いつもバド×チェックをお読み頂いてありがとうございます。近藤です。
先日のJOCをきっかけに、インターハイや日本リーグに帯同しているトレーナーの方々とお知り合いになり、色々と意見交換をさせて頂きました。
当然の事ながら、皆さんそれぞれ素晴らしい専門力をお持ちになっています。
他にもこのバド×チェックの記事をきっかけに、全国の素晴らしいトレーナーさんからメッセージを頂いております。
そんななか強く感じるのは、このような素晴らしい知識や専門性を、バドミントンを楽しむ、またはバドミントン競技力の向上に日々努力をしている皆さんに、お伝えできないだろうか?
また、そのようなトレーナーさんやコーチの皆さんを結びつけて、バドミントン界に貢献できるような取り組みができないだろうか?
そんなことを考えています。そして、少しづつ動き出しています。
またいずれご報告させて頂けたらと思います。
さて、今回は「コートを狭く見せるようなプレイがしたい!」と題しまして、動き出しスピードを高めていく実際の考え方とトレーニング方法をご提案したいと思います。
——————————————————————————————————–
コートの大きさってみんな同じだよね?
——————————————————————————————————–
当たり前ですが、同じはずです。
皆さんも一度は、感じたことがあるかもしれません。
なぜか、トップ選手の試合を見ていると「コートが狭く見える。」
これってなんででしょう?
もちろん、こんな研究はされていないので、現時点での私の仮説です。
——————————————————————————————————–
ショットスキルによる限定
——————————————————————————————————–
私は、バドミントン以外にもサッカーとフットサルのチームのサポートしていますが、サッカーなどに比べて、バドミントンはフィジカルテストの結果とパフォーマンスの相関を見出すのが非常に難しいと感じています。
もちろん私個人が測定した数など、統計学的優位性など確保しようがないのですが、
つまり、バドミントンの場合、「このテストの数値が良いとバドミントンが強い傾向がある」というものが、なかなか見出すことが難しいと感じています。
それは、バドミントンに限らず他のスポーツでもそういうことはあるのですが、私が関わっているスポーツの中で、バドミントンは難しいと感じています。
先日お会いしたあるトレーナーさんのお話が「なるほど」と思いました。
「バドミントンという競技は、スキル要素が大きい。だから、フィジカルテストの結果とバドミントンパフォーマンスの結果に差があることが多い」
今回のテーマである「コートを狭く狭く見せるプレイ」に話しを元に戻すと、
動き出しスピード云々の前に、自分のショットの質が悪かったら厳しいよね
ということです。
トップ選手のショットのように、速度、コース、角度、回転、フェイントなどを掛けわわせて、「ここにしか返せないじゃん」という返球を限定できるショットが多く打てれば、最適なホームポジションを作り出すことができ、結果、最小限の移動距離で済むことになります。
「ここに打てば、ここに限定できる」という視点でショット練習に取り組むことは、とても重要だと思います。
——————————————————————————————————–
身体重心の適正化&ステップの最適化
——————————————————————————————————–
バドミントンは言わずもがなですが、プレイ中は方向転換の嵐です。
再三お伝えしているように、「身体の移動」とは、「身体重心の移動」であり、「身体移動スピード」とは「身体重心移動スピード」です。
そして、多方向へ移動する可能性がある場合は、足と足の間の中心に重心を置いておくことが、最適な準備となります。
理論的には、そんなに難しい話ではないと思います。
しかし、厄介なことがあります。
それは、「身体重心点が、自分の感覚とズレていることがある」ということです。
自分が中心に置いているつもりでも実際は違ったり、そもそも中心に置くことが困難な場合があります。
どういうことかと言うと、単純に立って正面を見た状態から、後ろを振り向くように身体を回してみましょう。
右から回す、左から回すを両方やってみます。
どちらか「回しやすい方」と「回しにくい方」があると思います。
少々乱暴な言い方になりますが、「回しやすい方」に重心がズレている可能性があります。
例えば、「左のほうが明らかに回しやすくて、右は引っかかるように回しにくい」といったことがあれば、左に重心がズレている可能性があるので、右方向への移動がやりずらい可能性がありあます。
右利きならフォア側への移動がやりずらい可能性があるということです。
声を大にして言いたいのは、多くの優秀なトレーナーの皆さんは、
こういう部分も、大切にしている!ということです。
少々私的な気持ちも入ってしまいますが、トレーナーは「トレーニングで選手を追い込み、鍛えることだけを考えているわけではない」ということです。
そこに選手それぞれの特性も踏まえて、選手にとって最適なフィジカルコンディションを考えていくわけです。
またまた話しを元に戻すと、「身体重心の最適化」が大事ということですね。
それにプラスして、方向転換のためのステップワークの適正化が必要です。
これもいずれまとめたいと思っていますが、「フォア前のシャトルを取りに行く」という動作だけでも、少なくても方向転換のための4種類のステップを確認してます。
その使い分けは、自分の体勢や相手のショットの状況によって変わるわけですが、そのような状況によってステップを使い分けることができるのは、重心移動にとってとても重要だと思っています。
このようなシンプルなステップドリルや方向転換ドリルから、重心位置・力を発揮させる方向・シンアングル・つま先や膝の向き、などのポイントを抽出して意識させていくと上手くいくのではないでしょうか?
——————————————————————————————————–
最大筋力
——————————————————————————————————–
私は、トップ選手のコートが狭く見える要因の一つに「動き出しの質とパワーのレベルが高く、リラックスした状態でプレイができている」と考えています。
つまり、プレイに必要とされる要因一つ一つに対する「余裕度」だと思うのです。
人間も地球上の物体の一つである以上、物理法則から逃れることはできません。
加速度=質量÷力 (ニュートンの第二法則)
人間の移動で例えるなら、質量は体重、力は進行方向への床反力となります。
競技に必要な条件を考えると、単純な床反力だけが問題になるわけではないのですが、強い床反力を得るためには、まずは絶対的な筋力が必要です。
では筋力とは何か?といったように、筋肥大や筋原線維などの話まで深堀するときりがないのと、わかりにくくなるため、シンプルなイメージの筋力。発揮できる力としておきます。
その筋力の獲得方法としては、皆さんもよくご存知の「スクワット」や「デッドリフト」となります。
この「スクワット」や「デッドリフト」のやり方や、負荷のかけ方は、記事上の文字で伝えようとしても誤解や疑問を生むだけですので、できれば信頼のおけるトレーナーに実際に教わることをおすすめします。
今回はここまでにしたいと思います。
次回は、トレーニング方法も含めて「コートを狭く見せるようなプレイがしたい!」(後編)です。
本日も最後までお読みいただいてありがとうございました。