世界ナンバー1ペアに中国の若手ペアが挑む
こんにちは。くさまおです。
今回は、昨年末にドバイで開催されたスーパーシリーズファイナルズ男子ダブルス決勝イ・ヨンデ/ユ・ヨンソン(韓国)対ホン・ウェイ/チャイ・ビャオ(中国)の動画解説です。抜群の安定感を誇る世界ナンバーワンペアに対して激戦を勝ち上がって勢いのある若手ペアがどう挑むかが注目です。
この動画21-19中国ペア先取で迎えた2ゲーム目13-10韓国ペアリードの場面から始まります。イ・ヨンデとユ・ヨンソンも180cmほどの身長なのですが、中国の二人は更にデカく190cmくらいはあります。(調べてみたのですが、実際の数字は分かりませんでした(^^;)この高さからパワフルな攻撃を繰り出すのがこのペアの最大の武器なわけですが、1ゲームの結果をみても中国ペアが勢いづいていることがよく分かります。この勢いを止めるべく韓国ペアは極力上げないラリーをしようとしますが、中国ペアのスピードが勝り13-13と追いつかれてしまいます。
ここから韓国ペアもサーブ場面からネット前のスピードを上げ攻撃に転じますが、16点目を取った韓国ペアの攻撃フォーメーションに注目です。前衛と後衛のポジショニングはあるものの左右に担当を分け、相手のクロスリターンをシャットアウトしています。この左右に分けての連続攻撃はこのペアに限らず、韓国のダブルスの特徴です。
低く速いラリー展開に中国ペアも下半身を上手く使い、潜り込んで上体を立て、上からドライブが打てる体勢を作って応戦します。17点目のチャイ・ビャオ選手のドライブの姿勢に注目です。この後一進一退の展開で19-19となりますが、中国のコーチの表情は実に柔らかで『少々のミスはいい。思い切って攻めろ!』と若いペアが余計なことを考えずに勢いで押し切ってしまう方法がこの試合を勝つために一番必要な条件だと読んでいると思いました。しかし、最後はサーブ場面から抜群の集中力を見せた韓国ペアが21-19でこのゲームを取り返します。この辺りがチャンピオンたる所以ですね。
ファイナルゲームは一転して韓国ペアがサーブ回りから主導権を握りリードを広げていきます。ネット前やハーフ球を体の前で捉え、速く沈む球を多く放っていますので、注目してください。また、少しずつの距離ですが、中国ペアを左右に振り相手のボディーバランスを崩しています。リターンもアタックも同じコースにはほとんど打たず、相手選手の右サイドに打てば次は左サイド、右サイドに打てば次は左サイドと打ち分けています。11-2でインターバルし、その後も集中を切らさず14-3までリードを広げます。14点目を奪ったイ・ヨンデ選手の前衛は相手のストレートリターンを実に見事に読み切ってシャットアウトしています。
このまま試合が終わってしまうのかと思いきや、ここから中国ペアも反撃に出ます。5点目を奪ったホン・ウェイ選手の右奥から放ったクロススマッシュはスピード・角度・コースどれをとってもエゲつなく、ノータッチで決まります。また、7点目を奪った連続アタックも韓国ペアがリターンコースを変えたくても変わらない威力があります。8点目にはガットが切れたにも関わらず、ラリー中にラケット交換をし、ポイントを奪っています。このようなきっかけでも試合の流れは変わるもので、中国ペアは益々スピードを上げ、積極的に前へ出ます。16-19まで追い上げますが、ここでも韓国ペアが冷静にネット前の攻防戦を制し、結局21-16で韓国ペアがタイトルを獲得しました。
韓国ペアの競った場面でのサーブ回りの集中力やネット前の安定感は流石ですね。また、中国ペアも攻撃力は圧倒的ですからレシーブやネット前の細かいプレーに安定感が出てくれば、世界の脅威になることは間違いありません。いずれにせよこの二ペアの動向に2015年も注目です。
韓国や中国には試合や遠征で幾度となく行っていますが、ある年の日韓親善大会で韓国を訪れた時には開催が地方都市だったために普通の宿泊施設が無く、今で言うところのファッションホテルに宿泊したことがありました。私は今は亡き盟友のM山選手と同部屋だったのですが、部屋にはダブルベッドが一つ(*_*)尚且つ、赤やピンクの派手な怪しい雰囲気の部屋で一晩デカい兄ちゃん二人がベッドを共にしたのですが、それも若かりし選手時代の良き思い出です(^^;