皆さんこんにちは、山村です。
今週からは、タイトルの通り 「遺伝子」 という言葉からお話をしていこうと思います。
最先端の研究内容から皆さんに馴染み深いサプリメントの効果に至るまで、様々な話を読み解いていく上で、こうした知識は不可欠なものになりつつあります。
昨今の機能性食品開発事情を眺めてみても、遺伝子発現の調節を期待した食品開発が非常に多いため、知っておいて損はないと思います。
本日は導入として、概念的な部分をお話しようと思います。
<遺伝子(gene)という言葉>
私達人間を含む生物は、「設計図」を持っています。この設計図を元にして、細胞の中で沢山の段階を経て物質の生合成が行われ、最終的には組織や身体が出来上がっていきます。
この設計図はどうやら親から子に遺伝するということが知られていて、この事から遺伝子と呼ばれています。(親から子へ、細胞から細胞へ遺伝する性質を決定する因子)
「~は優秀な遺伝子を受け継いでいる」とか、「頭が薄くなるのは遺伝だ」など、至るところでこの言葉は見聞きしたことがあると思います。
<遺伝子の本質はDNAである>
具体的にはどのようにして受け継がれているのかといえば、細胞の中に存在するDNA(Deoxyribonucleic acid、デオキシリボ核酸)という物質に設計図が刻み込まれています。
DNAは下図のような二重らせん構造と呼ばれる形態をとり、通常2本で1セットで存在しています。(二本鎖といいます)
子供には父親、母親から1本ずつ受け継がれ、また2本に。従って両親から遺伝子を半分ずつ受け継ぐことになり、これによって親子が似る、などの話になります。
<設計図であるDNAはどのように使われるのか?>
DNAの中にはヒトの場合、約25000種類のタンパク質の設計図が刻み込まれていると言われています。
しかし、折角の設計図も使わなければ何も作ることは出来ません。一体どうやって利用、工事を行っているのでしょうか。
DNA内の設計図領域からは「転写」と呼ばれる行程を経て、メッセンジャーRNA(mRNA)という分子が合成されます。
さらにこのmRNAは「翻訳」という行程によって、アミノ酸情報に変換され、最終的にはタンパク質が作られていきます。
このようにして、DNA内の設計図からmRNAが合成され、翻訳を経て最終的にタンパク質ができる事を、俗に「遺伝子が発現する」と言います。
mRNAが合成されることも場合によっては遺伝子発現と呼ばれることもありますね。
同じ設計図を持っていても、遺伝子発現のされ方が違えば、当然異なるタンパク質が出来るわけです。これによって個性が出てくるわけです。
となれば、例えば「病気が治るように遺伝子発現を変えられないの?」とか「筋力がアップするように遺伝子発現を変えられないの??」
という様なニーズが生まれてきます。最新医学や食品はこの辺りに着目して開発されています。そういった話を今後展開していこうと思います。
今回お話したのは、高校生物の範囲の内容になります。興味がある方は、教科書等を手にとって読んでみると良いと思います。意外と面白いものですよ。
次回も、もう少し遺伝子発現に関して掘り下げたお話をしていこうと思います。(生物が嫌いな方もぜひお付き合い下さい、、笑)
ではでは、待ちに待ったGW、健康第一に楽しんでお過ごしください♪