こんにちは。仕事がバタバタして、しばらく更新をお休みしていましたが、落ち着いたので復帰出来ました。
前回導入したPEの話です。今回は具体的な食品の話を交えて説明してみます。
<P:E比の概念をもう少し詳しく。なぜこの概念が必要なのか?>
食品成分表では食事の栄養素含量は、可食部100 gあたりの含量で記載されていますが、実生活への適応を考えてみると、これら食品を『日々どれくらい摂取するのか?』を考慮に入れる必要があります。
食品の栄養的な価値は、そこに含まれる栄養素によって規定されますが、可食部100 gあたりの値で表示するよりも、食品が持つエネルギー(≒カロリー)に対する各栄養素の割合として表す方が、解釈する上で都合が良くなります。これを栄養素密度(nutrient density)と呼びます。
なぜ解釈する上で都合が良いかといえば、バランスの良い食事を議論する上では、『必要なエネルギー摂取量を満たしている』ことが前提になっているからです。例え身体に良いものを摂取したとしても、エネルギーが不足してしまっては本末転倒ですよね。エネルギー産生に使われてしまいます。
こうした考え方のもと、栄養評価指数(Index of Nutrient Quality : INQ)という概念が存在しています。INQは脂質やビタミンなど、様々な栄養素に対して定義できますが、この内タンパク質に関して定義したものが、前回お話ししたP:E比という事になります。
<P:E比の計算方法>
タンパク質は1 gあたり4 kcalとして計算します。
PE ratio = タンパク質量(g) × 4 / 食品総カロリー です。実際にはこれに100をかけて、%で表示します。
<具体的に食品のPE比を見てみよう>
以下に食品のPE比をいくつか挙げてみました。
やはり穀物などの野菜と比較して、魚介や肉類などの動物性タンパク質は非常に高いPE比を示しており、タンパク源としての質の高さをうかがうことが出来ます。
しかしながら、私たちが本当の意味で気にするべきなのは、食品ではなく『食事のPE比』であると言えます。次回はそのあたりに関しても触れていこうと思います。