分岐鎖アミノ酸に関して知識を深める その1

皆さんこんにちは、山村です。 最近になって急に暑くなった気がしますね、夏も少しずつ近付いてきているのでしょうか。

さて、前回は学会のお話ということで一度脱線してしまいましたが、今週からは再び遊離アミノ酸の機能性の話に戻します。

今週からのキーワードは、「分岐鎖アミノ酸(BCAA)」です。スポーツをされている方には非常に馴染みの深いアミノ酸です。どんな構造をしているのか、については前々回の投稿を参照して下さい(側鎖と呼ばれる部分が枝分かれしている、という構造でした)。今週からは少し専門的な話を突っ込んでみます。

 

<分岐鎖アミノ酸の役割① タンパク質の構成材料として>

まず、この3種類のアミノ酸の特徴として、「骨格筋タンパク質のメインを占めるアミノ酸である」という事がポイントになります。

タンパク質と一口に言っても、どんなアミノ酸から出来ているのかは、タンパク質毎に違います。例えば爪を構成するタンパク質であるケラチンと呼ばれるタンパク質はシステインが主な構成アミノ酸ですし、肌にいいと巷で言われているコラーゲンは、グリシンがほとんど、それとプロリン(&ヒドロキシプロリン)、アラニンでほとんどが出来ています。

タンパク質を構成するアミノ酸は20種類ありますが、この様にタンパク質内での組成にはかなりのばらつきがあるわけです。

骨格筋タンパク質のうち、約15~20%がBCAAであると言われています。ヒトの体重の約40%を骨格筋が占めますから、単純計算で身体の大体6~8%がBCAAということになります。

それだけに、日々のBCAAの摂取が非常に重要かつ不可欠であることは、直感的に分かると思います。材料が無ければ、筋肉も作ることは出来ませんからね。

 

<分岐酸アミノ酸の役割② エネルギー代謝の立役者として>

本題に入る前に、これらBCAAがどのように代謝を受けるかをお話しましょう。

BCAAを代謝・分解するためには酵素の働きが不可欠なのですが、その第一ステップに働くのが、分岐鎖アミノ酸アミノ基転移酵素(branched-chain aminotransferase: BCAT)と呼ばれる酵素です。専門の科学者は「ビーキャット」と読みます。

非常に面白い事に、このBCATは筋肉での発現(存在)量が非常に多いことが知られています。逆に、その他のアミノ酸代謝の中心である肝臓ではほとんど発現が見られません。

筋肉中でBCATによって代謝を受けたBCAAは、グルタミン酸に変換され、その後グルタミンへと代謝されて骨格筋外に出て行くのですが、この時に同時にアラニンと呼ばれるアミノ酸が生成します。

アラニンは「糖原性アミノ酸」と呼ばれるアミノ酸の1種で、肝臓に運ばれるとグルコースに変換されます。この行程を糖新生と呼び、骨格筋と肝臓の2つの臓器がこの様に連携プレーをしてくれるのですが、これを「グルコース・アラニンサイクル」と呼びます。

肝臓で作られたグルコースは再び骨格筋に戻り、エネルギーの元になっていきます。

この様に、BCAAは骨格筋で代謝され、他の臓器との連携によってエネルギーの元としても立ち振る舞うことが出来る優秀な存在と言えますね。

 

今回からは専門用語が多いので、一回の量をこれ位にしておきます…笑

 

ではまた来週!!

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山村 淳貴東京大学大学院(在学中)

投稿者プロフィール

■ 生年月日:1988 年 7 月 30 日
■ 身長(cm) / 体重(kg):165cm / 55kg
■ 血液型:AB型
■ 出身地:北海道札幌市
■ 経 歴:北嶺中学校→北嶺高校→東京大学(学部、修士を得て、現在は博士課程に在籍中)

大学では基礎栄養学を専攻して、実験や勉強の日々を送っています。タンパク質/アミノ酸栄養科学を専門としていますが、機能性食品開発研究などに携わることもあります。

バドミントンは大学入学時から始めて、かれこれ9年目。もっと上手になりたい!と日々練習しています!

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