一時代を築いた王国ダブルス対決 マルキス・キド/ヘンドラ・セティアワンvsクー・ケンケット/タン・ブンホン
こんにちは。くさまおです。
今回は2010年に中国広州市で行われたアジア大会男子ダブルス決勝のハイライト動画解説です。全編21分24秒の動画は見所満載ですので、今回だけは飛ばさずに全編見てくださいね(笑)
このインドネシアペアは言わずと知れた北京オリンピックの金メダルペアです。一方のマレーシアペアも長きに渡りマレーシアいや世界の男子ダブルスを牽引した実力者ペアです。両ペアとも今ではもう見られなくなくなってしまい本当に残念ですが、当時と変わらず今も一線で活躍しているセティアワンとタンに比べ、当時はずいぶんとスマートで動きもキレキレのキドとクーのプレーには注目です(笑)
セティアワン選手の身のこなしやラケットワークは今も定評のあるところですが、当時のクー選手の身のこなしやラケットワークも一級品です。また、トリッキーなプレーも多いので見る方の目を惹きつけます。タン選手は世界最速スマッシャーとして有名ですが、当時のキド選手も動きも速いので後衛からの攻撃は破壊力抜群です。この辺りを全編ご注目ください。
試合は1ゲーム目から一進一退の展開となりますが、随所に選手が持ち味を見せてくれます。マレーシアペアの9点目のシーンではタン選手が上体とラケットを巧く使い、ロブと見せかけてハーフへ球を沈めます。その他にもタン選手は後衛からも上体の捻りを使いスマッシュを放ったり、レシーブ場面でも上体をスウェイさせ俗に言う『流し打ち』でコースを変化させます。タン選手も後衛からの強烈なアタックを連発しますが、前衛でもコンパクトで速いスイングでアタックを決めていきます。一方インドネシアペアも12点目のシーンではキド選手が前衛で抜群の反応で背面からバックハンドでアタックを決めてみせます。セティアワン選手もドライブ場面から上体を巧く使ってコースを巧みに変えていきます。しかし、パートナーとのコンビネーションがより冴えたマレーシアペアが21-16でこのゲームを先取します。
2ゲーム目もお互いの持ち味を十分に発揮して一進一退の展開となり、延長ゲームに突入しますが、ここからの両ペア四選手の気迫溢れるプレーは要注目です。この場面で一番冴えを見せるのはセティアワン選手の冷静な判断です。ネット前から強いプッシュと緩いネットを相手を見て使い分けるのです。結局このゲームを26-24でインドネシアペアが取り返します。
ファイナルゲームはインドネシアペアのリードで進みます。14点目には今度は後衛からセティアワン選手が緩急の効いた攻撃を決めます。ここからマレーシアペアも意地の追い上げを見せ19-19としますが、最後もセティアワン選手が冷静な判断からネットを沈め21-19でこの激戦を制しました。試合後にはお互い死力を尽くした者同士を称えあうシーンも感動的です。
抜群のテクニックを持ち、観客を魅了するクー・ケンケット選手のプレーをファンの一人としてもう一度見たいと思うのは私だけではないと思いますが、風貌もヤンチャくさくてなんか憎めないですよねぇ。クー選手は私の実業団の後輩で現在NTC専任コーチのI井N夫氏とめっちゃカブるんですが、私だけでしょうか(^^;