今回からは少し方向性を変えて、『味覚』という視点から食事のお話を展開していこうと思います。一般的に食品の味は舌で感じられていることは、周知の通りかと思います。ここには科学的な根拠がしっかりと確立されています。
味覚の話に関して展開していこうと思った理由としては、『身体に必要なものでも、必ずしも美味しく感じられるものばかりではない(あるいはその逆)』という事が科学的にも分かっているのですよーというのを紹介出来たら面白いかな、と考えた為です。
身体に必要なものは様々ですが、最終的には皆さんの興味がありそうなサプリ等に話題を着地できればと思います。小難しい話も出てきますので、何回かに分けていこうと思います。
<味は舌でどのようにして感じられているのか??>
味覚は一般的には5つに分類されています。その5つというのは甘味、塩味、酸味、苦味、うま味です。これら5つを基本味と呼び、これらと辛味や渋味などがブレンドされて、実際の食品の味が作られていきます。今日はこうした基本味がどのように感じられているのかを紹介していきます。
舌の表面には味蕾(みらい)と呼ばれる部位が多数存在しており、味蕾を形成する味細胞で味を受容しています(下図)。今日のキーワードは『受容体(じゅようたい、分子レベルで味を認識する部分)』。味を感じるメカニズムを、より突っ込んで考えてみます。
最初に発見された受容体は実は苦味でした。T2R(Taste receptor type2)と呼ばれる受容体たんぱく質が発見され、2000年にCell誌に掲載されたのを皮切りに、甘味やアミノ酸の味の受容体であるT1Rが発見され、この分野が一気に活性化してきています。
食品の味は様々ですが、実は存在している(現在までに発見されている)味覚受容体はこの2つしかないのです!!各TRにはいくつか種類が発見されており、例えば甘味はT1R2とT1R3の複合体が受容体として働いていますし、アミノ酸はT1R1とT1R3の複合体が、といった感じです。
今回は小難しい話が沢山出てきましたが、後半の部分は知っておいて損はないと思いますし、実は日本初の研究結果も海外と比較して非常に多いのです!実際の食事の味だけでなく、その感じ方の研究も先端を走っていて、日本の食研究への意識の高さを感じることができる分野です。だんだんと具体的は話をしていきますので、しばらくお付き合いください(笑)
ではまた次回!(写真はJOJO第四部より。こんなに感激するような料理、皆さんは食べたことありますか?^^)