いつもバド×チェックをお読みいただいてありがとうございます。近藤です。
現在は、YOJの真っ最中ということで、FBなどでも盛り上がっていますね!
リン・ダン選手vsリー・チョンウェイ選手の対決だったり、日本選手の活躍に楽しみな対戦がたくさんですね。
ただ、チェン・ロン選手が二回戦で早くも敗退、松友選手も捻挫で棄権という残念なニュースも。連戦が続くなかで、コンディションをコントロールする難しさを感じます。
さて、前回はリアクションステップの4つのパターンを考察しましたが、今回は、その4つのパターンの特徴から考える戦略を考察してみます。
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リアクションステップ4つのパターンとその特徴
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【リアクションステップ4つのパターン】
①足横開き、両足同時着地パターン
②足横開き、両足片足ずつ着地パターン
③足縦開き、両足同時着地パターン
④足縦開き、両足片足ずつ着地パターン
この4つのパターンの使い分けは、前回記事の通りです。これを基にもう少しシンプルに考えていきます。
◎足横開きは、ダブルスのサイドバイサイドに相当。
→、多方向、速いショットに対応します。しかし、多方向を想定しているので、返球をある程度限定できている縦開きよりも純粋なスピードと勢いでは劣る傾向があります。
◎縦開きは、ダブルスのトップアンドバックに相当。
→、縦への動きの速い反応と動きを引き出します。しかし、横への動きやスマッシュやプッシュなどのスピードショットの対応が弱くなる傾向があります。
◎両足同時着地は、重心を両足の中心に置くことにより、どの方向へも対応できるような準備となります。ただし、片足ずつ着地より勢いを生み出しにくいので、ジャンピングスマッシュやネット前を上で取るなどの、決定的な状況を作るのが難しいです。
◎片足同時着地は、ローディングジャンプ様の勢いを生み出すことが、可能なので、ジャンピングスマッシュやネット前を上で取るなどの決定的な場面を作りやすいです。ただし、横への動きには、遅れる傾向がありあす。
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リアクションステップから戦略を考えてみる
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実際の戦略というのは、自分のスタイル・相手のスタイル・環境・コンディションも含めて、また男性と女性ではまた変わってくるので、まとめることはなかなか難しいのですが、
例えば、ご存知の方も多いかと思いますが、「縦開き・片足ずつ着地パターン」は決定的なショットが打てる形を作ることができる可能性が高いので、返球が縦に限定できるショットを意識的に狙っていきます。
ネットギリギリのヘアピン、質の高いスマッシュレシーブ(早めのタッチやカウンターのクロスネット)など。
逆に、相手が「縦開きパターン」にしていたら、横の動きへの対応がやりにくい可能性があるので、フェイントの効いたクロスへの返球を試みてみます。これは世界戦でもよく決まっているラリーパターンです。
また、ロブやサービス、クリアがしっかり奥まで返ってきて、相手が準備している状態では、真上から落ちてくるシャトルに対して、強力なショットまたは、角度のついたショットは打てませんし、かなり相手の守備力が高い状態となります。
しっかりと準備された「横開きパターン」を崩していくためには、的を絞らせないこと、スピードと角度のあるショットで揺さぶることが基本となると思いますので、女子では特に、「奥までしっかりと返す」ことができるスキルは大切ですね。
まとめですが、リアクションステップは、それぞれメリットとデメリットがあるので、「状況に応じて、最適なものを選ぶ」というのが正解だと思いますし、その「状況に応じて、最適なものを選ぶ技術」に長けている選手が、トップ選手の特徴の一つだと言えます。
ですので、リアクションステップから考える練習としては、4つのパターンで動きづらいものがあってはいけないし、時には、明確にリアクションステップを限定した練習も必要かと思っています。
横開きパターンから動き出しを始めるのか、縦開きから動き出しを始めるのか、それだけでかなり練習の内容がかわってくると思います。
指導の現場でも、リアクションステップの最適化ができていない選手は多く見られます。非常にもったいないので、状況に応じた、リアクションステップができているかという点を観察することはとても大切だと思っています。
次回は、「爆発的な筋発揮の科学的基礎」というナショナルチームのトレーニングを担当するトレーナーさんのセミナーを受講してきますので、その内容も加味して「動き出しスピード」についてまとめていきたいと思います。
最後に、ステップワークの練習の一部をご紹介しますね。
いずれも、シンアングルや足幅を取ること、重心移動などの点を注意深く観察しながら行っています。
本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。