ジャパン次世代エースがレジェンドに挑む!!
こんにちは。くさまおです。
今回は、全英オープン男子シングルス準々決勝リン・ダン対桃田賢斗の試合ハイライト動画解説です。日本の次世代エースがオリンピック2大会連続金メダルのレジェンドに注目の初挑戦です。
試合はストローク戦でポイントは一進一退の展開で進みますが、ボディーバランスの良さが持ち味の桃田選手がリン・ダン選手のタメの効いた多彩なショットに毎回ちょっとずつ足を止められ、上体の上下動が普段より大きくなっていることに気付きます。一方、リン・ダン選手は前回の動画解説でもご紹介したように無理をせずハイブリッドバドミントンに徹していることもあって、ほとんど上体のブレがありません。
まず0分11秒のシーンでは桃田選手のラウンドからの強烈なクロススマッシュを抜群のボディーバランスとラケットコントロールでリン・ダン選手はストレートへ球足のすごく短いリターンを放ちます。これによって桃田選手はコートの対角の一番長い距離を走らされます。リン・ダン選手との対戦は、他の選手との対戦よりもほんの半歩ずつですが余計に動かされるだけなのですが、対戦した選手の下半身への負荷は相当なものがあります。
桃田選手もネット絡みのストロークと動くスピードを上げてリン・ダン選手のコートに空きスペースを作り応戦していきます。1分58秒ではフロントコートからディセプションの効いたリバース面でのネットでエースを奪います。しかし、3分53秒のシーンでは全く同じ技でリン・ダン選手がエースを奪い返します。この辺りにも王者のプライドが垣間見えますね。試合はリン・ダン選手が18-18から3連続ポイントを奪い21-18で1ゲーム目を先取します。
2ゲーム目に入るとリン・ダン選手がいきなりストローク戦でショットの多彩さを十分に見せ8-1とリードを広げていきます。その中の4-0のシーンではサーブレシーブからバックハンドの全く同じ体勢・フォームからネット→ドライブ→クロスロブと3連発で打ち分けますのでご注目ください。一方、桃田選手も8分07秒のシーンでは、1ゲーム目に幾度とやられたリン・ダン選手のプレーを盗んだかのようなレシーブを見せてくれます。このような試合を進めていく中での対応能力も桃田選手が一流である所以ですね。
その後もストローク戦の展開で長いラリーが多くなりますが、ラリーの中の要所で強打のスマッシュやカット気味のハーフスマッシュで桃田選手も追い上げを見せます。14-9のシーンでは抜群のタイミングでラウンドからストレートへ強烈なスマッシュを放ちますが、惜しくもサイドアウト。舛田コーチの悔しそうな表情も画面に映し出されます。前回の解説でも記述したようにベストなショットとコースでないとリン・ダン選手には決まらないというプレッシャーと少しずつ余計に動かされたための疲労がブレを生じさせたのではないかと推測します。ここから更に桃田選手が追い上げを見せ19-16→19-18→20-19としますが、結局21-19でリン・ダン選手の勝利となりました。
共に抜群のボディーバランスとラケットワークを兼ね備えた選手ですが、プレーで決定的に違ったのは相手に与えるストロークでのダメージだと感じました。攻めるのかそうでないか少し分かりやすい桃田選手に対して、リン・ダン選手は攻めると見せかけて攻めなかったり、その逆もあるので相手は的を絞って待つことが全く出来ないのです。1本1本のポイントももちろん重要ですが、1試合を通して相手にジャブを打ち続け疲労させるという要素も世界のトップランクでは重要なのですね。試合後の両選手の息の上がり方も実に対象的でした。また、敗れはしたものの桃田選手はこの試合楽しかったんじゃないかと思います。レジェンドからもっともっと盗んで、吸収して化け物みたいに強くなってくださいね(^^)/