こんにちは。
バド育担当の齋藤です。
毎度恒例のヨタバナシですが今回はヨタバナシはおいておいてさっそく本題に入らせていただきたいと思います。
とはいえ、私が担当させていただいているこのバド育の趣旨そのものが生涯教育という考え方をベースにしているため、本文そのものがヨタバナシ感があることは否めませんが・・・
なんて話をしていると結局ヨタバナシになってしまいますのでそれでは本題に。
「すでに英語を話していますよ。」
私は仕事柄様々な講座の企画や運営に携わるのですが、その中に英会話講座があります。
講座の初回の際、先生がまずは「自分のことを話せることを目標にしましょう。」と伝えレッスンがスタートしました。
それではさっそく。
お題は【自分が一つだけ持っているもの】を英語で言ってみましょう。
英語が苦手な私でもなんとかなりそうです。
そう。
I have a ○○.
の○○に単語を当てはめればよいのです。
すると受講生のAさんがこう言いました。
「I have a car.」
そして先生は、「なるほど!Aさんは車を一台持っているんですね。英語では単数か複数かということを示すのが基本なので・・・」と文法の説明が終わった後に言ったのが
「Aさん、気づいていますか?すでに英語を話していますよ。」
そうなんです。
すでに変化は起きているということなのです。
この受講生は「英語が話せない自分」という認識をしていたのだと思います。
それはそうですよね。
講座名はなんせ「初心者の英会話」です。
喋れないと思っている、そして喋れるようになりたい!と思って講座へ参加しているのですから。
受講生が話した
「I have a car.」
というのは簡単な文かもしれませんが先生の言う
「すでに英語を話していますよ。」
というこの言葉にはどこにも嘘がありません。
すでに受講生は
「簡単な英語は話せるが難しい文章はまだできない。」
レベルにステップアップしているということです。
少し大げさに聞こえたでしょうか。
しかし指導の現場にいるとよく遭遇する場面なのではないかと思います。
とくに中学生や高校生になると自身ができていないことは非常によくわかっていますし、できていないことを発見することも非常に上手です。
「強くなりたい(だけど自分はできない)」
「かっこよく打ちたい(だけど自分にはできない)」
このような自己否定モードというのはどうやら居心地が良いらしいのです。
そしてこの自己否定モードを放っておくと自己否定状態がずっと続いてしまい自分はできないという暗示を自分にかけ続けてしまうという事態になりかねません。
そんなできないできないモードから脱出するためにも「小さな変化が起こり始めていることに気づく」ということが必要です。
『○○として~。』を使って文を作ってみましょう。
例えば
「強い選手として、話を聞いてくれ。」
こう言うと子どもたちは姿勢を良くしたり、目線を上げたり、中にはシャツをズボンに入れたりしてくれます。
ここでどんなに小さなことでも何かしらの行動を起こしたということは、その選手はすでに強い選手として行動を起こし始めているのです。
英会話の先生の言葉を借りると、
「すでに強い選手になり始めていますよ。」
ということになりますね。
最初のうちはこんなことで!?
と思うかもしれませんが、
「自身の小さな変化」に対して
「すでに変わり始めている(私は変わることができる)」
と捉えることに慣れる必要があるのかもしれません。
逆に
「自身の小さな変化」に対して
「目指しているレベルに対して全然できていない。」
と捉えることは一見すると非常に意識が高いようにも感じますが、自分は何も変わっていない、成長していないという自信を失うような思考回路に陥ってしまう危険もありそうです。
小さな変化をどう捉えるのか、せっかくの変化ですから自信にしていきたいですよね!
変化を見せた時、変化に気づいたときにどのような意味づけで伝えられるか、指導者の腕の見せ所かもしれませんよ!!
ではでは今回もお付き合いいただきありがとうございました。