いつもバド×チェックをお読み頂いてありがとうございます。近藤です。
前回より動き出しスピードについて考察しております。
「慣性の法則から、外力が加わらない限り物体は静止を続ける」のでした。
そして、その外力とは「重力」と「床反力」です。
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つまり、重力を利用し、より早くシャトルの方向へ床反力を発揮することが大事ということです
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もちろん、これだけでは説明が足りません。
少しづつ「移動」について考察していきます。
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「移動」とは「不安定な状態」を作り出すことである
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結論から言ってしまいましたが、人間が「移動」するということは、「不安定な状態」を作り出すことです。
では、「不安定な状態」とはどんな状態でしょうか?また、どうやって作り出すのでしょうか?
それを理解するためには、「基底面」という言葉と「身体重心点」を説明しなくてはいけません。
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「基底面」と「身体重心点」とは?
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ちょっと分かりにくいかもしれませんが、下図の左足と右足に囲まれた内側の面を「基底面」といいます。
そして、「身体重心点」とは、下図の赤丸位置になります。
上部の青丸は「上半身重心点」です。だいたい「みぞおち」のあたりだと思ってください。
下部の青丸は「下半身重心点」です。だいたい「ふともも」の真ん中あたりです。
そして、赤丸の「身体重心点」とは、「上半身重心点」と「下半身中心点」の間に存在します。ここが、いわゆる「丹田(たんでん)」と言われる場所、ではないかと思われます。
さて、「基底面」と「身体重心点」はご理解できましたでしょうか?
話を元に戻します。
「移動とは、不安定な状態を作り出すこと」とお伝えしました。
そちらの本題の説明に入ります。
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「安定している状態」と「不安定な状態」
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「安定している状態」とは、「基底面」の中に「身体重心点」がある状態です。
「安定」していますから、倒れたり、移動が起きたりはしません。
それに対して、「不安定な状態」とは、「基底面」の外に「身体重心点」がある状態です。
「安定」できる範囲であった「基底面」の外に、「身体重心点」が出てしまうと、倒れてしまいますね。もしくは、倒れる方向へ足を一歩出せば、「移動」となります。
そうです!「移動」です!
「基底面」の外へ「身体重心」を外に出すことによって「不安定な状態」、もしくは「倒れてしまいそうな状態」を作り出し、倒れないように足を出すことで、「移動」が起きるわけです。
もう少しわかりやすいように、実際のバドミントンの動きを見ながら説明致します。
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バドミントンにおける「安定している状態」
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リン・ダン選手が、リーチョンウェイ選手のフォア前へ、フェイントの効いたネットを打った直後の写真です。
リン・ダン選手は打ち終わり、これからチョンウェイ選手が打つのを待っている状態。移動は起きてません。よって、基底面内に身体重心点があるのがわかると思います。
対して、チョンウェイ選手は、シャトルが向かってきている最中ですので、移動中です。
移動するということは、身体重心点が基底面の外へ向かっていかなくてはならないのですが、 リン・ダン選手のフェイントにより、一度後ろに下がるようなアクションをしてしまったために、基底面の中に身体重心点が残ってしまっています。
チョンウェイ選手は、この後シャトルに追いつけず、リン・ダン選手のポイントとなりました。
今度は、基底面の外に身体重心点が出て、「移動」が起きている場面を見てみましょう。
リン・ダン選手のストレートスマッシュをチョンウェイ選手がレシーブに行く場面です。
上半身をシャトル方向へ投げ出すようにして、一気に基底面から身体重心を出しているのがわかると思います。
そして、この後はこうなります。
身体重心を投げ出したままでは、倒れてしまいますので、右足を出して「移動」し、
また「安定した状態」に戻っています。
ただし、このように基底面から身体重心点を一気に出すような動き方は、スマッシュレシーブのように、ショットスピードが速く、移動距離が短い時には、有効ですが、その後、体勢を整えるのに負担が生じ、次の動作が遅れてしまいます。連続したアクションには対応できません。
そこで、次回は連続したアクションが可能な、「動的に安定した移動の仕方」を考察していきたいと思います。
今回は、「基底面」の外、シャトルの方向へ「身体重心点」を移動させることによって、「身体移動」が起きるんだな、というところまでご理解頂ければと思います。
本日も最後までお読みいただいてありがとうございます。