タンパク質とエネルギーのバランスに関して その2

こんにちは。仕事がバタバタして、しばらく更新をお休みしていましたが、落ち着いたので復帰出来ました。

前回導入したPEの話です。今回は具体的な食品の話を交えて説明してみます。

<P:E比の概念をもう少し詳しく。なぜこの概念が必要なのか?>

食品成分表では食事の栄養素含量は、可食部100 gあたりの含量で記載されていますが、実生活への適応を考えてみると、これら食品を『日々どれくらい摂取するのか?』を考慮に入れる必要があります。

食品の栄養的な価値は、そこに含まれる栄養素によって規定されますが、可食部100 gあたりの値で表示するよりも、食品が持つエネルギー(≒カロリー)に対する各栄養素の割合として表す方が、解釈する上で都合が良くなります。これを栄養素密度(nutrient density)と呼びます。

なぜ解釈する上で都合が良いかといえば、バランスの良い食事を議論する上では、『必要なエネルギー摂取量を満たしている』ことが前提になっているからです。例え身体に良いものを摂取したとしても、エネルギーが不足してしまっては本末転倒ですよね。エネルギー産生に使われてしまいます。

こうした考え方のもと、栄養評価指数(Index of Nutrient Quality : INQ)という概念が存在しています。INQは脂質やビタミンなど、様々な栄養素に対して定義できますが、この内タンパク質に関して定義したものが、前回お話ししたP:E比という事になります。

<P:E比の計算方法>

タンパク質は1 gあたり4 kcalとして計算します。

PE ratio = タンパク質量(g) × 4 / 食品総カロリー です。実際にはこれに100をかけて、%で表示します。

<具体的に食品のPE比を見てみよう>

以下に食品のPE比をいくつか挙げてみました。

スライド1

やはり穀物などの野菜と比較して、魚介や肉類などの動物性タンパク質は非常に高いPE比を示しており、タンパク源としての質の高さをうかがうことが出来ます。

しかしながら、私たちが本当の意味で気にするべきなのは、食品ではなく『食事のPE比』であると言えます。次回はそのあたりに関しても触れていこうと思います。

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山村 淳貴東京大学大学院(在学中)

投稿者プロフィール

■ 生年月日:1988 年 7 月 30 日
■ 身長(cm) / 体重(kg):165cm / 55kg
■ 血液型:AB型
■ 出身地:北海道札幌市
■ 経 歴:北嶺中学校→北嶺高校→東京大学(学部、修士を得て、現在は博士課程に在籍中)

大学では基礎栄養学を専攻して、実験や勉強の日々を送っています。タンパク質/アミノ酸栄養科学を専門としていますが、機能性食品開発研究などに携わることもあります。

バドミントンは大学入学時から始めて、かれこれ9年目。もっと上手になりたい!と日々練習しています!

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