いつもバド×チェックをお読み頂いてありがとうございます。近藤です。
先日は全日本社会人、来週からはYONEX OPEN JAPAN、学生は新人生が開催される時期かと思います。
どの選手も、夏の練習の成果を十分に発揮して、怪我のないように頑張って頂きたいと思っております!
さて、前回は「リアクションステップは飛ぶのか?腰を落とすのか?」を考察致しました。
今回は、「リアクションステップの4つのパターン」を考察していきたいと思います。
トップ選手の動きをひたすらコマ送りで見た結果、リアクションステップを4つに分類できるのではないかと思い至りました。
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パターン① 足を横に開き、両足同時着地パターン
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いくつか実際の場面を見てみましょう。
当たり前と言えば当たり前ですし、ご存知の方も多いとは思いますが、この【横開き・同時着地パターン】は、
①シャトルをクリアやロブで打ち上げ、予想される返球が多方向に可能性があるとき。
②スマッシュやカットスマッシュ、ドライブ、プッシュなどスピードのあるショットが予測されるとき
バドミントンに限らず、多方向へ移動する可能性があり、事前にどちらに移動するかわからない場面では、重心を足と足の間(中心)に置き、どちらにでも移動ができる準備を行います。
両足同時に着地をするのは、シンプルに「どこにくるかわからないため」と「スピードのあるショットが来る可能性があるため」だと思われます。
片足ずつ着地するということは、どちらかに並進運動が起きること、その勢いを生み出しやすくする動きです。
どこに打たれるかわからない状態で、どちらかの方向に勢いをつけてしまうのはリスクがあります。
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パターン② 足横開き・片足ずつ着地パターン
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このパターンはあまり多くは見られません。しかし、あることはあります。
実際の場面がこちら。
この場面は、リンダン選手が桃田選手のラウンドへアタックロブを打ちました。桃田選手は、少しシャトルに追いつくのが遅れ、ストレートへ繋ぎのスマッシュを打ったという状況です。
その時に、リンダン選手は、右足→左足と片足ずつの着地をしました。おそらく、桃田選手の体勢を見て、「ストレートにきそうだぞ」と予想したのではないかと思います。
他にも、【足横開き・片足ずつ着地パターン】の場面はいくつかありましたが、ほとんどがこのような打ち上げたけど「ある程度限定できている」状況で行われていました。
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パターン③ 足縦開き・両足同時着地パターン
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これも先にいくつかの場面を見てみましょう。
これもご存知の方も多いと思いますが、こちらから下に向かうショット(スマッシュ、カットスマッシュ、ドロップ、ヘアピンなど)を打った場合は、強力なスピードショットが打たれる可能性はゼロなので、前後の動きがやりやすい【縦開き】にする事が多いです。
且つ、こちらが鋭いショットを打った時などは、甘くコースも限定された返球が来る可能性が高いので、この後に説明しますが、最も勢いが出る【縦開き・片足ずつ着地】でリアクションステップをしたいところです。
しかし、こちらが下へ向かうショットを打っても、写真の桃田選手のように、ラケットを立ててネット前に入ってきたり、フェイントが利いた体勢で入ってきた場合は、この【縦開き・両足同時着地】となるようです。
【横開き・両足同時着地】のように、縦開きでも「どちらに来るかわからない」という時は、両足着地を採用しているようです。
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パターン④ 縦開き・片足ずつ着地パターン
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バレーボールのアタックの場面を思い浮かべて頂きたいのですが、アタックに向かう時は、両足同時踏切ではなく、片足ずつ踏切でジャンプしているのをご存知ですか?
これは、正式な言い方かわからないのですが、確か【ローディングジャンプ】というジャンプだったと思います。
片足ずつ踏切でつけた勢いを垂直方向の力へ変換することで、両足同時踏切よりも高く飛ぶことができます。
走高跳びもそうですね。
バドミントンでも、もっとも勢いがつくリアクションステップパターンとなります。
これも実際の場面を見てみましょう。
桃田選手の連続写真です。リンダン選手はかなり下で取らされています。その体勢を見た桃田選手は、ほぼロブが来ると予測。左足→右足のローディングジャンプのようなリアクションステップを採用して、勢いよく後ろへ下がります。
この後は、桃田選手の代名詞、ラウンドからのジャンピングスマッシュがストレートに決まります。
このように、決定的な場面では、このような【縦開き・片足ずつ着地】がよく見られます。
そのように考えていくと、リアクションステップのそれぞれのパターンにはメリット・デメリットがあります。
ということは、そこからある程度の戦略も考えることができるのではないでしょうか?
次回は、「リアクションステップから考える戦略」をテーマとさせて頂きたいと思います。
最後に、前回に引き続き「動き出しを早くするためのトレーニング」をご紹介して終わりたいと思います。
スタートの体勢を限定したダッシュ
誰でも一度はやったことあると思いますが、立ち上がってからスピードを上げるまでに非常にパワーを必要とします。特に、立ち上がりや最初の一歩目を早くするように促します。他にもたくさん種類はあります。
シンプルな方向転換ドリル
合図でターンを行います。非常にシンプルですが、方向転換時の「シンアングル」ができているか、減速しながら腰を落としているか、方向転換時に正しい姿勢が取れているか、次に進む方の足のつま先が進行方向を向いているか、切り替えスピードはどうか、など種目自体はシンプルですが、一つ一つしっかり注意して行います。
この動画では、横方向への動きですが、もちろん縦方向への動きもありますし、色々な種類があります。
参考になれば幸いです。
本日も最後までお読み頂きましてありがとうございました。