ダブルスで最初から打たれて、止まらない。どうして?

こんにちは、樋口です。

みなさん、ダブルスの試合で、冒頭から相手にスマッシュなどをドンドン打ち込まれて、手も足も出ない展開のまま、負けてしまった経験はありませんか?

例えば、相手のスマッシュをうまくショートリターンをしたつもりでも、前衛にプッシュで叩かれるなど、なかなか相手の攻撃を、止められず、気がつけば、点差が開いていたりします。

今回は、このような敗退要因を 「サービスから数球までの打ち合い」 というポイントに着目し、原因と対策、実践までのプロセスを6ステージでまとめてみました。

ダブルス

ラリーの最初の段階で、どんな球を返球したか(配球)を具体的に検証してみます。

 

(ステージ1)
サービスレシーブを大きく上げてしまう = 攻撃を受ける始まり 【現象】

原因の1つは、「最初から」攻撃を受け続けてしまったという点です。

サーバーのサービスのあと、次の球(サービスレシーブ)をレシーバーが高いロビングで返球しました。なので、相手後衛がスマッシュを打ってきたのです。

高いロビングは、相手に充分な体勢で強いスマッシュを打つだけの時間を与えてしまいます。

つまり相手にとって、ミスも起こりにくいですし、スマッシュ後の返球もストレートが手一杯と読めるので、パートナーは前衛で、レシーバーの正面を張っていればよく、プッシュで簡単に決めることができたと考えます。

 

(ステージ2)
2球目(サービスレシーブ)を上げてしまうのは、立ち位置が後ろ過ぎること 【原因1】

立ち位置後ろ1

ステージ1で記述したとおり、初中級レベルの負けパターンの1つに、サービスレシーブでロブを上げてしまうことがあげられます。

上げてしまう原因の1つは、立ち位置が後ろ過ぎることです。後ろに立ってしまうと、相手がショートサービスで来た場合(現在のダブルスは、ショートサービスが主流です)では、前に一歩出る時間がかかる分、シャトルが下に落ちて来てしまい、アンダーハンドのロビングになってしまうリスクが高くなります。

 

(ステージ3)
後ろに立ってしまう原因は、ロングサービスが怖いから 【原因2】

サービスを受ける際に前に立ってしまうと、警戒するのは後ろ、即ちロングサービスです。そもそも人間は、いうまでもなく、前に向かって歩き、後ろには同じように歩くことはできません(膝も前には曲がりますが、後ろには曲がりません)。そのため、無意識のうちに後方への警戒意識が強まり、移動の遅さをカバーしようと後ろに立ってしまうのです。

 

(ステージ4)
まず、動き出し部分を工夫してみる【対策1】

上記の内容から、ロングサービスに間に合うフットワーク技術が必要になります。しかし、一朝一夕では、フットワークは速くなりません。そこで、発想をより効率的に動き出す部分に絞って説明したいと思います。

 

(ステージ5)
サービスレシーブの構えの時に、右腰の端を後ろに向ける【対策2】

立ち位置後ろ

後ろ方向への動き出しが遅れる原因の1つに、重いお尻が、真後ろに落ちてしまうことがあります。重心はお尻の骨つまり骨盤の位置にあり、この重心がどこにあるかが大きく影響します。

お尻が真後ろに落ちるのは、重心が真後ろに落ちてしまうことで、後ろにバランスを崩してしまいやすいということになります。

骨盤の向きが、少しでも正面を向いていると、重心が左右の足の間のスペース(支持基底面:この空間内に重心があれば、バランスを崩しにくい)から、後ろ方向に出やすくなる分、バランスを崩しやすくなると考えます。

支持基底面   支持基底面2

大腿骨は骨盤の両横にはまっているので、前後に骨盤が動きやすい構造になっています。その構造は、後ろにお尻が動いたとき、重力で下方向に落ちやすくなります。

サーブレシーブ構え       股関節

そこで、いちばん簡単な対策は、右腰の端を真後ろに向けて、立つことです。
右腰の端を真後ろに向けることで、腰の両端が相手サーバーに対し垂直になると、大腿骨が骨盤の、つっかえ棒のような位置関係になる分、お尻が下方向に落ち難くなります。

(ステージ6)
少しずつ、立ち位置を前にしていく 【対策3 (実践練習)】

ダブルスで最初から打たれて、止まらない。どうして?

ここまでの段階で後ろ方向への警戒や、ロングサービスへの心配が払拭できたところで、少しずつ立ち位置を前にしながら練習してみます。サービスラインから、靴一個分後ろくらいに立てるまで慣れてきたら、ベストでしょう。

その位置から、サービス(1球目)に対して、プッシュ(2球目)を打つ練習をしていけば、相手は3球目を下から打たなくてはいけない分、スマッシュ攻撃は出来にくくなると推察できます。

※サービスプッシュの打ち方については、また、別の回に改めさせていただきます。

 

《まとめ》

❶サービスレシーブは、ロブを上げない(プッシュか、サイドのコート縦幅の中間辺り(ハーフショットを打つ)

❷プッシュを打つには、サービスラインから、靴一個分後ろくらいの位置で構える。(後ろで構えない)

❸ロングサービスがきたときは、素早く右腰の端を後ろに向けて下がる。

次回は、「試合でスタミナを持続させたい!~エネルギー摂取編~」です。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。

※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点ご理解の上でお読み戴き、お試し戴けたら幸いです。

 

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樋口 孝雄バドミントン技術研究・指導者(フリーランス)

投稿者プロフィール

バドミントン技術研究・指導者(フリーランス)
1966年2月4日生
東京都国分寺市在住
実践学園高等学校 女子バドミントン部ヘッドコーチ
平成29年度全国中学生大会神奈川代表コーチ

競技歴:1982~2001年
指導歴:2002年~

私のバドミントン生活は高校から始まりました。運動系全般が苦手な私でしたが、何かスポーツをやりたくてバドミントン部を選びました。
当時、技術指導者はいませんでしたので、仲間よりワンテンポ遅れてしまう自分が、どうしたら理論的に技術が身につくかを、常に考えるようになっていました。この頃の背景がベースになり、今の私の技術指導スタイルが確立されたといえます。

元来、教えることが好きなこともあり、十数年前に小学生の指導を始めました。時間が許す限り、バドミントンのみならず、他競技のDVDや書籍etc.情報を集めては分析・検証し、よりシンプルでわかりやすいスキルアップ方法とは何か、知識と経験を積み上げてきました。現在は、技術指導者のいない中学生を中心に、学齢前から成人までのサポート活動をしております。

同じ指導でも、すぐ体現できる人もいれば、時間のかかる人もいます。指導する側にも、個性を生かした工夫が求められていると、身につくまでの道のりが遠かった私自身の体験から、感じています。

これまでの蓄積と、今後のさらなる追求を少しでも共有でき、特にお悩みを抱えている方々の微力ながら、お役に立つことができれば幸いです。
よろしくお願いいたします。

競技歴詳細:

東京都立小平西高→法政大学バドミントン同好会72

主催指導活動:

「癖動作矯正指導法」研究及びレッスン
→(http://minton.blog.jp/archives/306166.html)
西国分寺バドレッスン for 中高生 代表者
→ (https://minton.jp/Group/detail/158)
バドミントンNPO団体 東村山フリューゲルス代表者

外部指導活動(東京都内):

実践学園高等学校 女子バドミントン部ヘッドコーチ
平成29年度全国中学生大会神奈川代表コーチ
堀越高等学校 男子バドミントン部
練馬区立中村中学校
東久留米市立中央中学校
他中高計8校、一般3団体

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