動き出しのスピードを高めるためには?⑨〜リアクションステップは飛ぶのか?腰を落とすのか?〜

いつもバド×チェックをお読み頂いてありがとうございます。近藤です。

 

いよいよ来週からYONEX OPEN JAPANが始まりますね!

 

今回の大会から照明効果も海外の大会のような仕様になるようですし、世界のトッププレイヤーの動きを目の前で見れるなんて、本当に楽しみです。

 

バド×チェックで「動き出しの質やスピード」についての考察が続いていますが、今回はそのあたりを特に注目して観戦したいと思っています。

 

今回のテーマは「リアクションステップ」の続きです。前回は「リアクションステップの誤解」をお伝えしました。

 

今回は、「リアクションステップは飛ぶのか?腰を落とすのか?」を考察していきたいと思います。

 

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リアクションステップは上に飛ぶ?下に腰を落とす?

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これもよく議論に上がるものだと思います。

 

もしかしたら存在するかもしれないのですが、リアクションステップに関する学術的な論文は見つけられませんでした。

 

どなたかご存知の方がいらっしゃったらぜひメッセージください!

 

こうなると自分で確かめるしかありません。

 

最近のシングルスの世界戦を中心に、男子も女子も、ひたすらコマ送りで見て、リアクションステップを観察していきました。

 

コマ送りで見ているのと、気になったところは巻き戻したりするので、1試合見るのに4、5時間かかります。暇人ですね(笑)

 

さて、リアクションステップでは上に飛ぶか?下に腰を落とすか?です。

 

まず、確実に言えるのは、上に飛ぼうが、飛ばなかろうが、腰は落とすことは間違いないと思います。

 

IMG_2063

リー・チョンウェイ選手のリアクションステップ着地時

IMG_2068

チェンロン選手の着地時

IMG_0168

山口茜選手の着地時。上体もかなり倒すのが特徴ですね。どうして、こんなに倒すのか聞いてみたいところです。

IMG_0176

奥原希望選手。非常に動き出しが早いですし、他の選手に比べても低い動き出しだと思います。下半身の強さが伺えますが、その分下半身に負担がかかるのか?怪我の多さは気になるところです。一度、身体の状態を見てみたいですね。

 

各選手とも、ご覧の角度で下半身の力を生み出しやすいポジションを取っています。

 

あまり腰を落とさない事もあるのですが、その時は、身体の近くや、あまり移動距離を必要としていない時でした。

 

逆に、この写真のような角度より腰が低い場合は、かなり足を広げて、完全にスマッシュレシーブの体勢に入っている時でした。

 

こんな感じです。

IMG_2041

 

 

どんなショットが来たのか、またどんなショットが来る可能性が高いのか、つまり必要度に応じて、腰を落とす最適な加減が決まることがわかりました。

 

次に、リアクションステップをする時に、飛ぶのかどうか?を考察してみたいと思います。

 

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リアクションステップを踏む時は、上にジャンプするのか?

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結論から言うと、

 

①上に明らかにジャンプしている場合と、上に飛んでいるとは判断できない場合と両方ある

 

②男子と女子を比べると、女子の方が、上に飛んでいることが多い。(もちろん、飛ばない場合もあります。)

 

こんな感じです。

明らかに上に飛んでいる場合

IMG_0169

世界女王ワンイーハン選手。飛んでますね。ショートサーブ後ですね。

IMG_0174

フットワークに定評がある奥原希望選手も飛んでますね。

 

それに対して、男性の選手です。チェンロン選手です。

IMG_2054

 

飛んでませんね。ただ、ちょっと下半身を伸ばしています。

コンマ何秒後が次の写真です。

IMG_2055

 

僅かに浮いてますが、飛んでるとは言い難いですね。空中で下半身を曲げ始めているのも注目すべきところです。

 

実証はできていませんので、良いか、悪いかではなくて、こういう傾向がある、もしくは、こういう現象が起きていると捉えて頂けると幸いです。

 

このように、色々な選手のリアクションステップを目が乾燥するほど、見ていると、「そもそもなんでリアクションステップをするんだろう?」という原点に行き着いました。

 

あーだ、こーだ考え抜いた、私なりの結論です。

 

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リアクションステップの原点は、やっぱりSSCと伸張反射

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皆様、これから垂直跳びのテストをすると想像してみてください。

 

「できるだけ飛びたい!」そんな思いで、スタートの合図!

 

はい!最初に何をしましたか?

 

上に勢いよく飛び出すために一度しゃがむと思うのですが、その前に、勢いをつけるために、身体や腕を上に引き上げませんでしたか?

 

立ち幅跳びでもいいです。一回、身体や腕を引き上げますよね。

 

絶対やるはずです。

 

そのうえでもう一度、トップ選手の画像を見てみましょう。

 

IMG_2054

飛んではいませんが、上方向に一度身体を引き上げています。

IMG_0174

恐らく、上体まで引き上げるとネット前の対応に遅れてしまうので、下半身だけ伸ばしています。

 

この後は、両選手とも以下のようになります。

IMG_2055

IMG_0176

 

つまり、股関節・膝関節・足関節を急激に曲げた時に、引き起こされる【SSC】や【伸張反射】を最大にするため、しゃがみこむ前に、それぞれの関節を伸ばすということです。

 

特に、リアクションステップで足を地面から話すことで、リラックスした状態で、つま先を下に向けることが可能です。これは、アキレス腱の伸張反射を利用するためには、実に効率が良い動きだと思います。

 

男性選手に比べ、女性選手が上に飛ぶ傾向があるのは、女性選手のほうが筋力が弱く、より強い勢いを必要としているのか?

 

もしくは、男性選手のラリーのほうが早いため、上方に飛ぶ時間がない、もしくは、筋力的に省略できるのか?

 

そんな風に考えています。もし、他に可能性があればぜひ、メッセージください!興味は尽きないですね!

 

最後に、動き出しのトレーニングを一つ紹介して終わりにしたいと思います。

 

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動き出しスピードを高める練習

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BWFのサイトにも載っているのですが、少し私なりにアレンジしてます。

 

ラケットダッシュです。パートナーが手を離した時点でスタートを切ります。ラケットが倒れる前に掴みます。

 

 

最初に足を前後にした状態でスタートします。

 

次は、足を並行にした状態でスタートします。

 

 

次回のテーマですが、リアクションステップでは、足を縦にした状態と横にした状態があります。詳しくは次回考察しますが、大事なのは、どちらの足でもできるだけ同程度のスピードでできることです。

 

足を縦にしたスタートと、足を横に並行にしたスタートでは、ステップが変わってきます。よくご覧になってみてくださいね。

 

また、指導先のバドミントン部の練習が休みだったので、サッカー部にお願いしてしまったのですが(すみません)、バドミントン選手であれば、最後ラケットを掴む時の足は利き足を大きく踏み出す、スプリットの形で取りに行くのが好ましいと思います。

 

今回は長くなってしまいましたが、最後までお読みいただいてありがとうございました。

 

先日、バド×チェックをご覧頂いた50代くらいの方からメッセージを頂きました。「50代くらいのレディースでもできるトレーニングを紹介してください」と。こういうご要望は非常に嬉しいです。いつからとはお約束できませんが、必ず取り上げたいと思います。ありがとうございます!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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近藤 洋パーソナルトレーナー東京都練馬区『痛みと姿勢改善専門パーソナルトレーニングスタジオ コア・リファイン』オーナー

投稿者プロフィール

1978年11月1日生まれ
パーソナルトレーナー
東京都練馬区『痛みと姿勢改善専門パーソナルトレーニングスタジオ コア・リファイン』オーナー
二児の父親

《取得資格》
日本体育協会公認 フィットネストレーナー
バドミントン4級指導員
日本コアコンディショニング協会 アドバンストトレーナー・アスリートスペシャリスト
PHIピラティスマットⅠ&Ⅱトレーニングインストラクター
加圧トレーニングインストラクター
ランナーズフィジカルトレーナー
ランニングプロコーチ
NESAハートレートパフォーマンススペシャリスト
ランニングアセスメントスペシャリスト

《バドミントン経歴》
文京区立文林中学校
団体 関東大会ベスト8
個人 シングル東京都ベスト8

都立小石川高校
都大会に出場するも結果残せず…。

立教大学
関東大学リーグ4部→3部昇格
関東学生選手権B ダブルス優勝 シングルベスト8

高校卒業後から現在まで中学生・高校生を中心にバドミントンを指導
パーソナルトレーナーとして、一般の方〜アスリートまで運動指導する傍ら
バドミントン指導に情熱を注いでいます。

バド×チェックでは、
バドミントンを身体の使い方やトレーニングの観点から紐解いて、
皆様のレベルアップやご指導のお役に立てたらと思っています。
皆さんと同じようにバドミントン大好き人間です。
最近の悩みは息子がバドミントンではなくサッカーを始めたことです。
よろしくお願いいたします。

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