こんにちは。バドイク担当の齋藤です。
この時期、公式戦はないものの練習試合や様々なオープン大会もあり、まとまった練習もとれる時ではないでしょうか。
冬の過ごし方で春の成績が大きく変わるといわれます。
そんな中、オープン大会に参加した際に中学から始めたT君が試合後に言った言葉がとても印象的でした。
それは
「今日は絶対に諦めないでシャトルにくらいつくと決めていました。」
という言葉です。
T君はすべての試合に勝ったわけではありませんが、終始諦めないプレーで声を出し続け、コートを元気よく走り回り、ラリーに勝ったら嬉しそうにガッツポーズをしているのが印象的でした。
この言葉は終始戦い続けることができたT君を象徴している言葉だと感じました。
そこで今回は「T君に学ぶ!試合で戦える選手の特徴」についてまとめてみました。
勝ち負けと戦うことは違う
誤解を招く言い方かもしれませんが、バドミントンでは「相手が強ければ負ける、相手が弱ければ勝つ。」ということは紛れもない事実でしょう。
特に中学のステージでは中学から始めた子が、小学校からの経験者に勝つということは決して簡単なことではありません。
中には、名前負けしてしまい試合中に諦めムードになってしまう子も見られます。
そんな子もいれば、中には終始劣性、大差がついても最後まで声を出し、一所懸命になってシャトルを追いかける子もいます。
この違いを、前者については勝ち負けしか見えていない状態であり「戦えていない状態」と考え、一方、後者の子は勝敗に関わらず目の前のことに集中し「戦っている状態」と私は考えています。
戦えていない子の言葉
試合の後、私はできるだけ選手本人に試合の内容を語ってもらうようにしています。
その中で私が試合を見ていてこの試合、イマイチ戦えていないな・・・と感じた選手の試合後の言葉を紹介します。
「声を出さなきゃと思ったんだけど点差が開いて諦めてしまった。」
「クリアーで押していけ、と言われたのでクリアーで押そうと思ったんだけど差し込まれるとドロップで逃げてしまった。」
冒頭で紹介したT君の言葉と比べてみていかがでしょうか。
「戦える選手」と「戦えていない選手」の言葉からどのような印象の違いを受けたでしょうか?
戦えていない子の特徴その1:どこか他人事
「クリアーで押していけと言われた。」
試合中や試合後などに監督やコーチからアドバイスがあるものですが、「どこか他人事」のような言葉ですよね。
コートの中でプレーしているのは自分自身なんですが・・・
戦えていない子の特徴その2:言い訳
「声を出さなきゃと思った。」
「クリアーで押そうと思った。」
これらの言葉には
「思ったんだけどできませんでした。やろうとは思ったんですよ?」
そんな言い訳のような印象を受けてしまいますね。
戦えていない子の特徴その3:やらされている
「声を出さなきゃと思った。」
この言葉の真意は「(声を出せと言われているから)声を出そうと思った。」です。
自分自身が試合に勝つために、エースを取って嬉しいから声を出すという自分自身の内面から出てくるものではなく人に言われたからになってしまっています。
いわゆる「やらされている状態」ということですね。
T君に学ぶ!戦える選手の特徴は一つ
一方、冒頭で紹介したT君の言葉はどうだったでしょうか。
「今日は絶対に諦めないでシャトルにくらいつくと決めていました。」
そうです。
『自分で決めた』ということなのです。
自分で決めたことだから最後までシャトルにくらいついたのでしょう。
自分で決めたことだから最後まで貫き通せたのでしょう。
自分で決めたことだから負けそうでも戦い続けることができたのでしょう。
戦える選手の特徴とはたった一つ『自分で決める』ということです。
おわりに
「誰か(監督・コーチ・先生)が自分に責任を課す。」
「己が己に責任を課す。」
内田樹
T君はまさに後者「己で己に責任を課していました。」
選手自身は「自分で決定する」強さと勇気。
そして「選手が決定できる環境」を指導が意識していくことが大切なのだと感じた一幕でした。
今回T君は「自分で決めることの強さ」そして、「選手自身が決められるようにする。」という指導者の姿勢について大きな気づきを与えてくれました。
これから春、夏の大会に向けてますます成長が楽しみになってきました!
ではでは今回もお付き合いいただきありがとうございました。