
そのため、使っている筋肉は大きくなりやすいのです。
【7】プロテインって何なの?効果はある?
プロテインとは、英語でタンパク質と同意になります。製品として販売されているものは、ボディービルダーの方御用達というイメージがありますが、運動後の筋肉回復(超回復)用としても使われています。
牛乳を精製して作っていますので、筋肉再生専用の牛乳というイメージでしょうか。
牛乳のタンパク質より、タンパク質を構成する分子同士(アミノ酸:タンパク質は「アミノ酸」という分子が結びついてできている)の結びつきを緩めたり、短く切った状態(ペプチド)にして胃腸での吸収が速くできるよう、タンパク質分解(消化)に胃腸に負担がかかりにくいよう、調整されているものが多くあります。
種類は主に、ホエイプロテイン、カゼインプロテインとあります(ソイプロテインは、大豆原料です)。
《ホエイプロテイン》
《カゼインプロテイン》
ホエイは、吸収が速いため、運動直後に向いているといわれます。ヨーグルトなどの表面にある水のような透明な液体がホエイ(乳清)です。
カゼインは、ヨーグルトでいえば固形の部分です。胃の中で塊状になるので、キャラメルが少しずつ溶けるがごとく、吸収がゆっくり進む分、長時間じっくりとタンパク質補給ができます。晩や運動後の翌日など、長時間栄養補給できない就寝中や吸収が多くない日常生活のときなどに、無駄なく少しずつタンパク質を補給し、筋肉維持に効果があるといわれています。
でも2種類準備するのは、ちょっとという場合、カゼインプロテインがお勧めです。何故かというと、多くの製品にはホエイプロテインや糖質が、丁度良い配分くらいに混合されているからです。
【8】アミノ酸サプリやドリンクなどの接種も効果が期待できる
アミノ酸は、原子が結びついた分子という球体です。このアミノ酸がいろいろなパターンで大量に結びついてできたのがタンパク質(人体内に約10万種類ある)です。
アミノ酸は、タンパク質を作る性質のほかに、1種類のアミノ酸単体でも、カラダに作用、貢献します。
人体を構成するアミノ酸は約20種類がありますが、そのうち、「ロイシン」というアミノ酸は、筋肉(タンパク質)の合成を効率化するといわれています。最近、スポーツドリンクなどでよく見かける「BCAA」(分岐鎖アミノ酸)というのは、このロイシンの特長をメインにした筋肉の合成を促すアミノ酸です(燃焼効果もあります)。
また、その他のアミノ酸にも燃焼効果(アルギニンなど)やスタミナ維持効果(アラニン、プロリンなど)、脳鎮静効果(トリプトファンなど)も期待できる分、ドリンクなどで運動前・中・後に摂取することも有効な手段です。
以上、傷ついた筋肉の補修を栄養補給の視点からまとめてみました。筋肉がキチンと補修されていれば、次の運動時のケガ防止に繋がります。
今回も最後まで、お読みいただきありがとうございました。
(参考→2016/12/19コラム 「練習後のサビつき疲労防止」)
次回は、「フォアカットでシャトルが浮いてしまう。原因はナニ? 」です。
※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点、ご理解の上で、お読み、お試しくだされば、ありがたいです。