いつもバド×チェックをお読みいただきましてありがとうございます。近藤です。
【動き出しスピード】をテーマにして第3回目です。なるべくわかりやすくまとめようと思うのですが、少し長いテーマになりそうです。
ですが、私の最も得意とする分野なので、お付き合い頂けたらと思います。
前回は、
【「移動」とは「不安定な状態」を作り出すことである】とお伝えしました。
両足に囲まれた内面である「基底面」から、「身体重心点」を外に出すと、移動が起こるという話でした。
しかし、あまりに急激に外に出してしまうと、上の画像のようなスマッシュレシーブや飛びつき、プッシュなど、次の動作が多少遅れてもチャレンジするべき場面ならいいのですが、連続したラリーに対応できません。
そこで、今回のテーマは「動的安定を保った移動」となります。
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動的安定性とは?
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まずは、「動的安定性」の言葉の意味です。
ウォーキングやランニングを例にするとわかりやすいと思います。
ウォーキングやランニングも、典型的な「移動」なので、基底面上を身体重心点が動き、「不安定状態」を作りだしながら、前へ進んでいます。
しかし、人が歩いている姿や走っている姿を想像すると、バドミントンのスマッシュレシーブのように倒れこみながら、歩いている人はいません。
「そこ曲がって」とか「止まって」と言われても、問題なく対応することができます。
これは、「基底面」から「身体重心点」が出そうになっても、次の足を送り出し、一歩すすんだ所に新たな「基底面」を作り出すことによって、安定した状態を維持しています。
このような状態を「動的安定性」といいます。
では、バドミントンでそのような「動的安定性」を作り出すには、どうしたらよいでしょうか?
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身体重心点をどこに持っていくのか?
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「動的安定性」を保ち、移動するためには、「身体重心点」の置き所が重要です。
突然ですが、問題です。重心移動に関する実験です。
下図のように、体重計を二つ用意して、それぞれ片足づつ乗せます。
均等に体重をかけてから、徐々に「右方向へ」移動しようとしてみましょう。
つまり、「重心を右」へ移動させる、ということです。
移動しようとする、と言っても「左足」は体重計から浮かないようにします。
すると、左右の体重計はそれぞれどんな反応をするでしょうか?
①重心が右に移動するのに合わせて、右の重さが増加する
②右に重心を移動させても、基底面の外に出ない限り左右の重さは変わらない
③最初、左の体重計が増加して、右の重さが増えていく
正解は、、、
③です。
ここで確認したいことは、二つです。
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⬜︎右に移動するためにまず起こる反応は
【左足で地面を押して右足への重心移動を促すこと】である。
⬜︎右に移動するためには、【右足への重心移動が必要】である。
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(右方向へ移動する場合)
左足で右方向へ地面を押しながら、上半身を右方向へ傾け、右足に重心を移動させるという一連の流れを作り、常に移動方向側の足へ重心が乗るように、足を次いでいくわけです。
そしてシャトル方向へ「移動」し、打つ時や、打った後の着地などは、バランスが崩れることのないように、「身体重心点」をしっかり基底面内に留めるようにストップ動作を行います。
ですので、「動き出しのスピードを高めるために必要なこと①」は、
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【進行方向と逆の足で地面を押す(床反力)動きと、上半身を進行方向へ傾ける動きを同時に行い、進行方向側の足へ「身体重心」を移す】という動作を早くする。
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ということになります。
今回は文字ばっかりになってしましましたが、次回は、写真や動画でわかりやすくまとめたいと思います。それにプラスして、力を発揮する方向(ベクトル)を決定づけるとても重要な【シンアングル】について、考察したいと思います。
本日も最後までお読み頂きましてありがとうございました。
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