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シングルスで、相手のネット前がとても上手く、崩されてしまう!どうすればよい?(ネット前敬遠戦術)
- 2020/12/14
- バド♪Remaking
こんにちは。バドミントンプロコーチの樋口です。
シングルスで、相手のラケットワークが良かったり、動きが速くて、ネット前から翻弄されてしまった経験がありませんか?
今回は、シングルスで、ネット前からの捌きが上手い相手と対戦した際の対処戦術の一つ(ネット前敬遠戦術)を考察してみます。
最後までお付き合いのほど、宜しくお願い致します。
(ステージ1)
【ネット前から翻弄される原因】
相手のラケットワークが上手で、フェイントをかけられたり、ネット前に入るのが速く、インパクトのタイミングが速く(タッチが速い)、こちらの対応時間が削られている等
ラケットワークが上手な選手というのはいるもので、理屈をしっかりと掴んで伝える性質のある技術指導においては、なかなかラケットワークの華麗さを指導していくというのは、難しいのが現状です。
このような選手がネット前に入ると、その長所を生かして、タイミングをずらしたり、コースを急に変更したり等、相手の足を止めたり、時間を削ったり、意表を突いたりと様々なことを仕掛けてくるリスクが懸念されます。
また、攻撃などの後に、ネット前に入るのがとても速い選手も、仕掛ける時間が十分に確保できるため、その時間を使って上記のような仕掛けを施してきがちです。
いずれも、こちらにとっては不利な内容であり、その場で、相手と同様にラケットワークを向上させたり、前に入るフットワークが速くできれば、それに勝る戦術はないですが、その場で急には中々難しいのも現実かと考えます。
(ステージ2)
【対策】少し長めなネット前ショットを打ち、相手の得意なネット前に近づけさせない
野球やサッカー、ボクシングなどでもそうですが、相手のホームグラウンドで戦うことは、こちらの不利になりがちです。なぜなら、相手はその場所に戦い慣れており、サポーターなどの応援者も多数いて、心理的にも楽な状態で戦えるからと想定できます。
バドミントンもネット前が得意な相手にとって、自分の得意範囲を最大限生かせる分、ネット前で勝負できることはとても有利になります。
ですので、なるだけ相手をネット前に物理的に近づけないようにして、得意な部分を封殺するようにします。
とはいえ、ネット前に逃げたり、攻撃をしかけないということは、不可能ですので、ネット前からやや離れた位置に打球を送り込むようにします。
すなわち、長めの打球を打つようにするのです。
具体的には、長めのカットやドロップ、長めのヘアピンなどです。
こうすることにより、相手はネット前に近づけないため、ラケットコントロールの良い相手には、スピンネット系や、自分のコートで山を作ってネットぎりぎりに落とすヘアピン、インパクトを意図的にズラすフェイントなどのネット前の繊細なストロークを封じることが期待できます。
回転系ショット(スピンやタンブル(縦回転)など)は、回転によって空気抵抗が増えるため、打球距離が伸びにくい特性があります。
よって、ネット前から離れた状態で、それらを使うと、ネットを越えられずにミスになる可能性が高くなり、使用リスクを高めることができると考えます。
また、こちらの長い打球は、飛行距離が長い上に、前方向に働く力が増していますので、相手のラケットに当たった際の反発力も、ネット近くに落ちる球よりも強くなっていると想定できます。
よって、ネット前への移動が速いタイプも、ネット前に到達する前に打球して、返球が長めになると考えられます。
相手の返球が長くなれば、打球はこちらに向かってきてくれることになりますので、こちらのネット前までの移動距離や移動時間を短縮できます。
それは、相手に小技を駆使させる時間を与えない分、こちらが相手に技で翻弄されるリスクが軽減することを意味します。
(ステージ3)
【その他】長めのネット前への打球を打った場合は、相手からの後ろに煽る返球を意識する
長めのネット前ショットは、相手のラケット面からの反発力が増す分、後ろに低い攻撃球で煽ってくる可能性が高くなります。
それに対応して、両足や両肩を前後に向けておく、肘をやや高めに置いておくなど、跳びつきや鋭いステップワークで対応する準備が必要になります。
相手がどこに打って来るかを予測するのは、駆け引き的な部分も多いですが、戦術的に起こりうる確率が高そうなものから優先順位をつけて準備する意識も大切と考えます。
今回も最後まで、お読みいただきありがとうございました。
次回は、「ドライブ技術のアドバイスをもらっても(習っても)、いざ打ち合いをすると、全く上手くいかない。なぜ?(ラリー開始時の構え編)」です。
※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点ご理解の上でお読み、お試しくださればありがたいです。
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