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いまだから改めて考える「フォアハンドグリップ」の握り方
- 2016/5/30
- バド♪Remaking, 日替バド定食
こんにちは、樋口です。
4月から1ヶ月ほど過ぎました。
中高の部活を始め、社会人など、新たな環境でバドミントンを始めた方も多いと思います。
いまこの時期だからこそ、改めてオーバーヘッドで使うフォアハンドでのグリップ(ハンドル)の握り方を2つのステップで考えてみたいと思います。
今回も最後までお付き合いのほど、よろしくお願い致します。
(ステップ1)
【現状1】フォアハンドグリップの握り方は、様々な方法が存在する。基本、自分に合う方法を選ぶか、合うものを自分流にカスタマイズする
フォアハンドグリップの握り方については、特に規定があるわけではありません。剣術に様々な流派があるように、グリップの握り方にもいろんな考え方が存在します。
小指寄りの指で握る方法、人差し指と親指で握る方法、指全体でキツ目に握る方法、親指を外すようにして残りの4本で握る方法などなど、千差万別です。
これが正しいとか、これが決定的に不利益があるということはないので、自分に合う方式を選ぶというのが、現実的な選択です。
【現状2】普段(握りこみ前)は緩めに握っているのが主流
いくつかあるグリップ握りこみの流派でも、最近の傾向としては、緩めに握るということが主流になりつつあります。
バドミントンは、ラケット軽量化の加速、シャトルの軽さなどがあいまって、指での握りこみ動作や波状の腕のしなり、腕の旋回や捻り動作などが、ラケット面の先端(ラケットヘッド)のスイング加速度を高め、シャトルの速度向上に貢献しているからです。
きつく握った場合は、腕や肩、指が硬直するため(特に前腕(手首〜肘)には、指を動かす筋肉や腱の約8割が集中しているため、硬直してしまいます)、上記のような、パワーが腕などを波状に伝わっていく動作(運動連鎖)が、できにくくなる分、打球速度にマイナスの効果が働くと考えます。
(ステップ2)
【提起】いくつかのメリットを考慮して、人差し指と親指メインで握るグリップを使ってみる
この方式では、親指の根元のところにグリップを置き、人差し指で上から挟む感じでキープします。余った中指〜小指を普段は緩めておいて、ラケット面が前に移動する時握り、小指から握りこんでいきます。
こうすることで、ラケット面の回転半径が指から打点までと短くなるため、スイング加速度が飛躍的にあがります(角運動量保存の法則)。
また、人間の親指だけは、前腕の内側に他の指とは分離した形、単独で筋肉と腱が存在しています。親指を握り指として使うと、前腕の内側が硬直する分、前腕を内側に捻る前腕回内動作(オーバーヘッドストロークで必須の動作)が、若干やりずらくなってしまいます。
今回ご紹介したグリップ操作法は、親指がシーソーの支点軸のように動かず、グリップが親指の周囲をシーソーの板のように動くため、親指を握り指として使いません。その分、前腕の内側が硬直せず、前腕回内動作がよりスムーズにおこなえるため、打球のスピードアップに貢献する効果が期待できます。
【その他の期待できる効果】
①親指と人差し指の根元で挟んでいることで、グリップが回ることなく、面が安定する
ゲーム時でシャトルを待っている時(インプレー間)、グリップをグルグル回すのを時折見かけます。握り方が安定しない方がすることが多く(握り方がわかっている方は問題ないのですが)、インパクト時のブレでミスをしてしまうことも少なくありません。
親指と人差し指の根元で挟むように握ることで、テコの原理(第2種テコ)が働き、支点に近い指の根元の方が、グリップを挟む力が大きくなります。
よって、グリップのズレやブレを防ぐ効果が期待できます。
②手の平の向いている方向と、ラケット面の向いている方向が一致するため、コース狙いが容易になる
上記写真(ステップ2の③)のように、ラケット面を上に向けて、親指の根元の上に載せて、人差し指根元で挟むと、手の平とラケット面の向きが一致します。
よって、打球時に、手の平の方向を意識できさえすれば、自動的にラケット面がそちらを向くというように、コース照準が合わせやすくなります。
お試しください!
次回は、「せっかく前衛で高い球に触っても、浮いてしまう。どう沈めればいいの?」です。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点、ご理解の上で、お読み、お試しくだされば、ありがたいです。