おはようございます、バド×Foods くだもの担当のうえきです。
先週は世界の栗の大まかな分類と旬の時期について紹介しました。
保存方法を書き忘れてしまったのでまずは保存方法から。
保存方法・・・その前に
はい、その前に。「買ってきた栗がさらに美味しくなる、かもしれない」方法があります。 「かもしれない」としたのはあらかじめその方法がとられたあと出荷されているものもあるからです。
その方法は
約0℃になるところに4週間置いておくこと。
冷蔵庫だとパーシャルかチルドの場所です。理由は 冬が来たと勘違いさせ、凍結防止のためにデンプンを糖に換える働きを促すため。 です。
もともと栗は「種子」なので「寒い冬を乗り切って翌年発芽する」という大事な使命が遺伝子にプリセットされているはず。
それが「寒さ」が引き金になって「冬を乗り切る対策遺伝子」が動き出したと。
余談になりますがこの「寒くなるとデンプンが糖に換わる現象」は他の野菜やくだものにも当てはまります。雪室貯蔵した野菜やくだものがあまくなるのはおそらく同じ理由でしょうね。
もう一度、保存方法
また例のごとく前置きが長くなってますが、肝心な保存方法です。
この時期に買った栗はすでに燻蒸処理がなされているものが多いと思いますので、虫の痕跡(食べかす、鬼皮に穴)が見られない限り冷蔵庫での保存で年明けまでは大丈夫だと思います。
年明けのあとだって食べたいでござるー!という人は以下の2通りの方法をとってください。
◯ 生のまま冷凍 ◯
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手順1 収穫した栗を0度に近い温度の冷蔵庫で密封せず1~2日間品温を下げる。
手順2 ポリエチレン袋に移し、0度(許容範囲±2度)で5週間低温処理する。 (その間に糖含量が3倍程度になる。)
手順3 最も甘くなったところでマイナス25度以下で冷凍貯蔵する。
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◯ 調理してから冷凍 ◯
ゆでる …たっぷりの水からゆでて沸騰したら弱火で40分
焼く …皮をお湯に浸し、鬼皮に切れ目をいれて皮を剥きやすくし、180℃ で小一時間程度。
土鍋 …過去のためしてガッテンで紹介された方法で、以下の通り。
1)土鍋に蒸し皿をひき、栗1キロに対し水1リットルをいれる。
2)火をつけ、土鍋から湯気が出てきたら、栗を投入。 ふたをして1分したら火を止め、10分むらす。
3)10分後再点火し、あとは、中火で50分蒸せばできあがり。
注目の栄養素 と 見込める効果 アドバイス:山村先生
まずは栄養成分表をどうぞ。
先ほど「デンプンが糖に換わってあまくなる」といきなり書いてしまいましたが、栄養成分表をみて頂くと栗は炭水化物が脂質よりも多いのがわかっていただけるかと思います。
(他のナッツ類は 脂質>炭水化物) 炭水化物は多糖類、つまり沢山の糖がつながった構造でできているので、分解していくと糖になります。
植物の光合成による産物であるデンプンも多糖類の一種で、グルコースが沢山連なってできています。
デンプンは味がしませんがグルコースは甘みがあるため、栗が寒さにあった結果グルコースが増えて甘みがましたというわけです。
それではいつも通り、運動と健康維持に役立ちそうな栄養成分をご紹介します。
いつも参考にしている果物ナビの栄養成分の比較をみて、果物の中では栗がトップにくるものがあまりにも多くて悩みましたが、以下の2つにしました。
「◯栄養素の名前 可食部100gあたりの含有量/1日の摂取目安、目標量 【見込める効果】」
① 葉酸 約76μg/100g 所要量:200μg(15歳以上男女) 【核酸・アミノ酸合成】【貧血予防】
漢字2文字で書きますが、ビタミンB群の1種です。
葉酸はメチル基とよばれる(-CH3と書きます)炭素鎖を、他の物質に受け渡す能力を持っています。この能力を持っている物質を、メチル基供与体(メチル基ドナーとも)と言います。
メチル基の転移は、DNAの核酸生合成やアミノ酸生合成に重要です。要はメチル基をくっつけられる事によって、新しい物質(核酸とかアミノ酸とか)が出来るわけです。
核酸生合成の重要性は言うまでもないですが、アミノ酸生合成に関しては簡単な知識を補足しておきます。
ホモシステインというアミノ酸は、メチル基をくっつけるとメチオニンというアミノ酸に変わります。この時にメチル基ドナーが必要になります。そのため血中のホモシステイン濃度が高い(=メチル基ドナーが不足している)人は、動脈硬化になりやすいことが分かっています。
また、妊娠初期の葉酸不足は胎児の神経管障害を引き起こす事もわかっています。多くの女性が自分の妊娠に気づく前の時期でもあるため、日頃からの摂取が望ましいとのことです。
② ポリフェノール 約150~200mg/100g 上限:?g 【エネルギーの利用効率UP】
エネルギー代謝が亢進していたり、グリコーゲンへの変換が亢進していたり。パフォーマンスの向上に繋がると考えられます。
(ブドウに引き続き栗もうちの畑にはないため写真が準備できずすみません。)
参考文献
(※3) 第2章 五訂増補日本食品標準成分表(本表) 種実類
(※4) 雪室貯蔵における馬鈴薯の加工適性評価(第1報)(平成 17 年度)
リッピンコット 生化学 原書4版
最新栄養化学 朝倉書店 野口忠ほか著
(「(cf※)」でリンクを貼ってある参考にしたサイトには抜粋した以外にもおもしろいことが書いてるので興味が湧いたらのぞいてみてくださいね◎)
P.S.
先日、大学の部活の同期の友だち同士の結婚式(←の 使い過ぎ)に呼んでもらって大阪までいってきました。
バドミントンて結構カップル誕生率高いスポーツなのではないかと思うのですが、どっかに統計データとか落っこちてないですかね?(ご存知の方いたら教えてください!)
石垣島でミックスのバドミントンの試合に出たときに夫婦ペアが優勝していて「愛のチカラには敵わないですね〜」なんて楽しくやってたのを思い出して懐かしくなりました。
私がいたときの石垣島のバドミントン事情もいつか書けたらと思います。
突然ですが、中央大学のインカレ優勝おめでとうございます!
それでは今週も楽しくバドミントンしましょー♪